ええやん、ほっといて・・・~レディー・バタフライ①~ | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

無限∞の愛と豊かさや可能性を開く美開女になる「心のフィニッシングスクール」プリンシパル&宇宙ビジョン作家の人響三九楽ひびきさくらです。

 

なぜ8割で開くと、愛も豊かさも開くのでしょう?

 

何を8割、開くといいのでしょう?!

 

それは、こちらをお読みくださいね。

 

 

つけっぱなしにしていたテレビから、10年前の結婚雑誌のCМの歌が流れていた。

少し切なく甘いメロディーは当時大ヒットし、その歌は当時の蝶子の心をえぐった。

そうや、あれはわたしが最後に結婚をあがいていた時やった・・・

蝶子はその歌を聞きながら、忌々しく思った。

 

でも、テレビを消すことはできない。

豚肉とキャベツともやしを炒めて塩コショウし、今そばを投入したばかりだ。

ジュージューと大きな音を立て一人暮らしのマンションのキッチンで焼きそばを作っている蝶子は、その歌に耳をかじられたくないから、いつもより早いタイミングでお好みソースをぶっかけた。

 

香ばしい匂いをさせ跳ね上がった焼きそばに、カラシとマヨネーズ少々を入れる。

最後にネギと紅ショウガと、鰹節をふりかけこの日の夕食の焼きそばは完成した。

出来上がった焼きそばをお皿に移し、缶ビールと一緒にテレビの前のテーブルに運ぶ。

その頃には、歌も終わっていた。

蝶子はホッとして、一人の夕食を食べ始めた。

 

 

蝶子は今、47歳。

何度か転職を重ね、今は細々と起業して何とか食べていっている。

田舎の親や友人に何の仕事しているのか、聞かれたら「カウンセラー」と言っているが、実は占い師だ。

いや、占い師だって立派なカウンセラーだ。

人の悩みをうんうん、と聞いて、何かしらのアドバイスを伝えるのだから。

 

蝶子は子供の頃から友人に相談されることが多かった。

小学生の時にすでに身長が160センチを超え縦にも横にも大柄で3人姉妹の長女だった蝶子は、面倒見がよかったせいか、どことなく「おっかさん」のようなオーラを漂わせていた。

そのせいか、男女問わずしょっちゅう友人の悩み事を聞かされた。

その悩みは、実にどうでもいいことだった。

 

同じクラスのヨーコちゃんは

「川添君がすきやねん。でも、川添君は、さっちゃんの方がすきみたい・・・」

と蝶子の前で、ポロポロ泣く。

蝶子は「どうでもええやん」と思いながら、ヨーコちゃんの背中を撫で

「つらいなぁ。でもヨーコちゃんはみっちゃんより可愛から、もっとカッコいい男子がお似合いやわ。

そんなカッコいい男子と仲良くなって、川添君なんかふん!としたったらええねん。」

と励ます。

 

するとさっきまでポロポロ泣いていたヨーコちゃんは、パッ!と顔を上げ

「ほんま?わたし、さっちゃんより可愛い?」

と少女漫画のように目をキラキラさせて、蝶子を見つめた。

「そうやで!ヨーコちゃんの方がさっちゃんより可愛いし、男子に人気があるで。」

蝶子はそう言い切った。

蝶子はヨーコちゃんが川添君の相談より、クラスで人気を二分していたさっちゃんより自分の方が可愛い、という言葉を言ってほしかっただけやん、とわかっていた。

「な~んや、それを言ったら元気になるんや。」

内心、白けた。

 

すると翌日、今度はさっちゃんが蝶子のもとに来た。

さっちゃんは、蝶子の手を取って言った。

「蝶ちゃん、うち・・・川添君がすきやねん。でも、川添君はヨーコちゃんの方ばかり見るねん。

きっとうちより、ヨーコちゃんの方がすきやねんわ・・・」

と蝶子の前で、ポロポロ泣く。

蝶子はまた「どうでもええやん」と思いながら、さっちゃんの背中を撫で

「ほんまかぁ。でもさっちゃんはヨーコちゃんより可愛から、もっとカッコいい男子がお似合いやわ。

そんなカッコいい男子と仲良くなって、川添君なんかふん!としたったらええねん。」

と励ます。

 

するとさっきまでポロポロ泣いていたさっちゃんは、パッ!と顔を上げ

「ほんま?わたし、ヨーコちゃんより可愛い?」

と目をパチパチさせ、蝶子を見つめた。

「そうやで!さっちゃんの方がヨーコちゃんより可愛いし、男子に人気があるで。」

また蝶子はそう言い切った。

お互いそう思っている方がしあわせやん、と蝶子は思う。

さっちゃんもヨーコちゃんと同じく、自分の方が可愛い、という言葉を言ってほしかっただけだった。

蝶子はまたまた白けた。

 

それから川添君は、ヨーコちゃんにもさっちゃんにもつれなくされ、落ち込んでいた。

しばらくして放課後、今度は川添君が蝶子のもとにやって来た。

「なぁなぁ、俺、この前までヨーコちゃんとさっちゃんにモテてたと思ってたんやけど、今は微妙に無視されてんねんやん。

俺、あかんのかなぁ。俺、モテへんのかなぁ。」

蝶子は「ちっ!」と思いながら、言った。

 

「あんな、川添君。よう周りを見てみ。あんたのことを誰が一番気にかけてる?

