七転び八起きの爺さん -2ページ目

七転び八起きの爺さん

いろいろな事業の失敗と成功を繰り返した事業経験を持つ爺さんです。

太陽光PPA・契約価格の動向とその重要性

太陽光PPA(Power Purchase Agreement、電力購入契約)は、再生可能エネルギーの利用拡大において重要な手段となっています。自然エネルギー財団が発表した「コーポレートPPAの契約価格:構成要素とチェックポイント」は、企業が再生可能エネルギーを利用する際に契約価格を評価するためのガイドラインを提供しています。

なぜこの知識が必要なのか

  1. コスト効率の追求

    • 企業が再生可能エネルギーを導入する際、コストは重要な要素です。発電コスト、電気料金、環境価値価格などの詳細な知識があれば、企業はPPA契約を通じて最も経済的な選択をすることができます。

    • 特に発電コストの内訳(ベースケース、追加コスト、事業者マージン)や変動要因を理解することで、企業はコストの見積もりや予算編成がより正確に行えます。

  2. 契約形態の理解

    • PPAにはオンサイト型、オフサイト型フィジカルPPA、オフサイト型バーチャルPPAの3つの形態があります。それぞれの契約形態によってコスト構造やリスクが異なります。

    • オフサイト型バーチャルPPAのように、契約単価と市場価格の差額が需要家コストに影響する契約形態では、市場価格連動型メニューやフィード・イン・プレミアム(FIP)などのコスト抑制策の知識が役立ちます。

  3. 環境価値の評価

    • CO2排出削減に関連する環境価値の価格も重要です。再生可能エネルギーの導入は企業の脱炭素化戦略の一環として不可欠であり、環境価値価格の変動要因(需給状況、追加性、制度変更)を理解することで、長期的なコスト評価が可能となります。

    • 非化石証書の取引自由度の低さや将来的な制度変更に関する情報も、企業が環境価値を適切に評価するために必要です。

  4. 企業の持続可能性とブランド価値

    • 再生可能エネルギーの導入は、企業の持続可能性を高め、顧客や投資家からの評価を向上させる効果があります。

    • CO2排出削減に伴うコスト抑制、脱炭素型事業による新規顧客の獲得、企業価値の向上などのメリットを理解することで、企業はより戦略的な判断が可能となります。

具体的なチェックポイント

  1. 発電コスト

    • 2024年度の想定発電コストは合計13~16円/kWh。内訳はベースケース10円/kWh、追加コスト1~4円/kWh、事業者マージン2円/kWh。

    • 屋根設置の発電コストは12円/kWh(折板屋根、自家消費100%)、陸屋根は+3円/kWh、自家消費50%は+5円/kWh。

  2. 電気料金

    • 旧一般電気事業者の電力量料金は13.55~25.30円/kWh、10社平均は20.83円/kWh。

    • 主な変動要因は燃料費調整額、卸電力市場価格、容量拠出金反映額、再エネ賦課金。

  3. 環境価値価格

    • 2030~2035年に2~5円/kWhを想定。主な変動要因は需給状況、追加性、制度変更。

まとめ

太陽光PPAの契約価格やコスト構造を理解することは、企業が持続可能なエネルギー戦略を構築し、コスト効率を最大化しながら環境負荷を低減するために不可欠です。これにより、企業は再生可能エネルギーの導入を通じて競争力を高め、長期的な事業の安定性を確保することができます。

#再生可能エネルギー #太陽光PPA #コスト評価 #企業持続可能性 #環境価値価格
 

太陽光PPA・契約価格の動向、自然エネ財団がチェックポイント https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/news/00001/04332/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw

