『K+ICO』上田岳弘 | 身近なテーマで読みやすい、最近の若者の人生の物語 | 感想記録帳

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K+ICO

上田岳弘


あらすじ 


ウーバーイーツの配達員であるKと、TikTokerの女子大生ICO。2人の人生に接点ができた時、何かが動き始める。





​感想 


どんな話か知らずに読み始めて、いきなりウーバーイーツ配達員っていう身近な設定が出てきてびっくりした。


タイトル通りKとICOの話で、読み進めていくと今の世の中というか、若者、大学生のリアルな社会を反映させる物語でどんどん引きこまれた。


金持ちの家庭に生まれた子と貧乏な家庭に生まれた子の差というか、いわゆる親ガチャの考え方も登場するし、そのどちらにも違った苦悩があることも描かれているのが良かったなと思った。


出会う人や考え方、経験次第で人生はどんどん変わっていくし、側から見たら意味のないことであってもやっている本人からしたら意味のあることだったりもする。


自分ももっといろんな経験したりいろんな人と出会っていきたいなと思える作品だった。





後、Kの考え方はすごく共感できた。

確かに配達員の仕事は世界のどこにいても役に立つスキルだし、英語もそう、国自体が滅んだとしても生き延びられる確率を上げられる。一時的に役に立つ程度かもしれないけれど。馬鹿にされることも多いかもしれないけど。


自分自身、Kと似たような考えで行動する部分があるから共感できるシーンがたくさんあってなんだかKのこと好きになりそうだった。笑


Kと出会って人生がちょっと変わったかもしれないkやICOが羨ましい。みんなのその後の話も気になるから続編出てくれないかな……






こんな人におすすめ 


感想の方で書かなかったけど、ICOの方の話もTikTokや女子大生っていう身近な世界での話だから、思う部分は多くて。


20代の若い世代にこそ読んでほしい一冊でした。


文量的には少ない方だし、普段読書しない人もぜひ手に取ってみてほしい!