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さて、いよいよ別学における問題点を私なりに書いてみたいと思います。

 

経験者だからこその、自分や周囲を見て「こりゃまずいぞ」と思った話などを。。。

 

まず、中学生高校生という、多感な時期に同世代の異性の生態を見ずに過ごすことになります。

兄や弟がいればまだマシになるでしょうが、家族と他人は違いますしねえ。生身の同世代異性とはほとんどしゃべらずに6年間過ぎてしまった、という人もけっこういます。塾などに行っていると、それなりに交流も生まれるようですがそれでも学校が共学の子よりは圧倒的にチャンスが減りますよね。私自身も中高6年間はほとんど同年代の異性とは交流がなかったな。。。びっくり思い返すとすごいことですが、当時はそんなことを気にもかけていなくて。彼氏がいない子のほうが多数派だったので笑い泣き部活や勉強にみんな邁進していました。

 

あまりに交流がなさすぎて、男子に対する幻想が生まれた部分もあったと思います。少女漫画の世界に出てくるカッコイイ登場人物に憧れたり、アイドルにハマっている子もいました。別にいいのですが、ハマりすぎると男性の理想像が膨らみすぎます(笑)。

 

本来、中学生時代ならば、何度も以前の記事で私が書いているように、圧倒的に男子のほうが幼いです。小学校時代もそうですが、中学生も女子と比べてしまうと、男子は生活力も、プレゼン力も、レベルが低い。。。チーン(あくまで、最大公約数的にです。何事にも例外はありますので。)

 

しかし、そんな男子の真の姿を学校生活の中で身近に見ていれば、「中学生男子なんてこんなもの」といういい意味の達観や、見極める目!?も育つのではないでしょうか。だからこその、勉強も運動もできる男子(先輩含む)が注目を浴びたり。そして男子自身も、女子自身も、いい意味で異性からの視線、や行動や発言が、異性にどう捉えられるのか、ということを実地訓練で学び、社会に出てから違和感を感じたりしないで済むのだと思います。なのでしっかり者の女子の場合は、共学に行って男子と切磋琢磨して、うまくどんどん自分の力を発揮していく、というのもいいなと感じます。まさに世に出てからのシミュレーション。

これも前回までに書いた別学のいいところ、と表裏一体であることがおわかりいただけると思います。

 

別学で育ったことで、空気を読まずに意見や行動をして、いい意味でガラスの天井を破れる可能性もあるし、一方でそれが場合によっては人に迷惑をかけたり、強すぎることによる摩擦を引き起こしたり。。。

私の友人でも、大学生になってからおかしな大学デビューを果たし、彼氏に依存しすぎたり、尽くしすぎてこちらから見ていると関係が対等にはとても思えなかったり。。。。彼の部屋に入り浸りすぎて、留年、退学してしまった子もいました。もったいない。。。適度な男女交際を学んでこなかったせいだと思います。私?は大きなトラブルもなかったほうですが、男性と交際することに最初すごく疲れました。どうふるまったらいいのか、よくわからなかったです。(笑)騙されたりしなくてよかったー!

 

異性とどうやって協力していけば、うまく物事が進むのか、または両性混ざった状態ではどう協力したらうまくいくのか、こういう経験値が圧倒的に別学だと少ないです。少ないからこその、思わぬ発言で良い化学反応も起きれば、周囲に嫌な思いをさせることもあるでしょう。根本的にはその人のコミュニケーション能力なのでしょうけど、経験が少ないと難しいことも多いですよね。

 

男子校における、いわゆる「内輪ウケ」の文化についても問題提起している人が社会学や教育社会学の分野で出てきていますね。とくに男子校は偏差値が高い学校だと、万能感が強くなりすぎて、自分たちだけのための思考に陥りがちになると。男子校出身のエリート男子の問題点なんかも指摘されています。女子の場合はその万能感は社会に出ると叩かれるので、そのまま突き進めないと。(たしかに真顔

 

数年前の東大の入学式でも、元東大教授の上野千鶴子氏が、全体に対しては「努力が報われるということは恵まれていたんだ」ということを知ってほしい、と話し、またエリート男子学生に対しては、東大女子だけが入れないインカレサークルの例を挙げて、想像力をもっと働かせてほしいと訴えていました。上野氏も取り上げた『彼女はあたまが悪いから』という本はご存知でしょうか。

 

 

実際に起きた東大生による事件をモチーフに書かれた小説です。私はあの事件やこの小説、そして同時期に騒がれたテレビ番組で活躍していた東大生男子たちの連続した交際トラブルや中絶問題に接し、自分の息子が(エリート男子になれるかどうかはまず、別として)女性を軽く扱ったり、相手への想像力の欠如、トラブル回避能力の欠如、そういう男子に育ってほしくない、親として何ができるのか、どう教育すべきかと悩みました。男子校だから、という問題とは直接は関係ないかもしれませんが、男子だけの内輪ウケ、ノリ、の怖さを感じました。また、娘を持つ母として、自分の娘がこのような心のないエリート男子(もどき)に引っかかってしまってほしくない、どう教育していくべきか、とこちら側でも考えさせられました。娘には、「エリート男子」によりかかるのではなく、自分の足で立って歩く人になってほしいと思います。そういう女性を育てる学校に通わせたいです。

