一か月まったく雨が降らない大干ばつと、体温を超える気温の酷暑にやられた夏、
農業を始めてから一番厳しい台風に襲われ、発芽したての人参がほとんど吹き飛ばされるという厳しい秋、
そして、その後の暖冬で野菜は豊作傾向で物余りによる相場の低迷に見舞われました。
作りにくく、売りにくいという農業者にとっては踏んだり蹴ったりの年となったのかなと思います。
厳しい豪雨も、地震もありました。
自然災害が偶発的に重なって特に厳しい一年だったが来年は良い年になるであろうという期待は捨てた方が良いでしょう。
来年も異様な暑さで人は倒れ、雨は祈っても願ってもまったく降らず、しかもその雨を全て一箇所で受け止めるかのような局所的な豪雨で山は崩れ、建物を吹き飛ばすほどの台風は日本列島全体を何度となく襲い、恐ろしいほどの雪で機能しなくなる都市が溢れるのです。
ノストラダムスの言っていた恐怖の大王はいよいよ人類に迫って来ているのでしょうか?
僕らも部屋が汚くなれば掃除をします。
汚れたままの環境では衛生的にも良くありません。
カビが発生して体調不良を引き起こすこともあります。ゴキブリやネズミが住み着けば不快だし、部屋を荒らすようになれば駆除します。
人間は良い環境に戻すための調整をするのに、地球はそれをしないと決めつけるのは人間の勝手です。
地球も調整の期間に入っていると考えればこの大掃除は簡単に終わるとは思えません。これまでの異常気象がここからの日常になったのです。
もしかしたら、僕たちは地球にとっての恐怖の大王になってしまっていたのかもしれません。
これまでそういうテクノロジーはお金になりにくなったので研究開発が進みにくかったり普及しにくかったりという側面もありました。
海洋のマイクロプラスチック問題や放射性物質の分解など「俺の力ではなんともできないけど、誰かなんとかできる力があるなら応援したいんだ!」というような社会課題はたくさんあります。
今はクラウドファンディングやふるさと納税を通じてそんなテクノロジーや活動を応援したいと思った人が個人単位で支援できる世の中になりました。
自分が支えたいという活動やテクノロジーを、無理のない形で支えるのもまた大切なことです。
少しでも、少しずつ、良い方向へ、僕たちは歩いていかなければいけないのです。
環境はますます厳しくなっていきます。
それでも僕は日本農業に絶望したくないし、これからの若い人達に日本農業に絶望してほしくありません。
閉塞感を感じないといえば嘘になるし、自然災害で全てがゼロになる可能性もあります。大型台風で企業系の農場が復旧は難しいと判断して事業を廃止したニュースはインパクトありましたね。
恥を恐れず言えば今年の鈴盛農園だってなかなか大変。笑
それでも僕は日本の農業に夢を見続けていたいのです。
これから農業を目指す若者たちに、おじさんになっても俺には夢があると声を大にして笑顔で言えるのが農業なんだ!と思ってもらいたい。
そのためにも成長を諦めてはいけない。
夢を見て、それに伴う行動をすれば、人が人に夢を見させることも可能です。
そんな農業者になれたら、この時代に農業で生きると決めた意味があったと、そう思えます。
変わっていく時代と環境に柔軟に対応できるよう常にニュートラルな思考を持ち、変化をおそれず、新しいテクノロジーを受け入れ、ひたすらひたすら学んで実践していきます。
災の字すら、俺にとっては栄養分のひとつにしかならないんだというところを見せていきます。