前回、“お肌はもちろん、目にもそしてからだの健康にも~ビタミンA~①”でお話しましたビタミンAの効果についてですが、一つ書き忘れていました。
動脈硬化を予防する効果;
β-カロテンは、活性酸素を除去する抗酸化作用を持ち、悪玉 (LDL)コレステロールを減らす効果がある成分として重要視されるようになりました。
活性酸素は増えすぎると、LDLは酸化して過酸化脂質 になり、その量が増えると細胞を弱らせ、老化を早めて動脈硬化やガンを引き起こす原因になります。
このことは“ガンを予防および抑制する効果”と同じことがいえます。
ただ、“どのようにして動脈硬化を予防できるのか?”はこのあと後述します。
その前にまずはコチラを!
脂溶性ビタミンA(動物性食品に含まれるレチノールなど)の過剰摂取による症状
頭痛、吐き気、発疹、脱毛、筋肉痛、疲労感、皮膚の角質化、肝臓肥大
また、妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると、胎児に奇形の発生率が高くなることもわかっています。
一方、植物性食品に含まれるカロテン(βカロチン)は、体内で必要な量だけビタミンAとなるので過剰症の心配はなく、ビタミンAに変換されず残ったカロテンは、体内で抗酸化物質として働きます。
過剰摂取による健康リスクを負わないためにも、ビタミンAの摂取量を調べてみました。
~厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版より~
※単位はμgRAE(レチノール活性当量)
※推定平均必要量・推奨量はプロビタミンAカロテノイドを含む
※耐容上限量はプロビタミンAカロテノイドを含まない
う~ん、数値だけ見ても、ピンとこないと思います。
それでは、どんな食品にビタミンAが含まれているのでしょうか?
ビタミンAを含む食品については、ビタミンAの成分レチノールを多く含む動物性食品とβカロチンなどプロビタミンAを多く含む植物性食品に分けて見ることが必要です。
レチノールを多く含む動物性食品;
食品名 | 含有量(μg/100g) | 一単位あたり重量(可食部) | 一単位可食部あたりの成分含有量 |
スモークレバー | 17000μg | 厚さ5cm長さ10cm1枚15g | 2550μg |
鶏肝臓 | 14000μg | 1切れ40g | 5600μg |
豚肝臓 | 13000μg | 1切れ30g | 3900μg |
あんこう・きも | 8300μg | 1切れ50g | 4150μg |
やつめうなぎ | 8200μg | 1尾120g(54g) | 4428μg |
うなぎ | 2400μg | 1尾200g(150g) | 3600μg |
牛肝臓 | 1100μg | 1切れ40g | 440μg |
フォアグラ(ゆで) | 1000μg | 厚1cm角6cm1個45g | 450μg |
ほたるいか | 1500μg | 1杯10g(10g) | 150μg |
あなご | 500μg | 1尾100g(65g) | 325μg |
からすみ | 350μg | 1腹140g | 490μg |
クリーム(乳脂肪) | 390μg | 大さじ3杯45g | 177μg |
ホイップクリーム(乳脂肪) | 330μg | 大さじ3杯30g | 99μg |
卵黄 | 470μg | 1個分18g | 86μg |
無塩バター | 790μg | 大さじ1杯12g | 96μg |
βカロチンなどプロビタミンAを多く含む植物性食品;
食品名 | 含有量(μg/100g) | 一単位あたり重量(可食部) | 一単位可食部あたりの成分含有量 |
にんじん | 9100(760) | 1本250g(243g) | 22113(1847) |
とうがらし | 7700(640) | 10本30g(27g) | 2079(173) |
モロヘイヤ(ゆで) | 6600(550) | 1袋165g(165g) | 10890(902) |
ほうれん草(ゆで) | 5400(450) | 1わ210g(200g) | 10800(900) |
あしたば | 5300(440) | 1わ180g(176g) | 9328(774) |
しゅんぎく(ゆで) | 5300(440) | 1株24g(24g) | 1272(106) |
大根の葉(ゆで) | 4400(370) | 1本分180g | 7832(666) |
にら(ゆで) | 4400(370) | 1わ60g(60g) | 2640(222) |
高菜漬け | 3600(300) | 1枚120g(120g) | 4320(360) |
おかひじき(ゆで) | 3200(260) | 1パック90g(90g) | 2784(234) |
こまつな(ゆで) | 3100(260) | 1株44g(40g) | 1240(104) |
ちんげんさい(ゆで) | 2600(220) | 1株60g(48g) | 1248(106) |
タアサイ(ゆで) | 2400(200) | 1株180g(169g) | 4056(338) |
いわのり(素干し) | 28000(2300) | 1枚10g | 2800(230) |
抹茶(粉末) | 29000(2400) | 大さじ1杯6g | 1740(144) |
レチノール、βカロチンを多く含む食品をピックアップしてみましたが、料理にすると当然数値(100gあたり)は落ちます。
あっ、海苔のブログなのに海苔が出てきませんね.。
ご心配なく!
海苔を含む海藻類(植物性食品)は、
食品名 | 含有量(μg/100g) | 一単位あたり重量(可食部) | 一単位可食部あたりの成分含有量 |
ほしのり | 43000(3600) | 1枚3g | 1290(108) |
味付けのり | 32000(2700) | 小10枚3g | 960(81) |
いわのり(素干し) | 28000(2300) | 1枚10g | 2800(230) |
焼きのり | 27000(2300) | 小10枚3g | 810(69) |
あおのり(素干し) | 21000(1700) | 大さじ1杯2g | 420(34) |
ほしひじき | 4400(360) | 大さじ1杯4g | 176(14) |
あおさ | 2700(220) | 1袋35g(35g) | 945(77) |
※一単位可食部あたりの成分含有量の( )はレチノール換算数量
ご覧になると、わかると思いますが、海苔を含む海藻類には多くのβカロチンが含まれていますよね。
βカロチンの場合、必要量のみが体内でレチノールに換算されるため、多めに摂ったとしても特に問題は有りません。
海藻類を含む緑黄色野菜をしっかりと摂っていればそれだけでも成人男女が必要なビタミンAの量を十分にまかなうことができます。緑黄色野菜をしっかりと摂るということがビタミンAの摂取では重要だといえます。レチノールの多いレバーやうなぎなどは含有量が多すぎるため妊婦などでは特に過剰症の心配がでてきます。しかしながらプロビタミンであるβカロチンならこうした心配はありません。
そして、そして!
さらに、冒頭で書きました狭心症や心筋梗塞などの原因になる動脈硬化のその予防ですが、
ビタミンAは抗酸化物質を含むビタミンであるビタミンC、ビタミンEと一緒に摂ることで体の酸化を防ぐパワーが増し、悪玉 (LDL)コレステロールの酸化防止に強く働きかけて、若さと健康を保つことに役立ちます。
抗酸化物質を含むビタミンであるビタミンC、ビタミンEと一緒に摂るですが、一緒に摂るではなくAとC、Eを多く含んでいるのもじつは海苔なのです。
多くの料理、食品で栄養のバランスを摂るのもいいですが、しかし海苔を食べるだけで十分にその効果をもたらしてくれます。
今回はビタミンAについてお話ししました。
ビタミンAは欠かせない栄養素です。しかし、それを摂りすぎると副作用やあらたな健康リスクを伴います。ビタミンAに関して、海苔はビタミンAを摂る食品としても、また健康や若さを維持してくれる補助食にもなる万能食品です。
1日二枚で医者要らず!です。
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