 

思考停止したエリート男子にならないための対策にもなっているのか、例えば本郷中学高等学校では、女性の生理についてと、実際の生理用品を手に取って学ぶ体験授業が開かれたという新聞記事を読んだことがあります。真面目に、女性の生理について学び、初めて生理用ナプキンなどを手に取り、衝撃を受けるそうです。こんなものを使用しているのか!と。男子校だからこそ、気恥ずかしさが少なく、真剣にナプキンを触って「こんなものを付けたら不快だと思う」などの意見も出ていて、とても良い授業だなと思いました。

 

たしか芝でも似たような授業があるらしいですし、逗子開成では創立者が同じという縁で、鎌倉女学院との交流イベントがあるそうです。

 

そして、中学生と高校生、これを一緒につい語ってしまいますが、ちょっとフェーズが変わってくるようにも思います。

 

またもや聖光の話になりますが、聖光の工藤校長のお話のなかで「毎年、私は入ってきた中1に聞くんですが、君たち、女子のいない学校はどうだね?と聞くと、先生!最高です!!最高!と言うんですよ。それがね、高2くらいになると毎年、先生!うちの学校はこの時代に共学化しないんですか!と言ってくるんですよ。」という話がありました。これは男子校合同説明会などでも聞いたことがあります。たしか逗子開成の先生も「中2くらいまでは、女子いなくて最高!と言ってるんですよ。きっと小学校時代、女子に虐げられてた子もいますからね(笑)。しかし、高2くらいになると毎年、どうやらうちの学校も共学になるらしいという噂が勝手に流れて、願望が噂となって、先生!共学化するんですよね?とか、なぜ俺は共学を選ばなかったのだろう。とか言い出します。」とお話していました。面白いですよね。

やっぱり、中学生男子は幼くて、高校生くらいになるとしっかりしてくるのかもしれません。

 

共学に通わせていて、男女交際についての不満があると言っている保護者も、「中学生のときのほうが、ラインの問題などもあって心配した。高校生になると双方だいぶ落ち着いて、普通の子であればおかしな問題には巻き込まれない。」と言っていました。

 

私も共学の文化祭を見学していて、中学生の間はパワーバランスが女子が強くても、高校生の建物をみると男子が巻き返して、なんなら男子主導の文化祭になっているところが多かったです。女子が遠慮しているのでなければ、男子の成長が見られるということになりますね。幼くても、いつかは成長するってことですよね。(うちのバカ息子も中3でまだ心は小2くらいですが、高校生になったら少しは成長するのかしらチーン

 

息子の学校の担任の先生が、入学してすぐの保護者会で「うちの学校のいいところは、男子校であることです。そして悪いところも男子校であるところです。」と仰いました。なるほど、やはり表裏一体なのだと思いました。先生は解決策として「他校との交流が見込める対外イベントや、委員会などに積極的に参加すること。恋愛も大切だ!失恋も大事だ!」と仰っていて笑いましたが、そういう先生に見守られていれば、間違った男子校エリート男子もどき、は作られないかなと期待しています。

 

こんなに長々と勝手なことを書きまして、申し訳ありませんが結論はないのです。。。。どちらがいいかも、ずっと答えはないのだと思います。でも共学が大半だからこその、別学の意義もきっとあるのだと思います。

学校を選ぶときには、ぜひ両方見てみてください。

 

あと、1つ注意点として、子ども、とくに女子の「うちの子は、男子と遊ぶほうが向いていて」「男子の友達のほうが多いから」という親御さんからの見立て、プラス本人の「私、男の子と遊ぶほうが好きなんだよね~」という理由で女子校を避けるのはやめたほうがいいです。学校を選んだ理由は必ず聞くようにしているのですが(モチベーションアップにも重要なので)、このような理由で共学だけを見ている家庭は、共学という以外にあまり志望校に一貫性がないことがあります。

 

はっきり言いますけど、中学生になって男女でいつまでもドッジボールとかしません笑い泣き。男子を異性と見る子もいる中で、いつまでもわが子だけが小学生のようにお友達として男子と遊んでいる、ということは起こりません。。。相手も嫌がりますし。小学生の男女仲良し、と中学生の男女仲良し、は全然違ってきます。男女に友情が成立するか、という問題と同じですね。自分が成立すると思っていても、周囲や相手が同じとは限らないからです。自分は深い意味はなく男子と交流していただけで、さっぱりした女子のつもりが、周囲から妬まれてトラブルに巻き込まれた、ということもあります。

 

娘が別学と共学のどちらに進むのかはまだわかりませんが、楽しんで、たくさんの学校を見学して娘に合う学校を探したいと思っています。建学の精神や、勉強以外だと何に力を入れているのか、これを私は一番重視しています。私が母校でそうだったように、一生の友達に出会ってほしいので、教育方針、育てたい人物像をきちんと知ることを大切にしています。あとは偏差値が選び放題な状態だったらいうことないですけどニヤニヤ、そうはうまくいきませんので、また地道な勉強を娘としていきたいと思います。

 

 

また折に触れて、別学の話、共学の話はしていくことになると思います。

よろしくお願いいたします。