どうも、鈴盛農園の鈴木です。
久しぶりのブログです。
もって1週間のテレビバブルだと言われていた道の駅パニックが一ヶ月経つ今もなお続いていて、僕も店員さんもさすがに笑うしかないといった感じです。
一過性のブームじゃなくなってきてそうだね、と多くの方に言われます。
今朝も人参の出荷に行くと行列、奪い合い状態。
今月中旬から新しく農園に仲間入りしてくれた女性スタッフの佐藤さんいわく、「え?これ売れるんですか?売れるわけないですよね?笑」というプレミアム価格の黒人参ですら5秒で即完売。
テレビ放送から1ヶ月近く経った今、購入しに来てくれるお客様は、よく吟味された方が増えています。
テレビを見て知り、ホームページで情報を深め、口コミや書き込みをくまなく調べ情報を精査したうえで実際の購入に辿り着いてくれた方が多いのかなと思います。
この方達は長い間情報に触れてくれていたこともあり、いざ購入となれば値段関係なしで一番良いものが欲しいというマインドになっています。
また、情報の収集のため多くの人に
ねぇ、テレビ見た?
ねぇ、リリィっていう人参のこと知ってる?
と質問し、この前テレビでやってたんだけど…と多くの方に語ってくれます。
すると、買いにいくなら私の分も買ってきて!という人が増えていきます。実はこの時点ですでに多くの人をまきこんでくれていて、知らず知らずのうちに鈴盛農園を支えてくれる味方になってくれているんです。
結果的に、少しブームが落ち着いたと見えた後により強力な購買意欲を持った方がより良いものをより多く買ってくれることになります。
ですから、こちらはその瞬間まで話題性をキープして、新しい情報を常に提供する仕掛けが必要なんです。それでなくても手の内をあかしすぎるのがチャームポイントの僕ですので細かくは書きませんが相当色々やりました。
もちろん、仕掛けに合わせた商品の確保が必要です。あえて待たせてお取り寄せ数ヶ月待ちというのは話題性はありますが人の熱量は長くもって一ヶ月。
特に食べ物であればやっぱり食べたいと思った時が欲求のピークです。
農業はここが難しいんですよね。増産するにしても数ヶ月かかる。時期も選ぶ。どうしてもチャンスロスが生まれる。
ただ、いくらでも増産できるものを作っていたとしてもいくらでも注文を受けるのが正解とも限らない。
鈴盛農園の人参は名前は聞いたことがあっても簡単に手に入らない「感」が付加価値になるんです。特にうちみたいな農地面積の少ない農家が仕掛けるならここのコントロールが重要です。
やらしい僕はこのあたりのさじ加減が非常に得意です。テヘヘ笑
そして、こういったエンタメ熱で販売をする時には大将が思いっきり先頭に立って進軍した方がいいんです。
例えば道の駅。
オープンしてすぐに綺麗に人参が並んでいても感動レベルとしては1くらい。おー、これこれ。と言った感じ。楽しくない。普通の買い物。
だからオープンから10分ほどはあえて焦らさせていただきます。ごめんなさい。笑
オープンと同時にお店に駆け込む人々!目当ての人参がない!県外から来たのに!ありえない!落胆、怒り、不安に不満。
そこにテレビで見た生産者本人が登場!
そう、私が今これより皆様のすべての不満を解消します!
出た〜!!来たぞ〜!!笑
写真を撮り出す人もいる。祭りの始まりだ!
すごいの持ってきましたよ!いつも数秒で完売しちゃいますから迷ったらとにかくカゴに入れてくださいね!後で僕に文句言ってももう出てきませんよー!
煽りに煽ります。叫び声が聞こえるまで扇動します。
落ち着いてくださーい!まだ人参はありますから!でもね、皆さん!(静まり返るまで待つ)…ここだけの話、一番いいヤツはもうこれだけ!!
今から並べるから早いもの勝ち!泣いても怒ってもこれしか出てこないですから!
まさに扇動。扇動に次ぐ扇動。
その姿、そのやり口はまるで洗脳するタイプの宗教家です。笑
しかし、
実はこれがエンターテイメントなんです。
昔からあるバナナの叩き売り、あれもエンターテイメントです。子供の頃実際に体験しましたが今でもまだあの興奮を覚えています。すごい楽しい買い物でした。
せっかくテレビで見た人参をわざわざ遠くから買いに来てくれたんだから購買の瞬間まで記念になるのって面白いじゃないですか。
みんな大盛り上がりで、笑顔で、ありがとうと言いながら買い物をしてくれるんです。
ここまで来た記念に、あなたに会えた記念にと、たぶんいつもの何倍もの人参を購入してくれるんです。
怪しい壺でもない、怪しい絵画でもない、ぼくたちが提供しているのは心を込めて育てた人参です。
だから自信を持って農業エンターテイメントできるのです。
これが鈴盛農園の農業です。
ちなみに、ネットショップも大爆発が落ち着いた後、送り先を変えて、つまり人にプレゼントするために注文してくれる方が増えてきました。
また、2回3回とリピートしてくださる方が増え、3月20日以降の注文は半数がリピーターです。
食べ物作ってる僕らからしたら「おかわり」は最高の褒め言葉です。
冬人参も残りあと半月で終わります。
次は6月から鈴盛農園の初夏人参がとれますが郵送の際はクール料金をいただくことになり割高になるのでオススメしません。
人参の味や貯蔵性などを考えても次の冬を待ってもらう方が得策ですが、それでも初夏の人参も欲しいよと注文していただければ僕が飛び跳ねて喜びますのでよろしくお願いします。
野菜を買う、という一番日常に近いその時間を、
ほんの少しだけでも豊かに、楽しくしたい。
そんな野菜が食卓に並ぶ時には、たぶん家族の間に会話が生まれるだろう。
鈴盛農園が創っているのはそういうモノであり体験であり時間なのです。
そんな感性を一緒になって楽しんでくれる数えきれないほど多くのお客様に感謝します。ありがとうございます。
農業って楽しいな、ほんと!
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