INPEXのオーストラリアでの再生可能エネルギー開発が日本のエネルギー調達にとって良い点と悪い点
良い点
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再生可能エネルギーの導入拡大
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INPEXがオーストラリアでの再生可能エネルギー開発に2000億円以上を投じることで、将来的に日本への再生可能エネルギーの供給が増える可能性があります。これにより、日本のエネルギー供給源が多様化し、持続可能なエネルギー利用が進展するでしょう。
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グリーン水素の生産と輸出
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オーストラリアで生産されたグリーン水素が日本に輸出されることで、日本の脱炭素化が進みます。特に、グリーン水素はCO2排出ゼロのクリーンエネルギーとして期待されており、これを利用することで日本の温室効果ガス排出量削減に貢献できます。
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技術とノウハウの移転
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INPEXがエネル・グリーン・パワー・オーストラリア(EGPA)と協力することで、再生可能エネルギー発電所の運営や電力市場取引のノウハウを日本に導入できます。これにより、日本国内での再生可能エネルギー事業の発展が促進されます。
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経済的効果
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オーストラリアでの大規模投資は、INPEXの収益源の多様化につながります。これにより、INPEXの経済的安定性が増し、日本のエネルギー市場にもポジティブな影響を与える可能性があります。
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悪い点
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地理的距離によるリスク
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オーストラリアと日本の地理的距離は大きいため、再生可能エネルギーやグリーン水素の輸送にはコストとリスクが伴います。輸送コストの増加や供給チェーンのリスクが懸念されます。
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国内再生可能エネルギー開発の遅れ
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INPEXがオーストラリアでの開発に集中することで、日本国内での再生可能エネルギー開発が遅れる可能性があります。国内での投資が増えない限り、日本のエネルギー自給率の改善にはつながりにくいです。
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依存度の高まり
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INPEXがオーストラリアでの事業に依存することで、オーストラリア国内の政策変更や経済状況の影響を受けやすくなります。これにより、日本のエネルギー供給の安定性が影響を受ける可能性があります。
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化石燃料依存からの脱却の遅れ
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現在、INPEXの利益の大部分が天然ガス開発に依存しているため、再生可能エネルギーへの完全な転換には時間がかかります。この間に化石燃料への依存が続くことで、日本のエネルギー政策の目標達成が遅れる可能性があります。
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結論
INPEXのオーストラリアでの再生可能エネルギー開発は、日本のエネルギー調達において多くの利点を提供しますが、一方で地理的距離や国内開発の遅れなどのリスクも存在します。これらの点を考慮しつつ、バランスの取れたエネルギー戦略が求められます。
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【日本経済新聞より】
INPEX、豪で再エネ開発2000億円 太陽光や風力 30年までに、グリーン水素輸出拠点 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82068040S4A710C2TB0000/