中島京子「夢見る帝国図書館」 | 読後つれづれ

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1月から読み始め、

やっと読み終わったこちら。

 

中島京子「夢見る帝国図書館」

 

「図書館を愛した」喜和子さんと、「図書館が愛した」人々の物語
上野公園のベンチで偶然、出会った喜和子さんは、
作家のわたしに「図書館が主人公の小説」を書いてほしいと持ち掛けてきた。
ふたりの穏やかな交流が始まり、
やがて喜和子さんは
終戦直後の幼かった日々を上野で過ごした記憶が語るのだが……。
日本で初めての国立図書館の物語と、戦後を生きた女性の物語が
共鳴しながら紡がれる、紫式部文学賞受賞作。

 

帝国図書館の歴史(過去の時間軸)と、喜和子さんの人生(現在の時間軸)が交互に描かれています。

 

私はこういう文体、すごく苦手でして

読むのに時間がかかってしまいました。

時間がかかりすぎて記憶も切れ切れなので

またもう一度読んでみたいと思います。

 

 

帝国図書館の歴史は、難しい部分もありましたが

とても興味深い部分もありました。

関東大震災後の上野の様子や、

終戦後の、GHQによる日本国憲法の草案など

「憲法記念日」って知っていても深く考えることがなかった日を

考えるきっかけになりました。

 

 

喜和子さんの人生については

結局のところはっきりとした事実はわからない…

 

ただ、この作者は

「小さいおうち」の後半でもそうでしたが

戦前と戦後の歴史を

戦争の悲惨さと、その人々の苦しみを

描きたかったのかな、と思ったりしました。

 

 

最近では戦後を描いた映像作品も少なく

その時代のことを忘れがちですが

戦争が終わった後も

食べるものも住むところもない人々や

子供達が生き抜いたことを、忘れてはいけないと思いました。