四季折々の箱庭 | 瑞目叶夢の小説【台本】置き場

瑞目叶夢の小説【台本】置き場

エブリスタで掲載中の小説の中でもSpoonで声劇や朗読台本として使っていただいても問題ないものを置いています
小説として読むだけでも良いですし
使っていただいてもいいです、使っていただく場合は、聞きたいので教えていただけると助かります

四季のある国、移ろいゆく季節に花が変わる 

花畑の箱庭
年の始まりに水仙が花開き、

 冬の終わりに梅が咲き、 

春を告げるチューリップが風に踊る、

 別れと始まりを桜が告げ、

 バラやネモフィラが新生活の不安を和らげる、 

雨降る季節に紫陽花がカタツムリをあやしてる、 

夏の暑さに、向日葵が健気に太陽を追いかける窓から見える海では子供たちが休みを満喫している、

 秋がやってきて赤い曼珠沙華が彼岸の姿を見せる、夏に来たご先祖様は無事に天上に帰れただろうか、 

 コスモスが囁く季節になっても私は1人 

ローズマリーの香りが心を癒やす 

もう山茶花が雪の下で笑ってる 

ほらまた水仙が咲いたよ 

この箱庭は1年中花が咲き誇る、

小さな小さなログハウスで季節の移ろいを見る 

か弱い私の一生はきっといつか花となって散るのだろう、 

あなたは気まぐれに顔を出し外の美味しいお菓子などを持ってくる、

 花の手入れをしながらあなたを待つ、一人きりの寂しい箱庭、

もし叶うなら箱庭から一歩出てあの浜辺を歩きたい
そんなん夢を見る私はあなたの小さなか弱い花だった。