辻村深月さんの他作品が読みたくて。
辻村深月「ツナグ」
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
どれを読もうか悩みましたが、レビュー高評価だったこちらを。
やはりこの作者は読みやすい。今は学生が主人公の話ばかり気になって、平行して恩田陸さんの作品も読んでいるのですが、こっちはなかなか進まないです。(好みの問題です)
このお話は「使者(ツナグ)」が高校生の男の子、というところが意外・かつそのおかげでどんどん読み進められました。
短編2作品まではイラつく人も出てくるけどほっこり、「会いたかった人に会えてよかったね」という展開でしたが、3作目からお話が動いていきます。
死者に会いたいという人は、死者に「聞きたいこと」または「つたえたいこと」がある人。
それが必ずしもよい結果になるとは限らない。
世の中には知らない方がいいこともいっぱいあるし、自分の伝えたいことを伝えることが相手に対して良いこととも限らない。
そんな再会と「使者(ツナグ)」本人からの目線と、ラストまで一気に駆け抜けていきます。
設定はファンタジーっぽいですが、全くファンタジーではない、ちょっと怖いところもあるという
さすが、と思う作品でした。
続編も出版されていますが、本編から7年後ということで主人公がもう高校生ではないところが残念。
まだ大人になっていない「使者(ツナグ)」だからこそ、感動したお話なので。
まぁ、たぶん読むと思いますけど^^