平成の百姓一揆。
高橋博之さんの全国キャラバン愛知場所が開催されました。
博之さんが地方と都会の両方を見て生きる中で感じた強い危機感を持って語られる言葉にみんなそれぞれ色んな事を思い、考えたと思います。
人口の減少と農業の衰退は恐ろしいスピードで進んでいる。
この危機感って、やはり今自分が住んでいる場所もしくは環境によって感じやすかったり感じにくくなるものだと思います。
僕の住む碧南市は農業後継者不足なんてなんのその、畑に出れば30代、いやもっと若い世代がそこら中で新品の大型トラクターに乗り規模拡大に励んでいます。
確かに市内でも条件の悪いエリアでは農家の高齢化と減少が進んでいますが、万が一誰もやり手がいなくなったとしてもその地区一帯まるごと全部鈴盛農園が耕すから任せとけという腹積もりがあるのであまり不安に感じません。
町を見ても空き地があれば競い合うように分譲住宅が建ち、小さい子供を連れた家族で賑やかになる。
ここにいると、危機感を感じにくくります。
僕は運良く全国をまわり色んな地方を見て聞ける機会に恵まれていますので、農村の厳しい現実も知っている「つもり」ですが、
現地でアテンドしてもらう場所はやはり優良事例や先進事例が多いのも事実でふらっと2、3日訪ねただけでは見えないところに本当の危機感があるのだろうと思います。
それともうひとつ、
僕は農業青年組織である4Hクラブを通じて全国各地の地域を牽引する元気な若手農家と知り合いました。
皆で一堂に会せば、ついつい「日本の農業の未来は明るい、俺たちがいれば農村の未来は守れる」と思ってしまうのです。勘違いしてしまうんです。
それほどに心強い仲間たちなんです。
元気で若い農家が集まる4Hクラブは確かに1万人からなる多くのメンバーを抱えていますが、しかし、その数は日本の農業就業人口の中のわずか0.5%で、さらにアクティブメンバーともなると…といった数字であるのも事実。
さらに言えば、顔を合わせた時はみんな情熱とポジティブの塊であっても、皆それぞれ地元に戻れば大きな悩みを抱えて苦しみながらも各々のモチベーションで必死に農業と向き合っているのかもしれません。
昨日、博之さんと話をしながら現実はもっと厳しい状況であり、ニュートラルなポジションで冷静に危機感を捉える眼を持たなきゃなと考え直しました。
ですが、この0.5は非常に大きく強い0.5です。
日本農業の希望がここにあります。
だよね、みんな。
日本の農業の未来を憂うのは頭の良い人たちに任せておけばよい話で、おまえが考えることじゃねーよと思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かに僕はただのいち新規就農者ですからね。
でもそんな事も言ってられないんです。
昨日の参加者の中になんと中学生と高校生がいました。
学業に部活に励み、さらにそれぞれ農家をまわり取材をして農と消費者を笑顔でつなげる活動をしたり、里山に価値を見出す活動をしたり、日本の一次産業を盛り上げようとしているんです。
ここ数年、食べるタイムスのイベントなどを通じて農業を盛り上げようとする都会の大学生との出会いが多くあり、いい傾向だなと感じていましたがここ愛知でももっと若い力が自分で考えて行動している。
そうなるとやっぱり大人であり農家という当事者である僕も自分の役割の範囲内で農業を盛り上げる背中を見せたいわけです。
農業を良くしたいという頭の良い人が増えました。学生が増えました。消費者も増えました。
ただ、本当に農業を良くするために動かなければいけないのは他の誰でもない農家自身なのです。
初めて会ったその高校生が、ずっと鈴盛農園の人参を食べています。鈴盛農園の人参を見つけると必ず母が買ってくるんです!とそんな嬉しい声を聞かせてくれました。
自分がいつも食べている野菜の生産者と偶然にして出会うのって結構インパクトある出来事だと思います。
生産者と消費者をつなぐということをテーマにした座談会で、図らずも今まさにそれが起きていたのです。
やりましたね、博之さん。
やったね、啓之くん。