あんたがに何かあった時、すぐに助けてくれたん、誰や?思い出してみー。」

「え~!誰やったっけ?

そうや!ゆきちゃんや!ゆきちゃん、俺が転んだらすぐにバンドエイド出してくれるし、宿題忘れたらすぐに見せてくれる。」

「そうやろ?

あんたは今、見た目が可愛いヨーコちゃんやさっちゃんがええなぁ、と思ってるやろうけど、本当にあんたのことを考えているのは、ゆきちゃんやで!」

「え~、でもゆきちゃん、そんなに可愛くないでー。目も細くてガリガリやし・・・。」

「あんたの目は節穴か?!ゆきちゃんはごっつうスタイルええねん。

顔はアジアンビューティーで、外国ではモテる美人顔や。

ゆきちゃんはモデルになれる。

そんなモデル候補の女子に、あんたは惚れられてるんやで!!」

「ほ・・・ほんまか?!

なら、俺ゆきちゃんにするわ!!」

男は単純や・・・蝶子はそう思った。

よくよくクラスの中を観察していたら、誰がだれを好きかぐらいよくわかる。

ヨーコちゃんとさっちゃんの見た目の可愛さに振り回される川添君を、そっと陰から見つめ助けていたのはゆきちゃんだった。

蝶子はそれを伝えただけだった。

 

ゆきちゃんは本当に高校時代、スカウトされモデルになった。

一時は雑誌やテレビにも出ていた人気者で、何かのインタビューで

「わたしが自分に自信を持ったのは、小学生の時にクラスの人気者の男子に告白された時からでした。

当時、クラスに人気を二分する可愛い子が二人もいました。

その子達も彼のことがすきでした。

でも、彼はその子達よりわたしのことをすきだ、と言ってくれました。

その時から、わたしは自分に自信ができました。

彼はわたしをアジアンビューティーでモデルのようだ、と言ってくれたんです。

小学生なのに!!

そこからわたしはモデルになる夢を持ちました。」

 

おいおい、誰のおかげ?

わたしのおかげでしょう?

ていうか、そのセリフわたしのセリフやん!!

蝶子はそう雑誌に突っ込んだ。

そんなゆきちゃんも20代の終わりに知り合った実業家の男性と結婚してモデルをやめた。

さっちゃんもヨーコちゃんも、20代で結婚して今は子供も大きくなっただろう。

 

蝶子は長い間、クラス会に出ていない。

クラス会で独身で結婚経験のない女子は、ほとんどいない。

独身の女子も、結婚を経て離婚をした子だ。

「どうして、結婚しないん?」

そう聞かれるのが、面倒臭い。

ええやん、ほっといて。

わたしかて、結婚を考えた時もあったわ。

でも、そうなれへんかっただけやん。

 

年を重ねると

「ええやん、ほっといて」

と言いたくなる時が、どんどん増えていく。

「あんたはいつ結婚するねん・・・」

「一人で老後はどうするねん・・・」

妹たちはみんな結婚し、両親の毎日の小言に

「ええやん、ほっといて!」

と言って家を出て、一人暮らしをしたのは35歳になってからだ。

 

当時の職場で

「上谷さんは仕事がよくできるし、ずっと仕事に生きたい人だから結婚したくないんですよね~!」

と後輩に言われた時も、心の中で

「あほか!ええやん、ほっといて!!」

と叫んだ。

 

45歳で会社を辞め、占い師として起業した。

それを伝えた仲のいい友人から

「占い師は自分のことを、占われへんの?」

とよく聞かれるが、実は自分のことも占える。

自分の占いをした時の衝撃を、今も覚えている。

思わず口に出して言った。

「うわっ!なんやの?これ・・・ええやん、ほっといて!!」

言うた、その時も確かに言うた。

 

ええやん、ほっといて・・・

その言葉通り、ほっとかれて47歳になった。

そしてこうやって一人で夜に焼きそばを食べている。

でも、周りが思うほどさみしくも、みじめでもない。

一人暮らしは快適だ。

あれやこれや煩わしいことだって、いくつもある。

でもそのたびに心の中でつぶやく。

「ええやん、ほっといて・・・」

 

でもさっき耳にした歌は、ほっとかれた蝶子の心を強くノックした。

ほっかれたくなかったあの時。

蝶子は10年前の恋を思い出した。

 

 

 

 

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