綾辻行人「十角館の殺人」 | 読後つれづれ

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十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)

 

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!

1987年出版。

かなり初期に買って読んでいますが、最近また読みたくなってkindle版にて購入して読みました。

なぜ急に読みたくなったかというと、「ジェリーフィッシュは凍らない」や「屍人荘の殺人」の帯や書店のPOPでよく見かけることがあったからです。

同じクローズドサークルを舞台としたミステリーだからでしょう。

クローズドサークルとは、何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を言います。

「嵐の孤島」「吹雪の山荘」「豪、華客船」などなど、『名探偵コナン』でも時々登場する定番の舞台です。

外界から遮断された世界で次々と殺人が起こり、生き残っている者達は互いに疑心暗鬼に陥ります。

特殊な環境での殺人トリックや、登場人物たちの心理戦が見ものです。

 

【ネタバレなしレビュー】

当時読んだ時は、「十角館」は変わってはいるけれどおどろおどろしいお屋敷という雰囲気ではなく、また探偵役となる島田潔に魅力を感じず、あまり好きではありませんでした。

今回読み返すにあたって、トリックは覚えていたのですが内容はほぼ忘れている状態でした。

30年経って読み返した感想は・・・

やはりこの話はすごい出来栄えだったのだな、と今更ながら感じました。

読みやすさ、ストーリー展開のよさ、伏線の張り方、そして読者にはたった一行で「そういうことか!」と判明するあの部分がやっぱり秀逸。

「館シリーズ」が続けて読みたくなります。

 

 

 

↓「館」シリーズはこれが一番好きです。非現実的ですが読み応えありました。

 

↓「動物のお医者さん」で知られる佐々木倫子さんとの異色(?)コラボ。

あの独特の間は変わらず、殺人事件なのに緊迫感薄く、面白かったです。

トリックも、私的には意外性ありました。