宮部みゆき 『魂手形(三島屋変調百物語 七之続)』 感想 | お腹の不調を改善する食の専門家 佐々木 ゆみのブログ

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20年以上、過敏性腸症候群(IBS)に悩んでいた私が、
不調を改善した食事メソッドを中心にお伝えしています。

三島屋変調百物語は、

この『魂手形』で七冊目になります。

 

 

 

 

この百物語は変わり百物語で、

集まった人々が順繰りに怪談を語るのではなく、

 

 

一人の語り手が一人の聞き手と向き合い、

語って語り捨て、

聞いて聞き捨てにする決まりになっています。

 

 

 

今日も江戸神田三島屋

黒白の間に語り手がやって来ます。

 

 

 

語り手たちは一様に

忘れたくても忘れられない

心の重荷を下ろしに三島屋に来るのです。

 

 

 

 

今回もなかなかの語り手が集まってきますが、

 

語り手は聞き手である

三島屋の次男 富次郎に

引き寄せられて、やってくるような気がするのです。

 

 

初代の聞き手のおちかがそうであったように

 

 

 

富次郎はおちかの従弟で、

ある出来事をきっかけに

おちかから百物語の聞き手を引き継ぎました。

 

 

魂の凍るような怖い話も

 

救いようのない悲しい話も

 

 

富次郎の生来の優しさと温かさで、

語り手たちの重い荷物を

行くべき所に送ってくれるような気がします。

 

 

 

怖い話が苦手なくせに

魅力的な登場人物たちに引き寄せられ、

 

百物語の世界にはまってしまった私は、

新しい本が出る度にぷるぷるしながら本を開きます。

 

 

 

この三島屋変調百物語のシリーズは他に6冊あります。

 

 

おちかや富次郎の人生も

物語の中に出てきますが、

 

お話自体は一話完結なので、途中からでも楽しめます。

 

 

猛暑の夜のお供に如何ですか?

 

 

『おそろし 三島屋変調百物語事始』

『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』

『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』

『三鬼 三島屋変調百物語四之続』

『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』*

『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』

 

*第五話より、聞き手のバトンタッチあり