「再生エネ急増、余剰生む」と「電力奪い合いの夏 AIかエアコンか」からみる再エネの課題とは

再生エネ急増、余剰生む

  • 世界各地で再生可能エネルギーの急増により電力の供給過剰が発生し、電力価格がマイナスになる事例が増えている。

  • 発電事業者の収益が悪化し、再生エネへの投資が減少する可能性がある。

  • マイナス価格の原因は、天候に左右される太陽光や風力発電の供給の不安定さ。

  • 蓄電池や送電網の拡大が解決策として期待されている。

具体的な解決課題

  1. 蓄電技術の開発と普及 蓄電池の性能向上とコスト削減を図り、昼間の余剰電力を夜間に利用できるようにする。

  2. 送電網の強化 余剰電力を他地域に融通するための送電インフラの拡充。

  3. 需要予測の精度向上 AIやビッグデータを活用した精度の高い電力需要予測システムの開発。

  4. 多様なエネルギーミックス 再生エネに依存しすぎず、安定した供給が可能な他の電源とのバランスを取る。

電力奪い合いの夏 AIかエアコンか 需要4割増の予測、超省エネへ技術革新

  • 2050年代には、日本の人口が減少する一方で、AI技術の進展に伴うデータセンターの増加で電力需要が約4割増加する可能性がある。

  • データセンターの増加により、電力インフラの整備が急務となっている。

  • 解決策として、省電力技術の発展が期待されている。

具体的な解決課題

  1. 省電力技術の開発 新世代の省電力半導体や光通信技術など、電力効率を大幅に高める技術の開発。

  2. 特化型AIの利用 特定用途に絞ったAI技術の開発と利用により、消費電力を抑える。

  3. インフラ投資の拡充 データセンターの需要増に対応するため、送電インフラや電力供給能力の強化。

  4. エネルギー政策の再構築 長期的視点での電力供給計画と、再生エネルギーの安定供給のための政策支援。

    【日経より】電力「マイナス価格」各国で https://lnkd.in/gQcY-QSx

    【日経より】電力奪い合いの夏 AIかエアコンか https://lnkd.in/gUFcmMMp

村田製作所が開発した再生可能エネルギーの制御ソフトウェアで、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて効率的にエネルギーを利用するための統合型再エネ制御ソリューションです。

 

以下に、エフィノス(efinnos)の詳細を説明します。

エフィノス(efinnos)は、村田製作所が開発した「統合型再エネ制御ソリューション」と呼ばれます。具体的には、再生可能エネルギー、特に太陽光発電と蓄電池を効率的に管理・制御するためのソフトウェアです。エフィノスは、AIを活用してエネルギーの需給バランスを最適化し、再生可能エネルギーの自給率を最大化することを目的としています。

概要

エフィノスは、再生可能エネルギーの自給率を最大化することを目的としています。AIを利用して電力の需給データや天候情報を基に、太陽光発電と蓄電池の充放電を連動させることで、再生可能エネルギーを無駄なく利用できるようにします。

主要機能と特徴

  1. リアルタイムモニタリング

    • 複数の発電設備や蓄電池の状況をリアルタイムで一元的にモニタリングし、電力需給を安定させる。

  2. 発電予測と消費電力予測

    • AIを利用して発電量と消費電力を予測し、蓄電池を活用して発電を効率的に制御。

  3. 蓄電池の最大活用

    • 電力使用状況に応じた細かな設定で蓄電池を最大限活用し、余剰発電の吸収や電力ピークカットを自動制御。

  4. 自家消費タイプの再エネ制御

    • 太陽光発電で使い切れなかった電力を蓄電池に貯め、必要な時に利用することで再エネ自給率を向上。

  5. ピークカット効果

    • 電力消費がピークになる時間帯を予測し、その時間帯に向けて蓄電池に電力を蓄えることでピークカットを実現。これにより契約電力を低減し、コスト削減も可能。

導入背景と効果

村田製作所は、RE100イニシアティブに参加し、2050年度までにすべての工場で再生可能エネルギーの100%利用を目指しています。この目標を達成するために、大規模太陽光パネルと蓄電池ユニットを設置し、エフィノスを導入しています。

実績と将来展望

2021年から村田製作所の自社工場で導入を開始し、商用化に向けて効果を検証してきました。エフィノスは、工場や倉庫などの施設に再エネを無駄なく利用するためのソリューションとして提供されています。

このように、エフィノスは再生可能エネルギーの課題である需給バランスの不安定さを解消し、持続可能なエネルギー利用を実現するための先進的なソリューションです。

#再生可能エネルギー #エネルギー制御ソフト #太陽光発電 #蓄電池管理   
#AI制御システム

統合型再エネ制御ソリューション efinnos エフィノス
https://solution.murata.com/ja-jp/service/efinnos/

 

INPEXのオーストラリアでの再生可能エネルギー開発が日本のエネルギー調達にとって良い点と悪い点

良い点

  1. 再生可能エネルギーの導入拡大

    • INPEXがオーストラリアでの再生可能エネルギー開発に2000億円以上を投じることで、将来的に日本への再生可能エネルギーの供給が増える可能性があります。これにより、日本のエネルギー供給源が多様化し、持続可能なエネルギー利用が進展するでしょう。

  2. グリーン水素の生産と輸出

    • オーストラリアで生産されたグリーン水素が日本に輸出されることで、日本の脱炭素化が進みます。特に、グリーン水素はCO2排出ゼロのクリーンエネルギーとして期待されており、これを利用することで日本の温室効果ガス排出量削減に貢献できます。

  3. 技術とノウハウの移転

    • INPEXがエネル・グリーン・パワー・オーストラリア(EGPA)と協力することで、再生可能エネルギー発電所の運営や電力市場取引のノウハウを日本に導入できます。これにより、日本国内での再生可能エネルギー事業の発展が促進されます。

  4. 経済的効果

    • オーストラリアでの大規模投資は、INPEXの収益源の多様化につながります。これにより、INPEXの経済的安定性が増し、日本のエネルギー市場にもポジティブな影響を与える可能性があります。

悪い点

  1. 地理的距離によるリスク

    • オーストラリアと日本の地理的距離は大きいため、再生可能エネルギーやグリーン水素の輸送にはコストとリスクが伴います。輸送コストの増加や供給チェーンのリスクが懸念されます。

