無限∞の愛と豊かさや可能性を開く美開女になる「心のフィニッシングスクール」プリンシパル&宇宙ビジョン作家の人響三九楽ひびきさくらです。
8割開いて、豊かにずっと愛し愛される美開女になる小説や宇宙のメッセージなどのテキストは、こちらから読めます。
12月の夕暮れは、どこか切ない。
買い物の帰りに、陽がかげっていく空を見上げながらユリは思った。
気温が2.3度低くなったように感じ、ブルッと身震いをしダウンコートのボタンを閉じた。
同じ夕暮れでもあと2週間余りで新しい年になると、ガラリ、とイメージが変わるんだけどな・・・。
「新年おめでとう!」という挨拶と共に、生まれたての赤ん坊の人生がこれから始まるような希望の明るさに満ちている。
けれど一年を閉じる前の夕暮れは、老人があとどれくらい生きられるんだろう、とため息をつくような終末を感じる。
人生を90年としたら・・・半分以上過ぎて、若さもパワーもなくなっていく48歳のユリには年末の夕暮れは身に染みる。
あー、こうやってまた一年終わっていくんやわ・・・
人生の終わりが見えたようなあきらめ感が、ユリの心をヒタヒタと包む。
両手にはそれぞれ、買い物がたくさん詰まったエコバッグが下げられ、その重みで持ち手が腕に食い込む。
「はぁーーー、めっちゃ重たい・・・」
スーパーのポイント5倍デーだったから、張り切って備蓄品も買い込み過ぎたことを後悔しながら、ユリはとぼとぼ家に向かう。
家までの道は坂道の上り坂で、出かける時は身軽に歩けるが帰りは重い足取りでフーフー言いながら上がって行く。
これって、まるでわたしの人生みたいやん?!
ユリは自分に問いかける。
ユリは山口県の高校を卒業後、関西の大学に進学した。
大学卒業後、デパートで働いている時に大学時代の友人の紹介で知り合った夫と36歳で結婚。
その時にはすでに妊娠3ヶ月。
いわゆる「できちゃった結婚」だったが、年も年だったので地元の親はやっと娘が結婚し、もれなく孫も見れる、ということで大喜びだった。
ユリは親戚がほとんど近所に住んでいる小さな町で生まれ育った。
父親の妹弟が多いその町でユリの母は親戚や周りに気を使い、体面を気にしながらユリと弟を育てた。
ユリはそんな環境が窮屈で、中学生の頃から勉強を頑張って大学進学は生まれ育った町を出よう!と決意していた。
「こんな田舎の町で一生終えて、たまるか!
やりたいことをやって、キャリアウーマンになって生きてやる!」
テレビドラマや雑誌で見た仕事のできる大人の女性・・・おしゃれなスーツを身に着け、ヒールの高いパンプスでカッカッ、と風を切るように歩くんだ!とあこがれていた。
そんな大人の女性は今いる場所ではなく、高層ビルが立ち並び夜になるとネオンが輝いている都会にいる、と信じ勉強を頑張って、関西の大学にやってきた。
関西にやってきてビックリしたのは、女性でもタバコを吸う人が多かったことと、みな化粧が濃かったことだ。
素朴な田舎娘だったユリだが、たちまち都会の水に慣れおしゃれを楽しむようになった。
アルバイトでファッションビルのショップにも立つようになった。
自分のスタイリングした服でお客さんがきれいになり、喜ぶ姿を見てユリはファッション関係の仕事に就くことにした。
いくつかトライした就職試験で、関西ではそこそこ名の知れたデパートに就職も決まり、仕事にまい進した。
毎日が充実していて楽しかった。
気がつけば、35歳になっていた。
田舎の親からは、しょっちゅう見合いの話を持ち込まれ、それまで付き合った男もいた。
でも仕事をしている方が楽しかった。
そんなユリに転機がやってきたのが、夫となったサトルとの出会いだった。
サトルは、祖父の代からの小さな写真館をしていた。
サトルは、付き合っている時からよくユリの写真を撮ってくれていた。
ユリはサトルの撮った自分の写真が大好きだった。
これまでつきあった仕事に野心満々の男たちは、浮気をしたり、約束を守らないことがあり、刺激的だけどそんな恋愛に疲れていた頃だった。
止まり木のようなあたたかい家庭が欲しい、と思っていたユリはサトルのさりげない優しさに惹かれた。
それまで、子供が欲しい、とあまり考えたことはなかったが、初めて「彼の子供が欲しい!」と思った。
自分からぐいぐい押していき、勢いで妊娠までしてサトルとつきあって半年後にゴールインした。
結婚を機に仕事を辞めて、家庭に入った。
サトルの仕事をサポートしながら、あたたかい家庭を作る!というのが、当時のユリの目標だった。
結婚して1年も経たない内に、息子が生まれた。
育児は大変だったが、子供は可愛かった。
サトルの仕事も手伝いながら、慣れない育児と家事をがんばった。
そうやって、息子が小学校に入り一息ついたのが、44歳の時だった。
その時、ユリは立ち止まり自分の人生を見直す時間が与えられたことを知った。
そりゃあ、子供はかわいい・・・
ましてや息子だし。
でも、このまま子供の世話と夫のサポートだけで人生を終えるのいややわ!
