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さらに、試験に役立つ「花咲くポイント!」をお教えしちゃいます。

ひまわりです。

 

 

宮城県の市民病院が10億円の未払いがあり、労働基準監督署から是正勧告を受けたとの記事を見ました。




「時間外勤務手当について、労働基準法で定められた一部手当を算入せずに計算していた」ことが未払いの原因だそうです。(他にも医師や看護師の時間外勤務時間の過少申告もあったようです。)




結果、2020年3月までさかのぼった未払い分と、時間外勤務時間の不足分計約10億5000を支払うよう求められたそうです。



こういうニュースを見ると、うちは多くの顧問先様の給与計算を請負っているので、事務所内がピリッとします。

 

 

 

上記の件、時間外勤務時間の過少申告は意図的かもしれませんが、「労働基準法で定められた一部手当を算入せずに計算していた」は、もしかしたら意図的では無かった可能性もあるのではないかと思っています。

 

 

 

自社で給与計算をしていた会社から、給与計算を請負う事がありますが、過去の賃金台帳等を貰ってチェックをすると、間違えている事があります。

 

 

 

つまり「基本給」だけで残業代を算出しているケースです。ほか、時給のパートさんに定額の資格手当が支給されているのに、時給のみで割増額を算出しているケース。これはわざとではなく知らないのです。




結局この市民病院は経営状況が厳しいとの事で、計約2億3000万円を支払う一方、残る約8億円については支払わないと言うか支払えないとの事です。

 

 

 

「知らない」の積み重ねでここまで金額が大きくなってしまうのだから・・・。

 

 

 

油断せず慎重に、もっともっと丁寧にやっていこう!と、事務所内で職員達と(心の中で)円陣組みました。

 

 

 

 

それでは、「今日の思うツボ!

 

 

労働基準法からの出題。上記の記事にまつわる問題を出題してみたいと思います。

 

 

A~Dのうち、割増賃金の計算の基礎となる賃金の合計として、正しいものはどれか。 


<条件> 
基本給 :   250,000円(月給) 
役職手当:  30,000円 
家族手当:  15,000円(配偶者10,000円 子1人5,000円) 
住宅手当:  20,000円(住宅に要する費用に関わらず全員一律に20,000円) 
資格手当:  5,000円 
通勤手当:  60,000円(6か月・公共交通機関)

 
A 380,000円   
B 330,000円  
C 305,000円   
D 285,000円

 

※一般社団法人実務能力開発支援協会様が公開している、「給与計算実務能力検定試験®2級試験問題例」より

 

 

答え~♪

 

 

C 305,000円   

 

 

 

「割増賃⾦の基礎となる賃⾦」から除外できるものは、以下の①〜⑦で、これは例⽰ではなく、限定的に列挙されているもので、これらに該当しない賃⾦は全て算⼊しなければなりません。

(労働基準法第37条)

 

① 家族⼿当
② 通勤⼿当
③ 別居⼿当
④ ⼦⼥教育⼿当
⑤ 住宅⼿当
⑥ 臨時に⽀払われた賃⾦
⑦ 1か⽉を超える期間ごとに⽀払われる賃金

 

※私は「かつべし!住宅をかけてリーチ!」と覚えています。



①〜⑤の⼿当については、このような名称の手当であれば、全て割増賃金の基礎となる賃金から除外できるわけではありません。

 

 

上記の問題と照らし合わせてみましょう。(青字が問題に該当)

 

① 家族⼿当

15,000円(配偶者10,000円 子1人5,000円)

 

割増賃⾦の基礎から除外できる家族⼿当とは、扶養家族の⼈数またはこれを基礎とする家族⼿当額を基準として算出した⼿当をいいます。

 

■除外できる例
扶養家族のある労働者に対し、家族の⼈数に応じて⽀給するもの。(例)扶養義務のある家族1⼈につき、1か⽉当たり配偶者1万円、その他の家族5千円を⽀給する場合。


■除外できない例

扶養家族の有無、家族の⼈数に関係なく⼀律に⽀給するもの。
(例)扶養家族の⼈数に関係なく、⼀律1か⽉1万5千円を⽀給する場合。

 

 

⑤ 住宅⼿当 

20,000円(住宅に要する費用に関わらず全員一律に20,000円)

 

割増賃⾦の基礎から除外できる住宅手当とは、住宅に要する費用に応じて算定される手当をいいます。
 

 

■除外できる例

住宅に要する費用に定率を乗じた額を⽀給するもの。
(例)賃貸住宅居住者には家賃の⼀定割合、持家居住者にはローン⽉額の⼀定割合を⽀給する場合

 

 

■除外できない例

住宅の形態ごとに⼀律に定額で⽀給するもの。
(例)賃貸住宅居住者には2万円、持家居住者には1万円を⽀給する場合

 

 

② 通勤⼿当

60,000円(6か月・公共交通機関)

 

割増賃⾦の基礎から除外できる通勤⼿当とは、通勤距離または通勤に要する実際費用に応じて算定される⼿当をいいます。

 

 

■除外できる例

通勤に要した費用に応じて支給するもの。
(例)6か月定期券の金額に応じた費用を支給する場合。

 


■除外できない例
通勤に要した費用や通勤距離に関係無く一律に支給するもの。
(例)実際の通勤距離にかかわらず1日300円を支給する場合

 

 

 

上記の問題で除外出来るのは家族手当と通勤手当。だから答えはC 305,000円となります。

 

 

 

 

てか!長くな~い?

 

今日のブログかなりの力作よ、疲れ果てたわ

 

 

 

受験生の皆様、わたくし頑張りましたので、ぜってえに覚えてくれよな!(いきなり孫悟空)

 

 

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます! 

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