  2. 国内再生可能エネルギー開発の遅れ

    • INPEXがオーストラリアでの開発に集中することで、日本国内での再生可能エネルギー開発が遅れる可能性があります。国内での投資が増えない限り、日本のエネルギー自給率の改善にはつながりにくいです。

  3. 依存度の高まり

    • INPEXがオーストラリアでの事業に依存することで、オーストラリア国内の政策変更や経済状況の影響を受けやすくなります。これにより、日本のエネルギー供給の安定性が影響を受ける可能性があります。

  4. 化石燃料依存からの脱却の遅れ

    • 現在、INPEXの利益の大部分が天然ガス開発に依存しているため、再生可能エネルギーへの完全な転換には時間がかかります。この間に化石燃料への依存が続くことで、日本のエネルギー政策の目標達成が遅れる可能性があります。

結論

INPEXのオーストラリアでの再生可能エネルギー開発は、日本のエネルギー調達において多くの利点を提供しますが、一方で地理的距離や国内開発の遅れなどのリスクも存在します。これらの点を考慮しつつ、バランスの取れたエネルギー戦略が求められます。

#再生可能エネルギー #グリーン水素 #エネルギー政策 #脱炭素 #日本エネルギー調達
 

【日本経済新聞より】
INPEX、豪で再エネ開発2000億円 太陽光や風力 30年までに、グリーン水素輸出拠点 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82068040S4A710C2TB0000/

太陽光発電設備を搭載していないゼロエネ住宅の問題点

1. 本来の脱炭素目標の遠のき

  • 太陽光発電設備を搭載していないため、ゼロエネ住宅であってもエネルギー自給が不完全であり、外部からのエネルギー供給が必要となる。これにより、家庭部門全体の温室効果ガス排出量削減が達成されなくなる。

2. 補助金制度の緩和

  • そこから補助金の例外を設けることで、太陽光発電設備を搭載していない住宅もゼロエネ住宅として認定されています。これにより、実際にはゼロエネ住宅の定義が曖昧になり、本来の脱炭素化が進む可能性があります。

3. 省エネ基準の甘さ

  • 日本の省エネ基準は他国に比べて緩いため、依然としてエネルギー効率が低い。特に、断熱性能などが不十分な住宅が多く存在し、エネルギー消費量の削減に限界がある。

4. 太陽光発電の普及率の低さ

  • 現在、日本国内の住宅における太陽光発電設備の搭載率は12%にとどまる。これにより、ゼロエネ住宅として認定される住宅でも、実際にはエネルギー自給が不完全であり、外部エネルギーに依存することが多い。

5. 地域間の取り組みの差異

  • 一部の自治体では先進的な省エネ基準が設けられていますが、全国的には統一された基準がなく、地域によって取り組みの質がばらついています。これにより、全国的な家庭部門の脱炭素化が進みません。

6. 民間企業の創意工夫の抑制

  • 基準が安易に緩和されると、民間企業の省エネ・創エネ技術を開発する動機が薄れ、国際的な技術革新が停滞する可能性がある。

 太陽光発電設備を設置していない理由

1. 経済的な理由

  • 初期費用 太陽光発電システムの設置には初期費用がかかります。多くの家庭では、この初期投資を負担することが難しいため、設置を躊躇することがあります。

  • 補助金の不足 政府の補助金があるものの、必ずしもそうではないため、自己負担部分が大きいと設置を諦める場合があります。

2. 技術的な制約

  • 日照条件 日照量が少ない地域や、多雪地域などでは太陽光発電の効率がかかるため、設置が実用的でないと判断されることがあります。

  • 屋根の構造 古い住宅や特定の構造を持つ住宅では、屋根の強度や形状が太陽光パネルの設置に適していない場合があります。

3. 法的・規制的な制約

  • 地域の規制 一部の地域は景観保護緑地規制により、太陽光パネルの設置が制限されている場合があります。

4. 認識・知識の不足

  • 知識の不足:太陽光発電の利点や設置方法についての知識が不足しているため、導入に踏み切れない家庭があるかもしれません。

太陽光発電設備を設置していない理由には経済的制約、技術的な制約、法的・規制的制約、そして認識・知識の不足が挙げられます。これらの制約が存在する、太陽光発電設備の導入がまず、結果として脱炭素化の遅れ、エネルギーコストの増加、エネルギー供給の不安定化、そして政策目標の達成が困難になるといった問題が生じています。これらの問題を解決するためには、補助金の拡充や規制の見直し、技術の進展があり、太陽光発電設備の導入を支援する政策があります。

 

#太陽光発電 #ゼロエネ住宅 #脱炭素 #省エネ #エネルギー政策

【日本経済新聞】「名ばかり」ゼロエネ住宅3割超 遠い家庭の脱炭素 チャートは語る https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE17AOZ0X10C24A4000000/