と、強く思った。
それは、ユリが田舎から都会に出てきたい!と思った時に熱量に近かった。
だったら、これから自分に何ができるの?
何をしたいんだろう?
そう考えていた時、昔の同僚からデパートでマネキンの仕事を探しているからやってみないか?という話が来た。
フルタイムは無理だし、土日も無理だけど、平日の昼間なら、ということで週に3日ほどやってみることにした。
久しぶりの立ち仕事は、足がパンパンになりシステムも色々変わり、自分より若い社員たちに気を使い、身体もぐったり疲れた。
1日で音を上げそうになったが
「とりあえず、3ヶ月はやってみよ!」
とユリは思った。
これはユリのポリシーだ。
新しい場所や、新しい人間関係に慣れるには最低3ヶ月はかかる。
この3ヶ月が我慢出来たら、後はずっと楽になる。
そう決めた3ヶ月後、ユリは若い写真たちとも気楽に話せるようになり、新しいポスシステムの使い方もわかり、環境にも慣れた。
こうやって、4年間続けてきた。
まだ身体は疲れる時はあるが、復帰した時よりもかなり楽だ。
でも・・・
でも・・・とユリは思う。
「このままでずっと終わってええんかな?」
子供は高学年になり、どんどん自分の世界を広げている。
サトルも、もう少しデパートの仕事を増やしてみたら?と言ってくれる。
だけど・・・
ずっとこの仕事がやりたいわけじゃないやん?
ほな、わたし、ほんまは何やりたいん?
今年に入り、ユリの頭の中でずっとそんな疑問が沸き上がっていた。
それはお店に来ていた常連の70代の女性のお客さんの一言がきっかけだった。
「時間なんて、あっ、という間に過ぎんねんで。
あんたなんか、まだ若いしー。
すきなことして、人生楽しみや。」
いつも朗やかでおしゃれなその人は、それ以来バッタリ姿を見せなくなった。
気になっていた時に、娘さんが売り場に立ち寄ってくれた。
その時、初めて彼女が実は乳がんになっていて、両方の乳房を切除していたことを知った。
あれからガンが再発し、抗がん剤治療をしていた時に肺炎で亡くなっていた。
娘さんはユリに言った。
「ユリさんの話、家でもよう話してくれました
明るくて綺麗な話の合う店員さんがいて、いつも買い物に来るのが楽しみや、言うてました
ほんまに母がお世話になりました。」
そう言って頭を下げて帰って行った。
その話を聞いた時、ユリは呆然として
「あっ、もう後がないやん!」
と天啓のように悟った。
今、何か始めておかないと、わたしもう怖くなって新しいことができへんのちゃう?!
それを、あの人が教えてくれたんやんか!!
そんな不安にも駆られ、あれ以来ずっとパソコンに向かい自分と同じような年代の女性のブログを読み始めた。
今は、すきなことを仕事にできる時代らしい。
おひとり様起業・・・そんな言葉もあるんや・・・
でも、わたし何がしたいん??
買い物から帰り、夕飯の支度をして息子と二人で夕食を食べた。
サトルは忘年会で家を留守にしている。
夕食後、息子は宿題を終えお風呂に入って寝た。
夜10時になってもサトルは帰ってこない。
夫も息子も自分の道をしっかり歩いているのに、自分だけがフラフラして置き去りにされているような気がする。
「いややわ・・・こんなんでまた新しい年を迎えるの・・・」
焦りながらネットサーフィンを繰り返していた時、ユリはある小説を見つけた。
「なに?美開女伝説?はぁ?
しかも、タイトル「千だって」て、何?変なタイトル・・・」
そしてユリは美開女伝説を開いた。
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~会員様のご感想~
Q:どうしてこのサロンに入ろうと思いましたか?
三九楽さんの言葉にたくさん背中をおしていただいてきたので、
小説を読み続けたかったから。
そして、宇宙と三九楽さんに特別扱いされたかったから(^^)。
Q:実際入ってみて、いかがでしたか?
ここでしか見られない小説やブログを見ることが出来るだけでも、
ワークや公開リーディング、新月のメッセージまでいただき、こん
(お値段の問題ではありませんが……)
大満足です!」
Q:現実面、マインドで、どんな変化がありましたか?
素敵な場所にいく覚悟が出来ました!
マインドは、すっかり『エレガントな私』です
マインドがそうなったので、これから現実もエレガントになってい
ありがとうございます。
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