城を抜け出すのに、正信は伊賀者を数人付けて来た
月明かりだけが頼りの静寂の中、すれ違う者も殆ど見受けられぬ
おかげで街並みをじっくり見て歩いても、怪しまれずに済む
比較的新しく出来た建物の中に古い建物も見られ、新旧が上手く融合して見える
本当なら昼間に見てみたいものじゃが…
それは叶わぬ事と分かっておる
だから出来るだけ目に焼き付けようと、あちこち見回していると、突然
「どうかなさいましたか?」
と、女子の声…
驚いて振り向くと、そこには今まで出会ったことの無い、世にも美しい女子が立っていて
一目でワシは取り込まれてしまったのじゃ
その女子はワシが暗がりの中、迷ってしまったのかと思うたのか、心配そうに顔を覗き込んで来て
何も話せぬワシに、事情は聞かず、明るくなってからの方が安全で探し物も見つけやすいと言い、半ば強引に自分の家に連れ帰ってしまった
困惑する伊賀者には「大丈夫だから」と、少し離れるように指示し、ワシは『ハナ』と名乗った美しい女子と至福の一時を過ごして
ハナが眠りにつくとワシはそっと口付け、後ろ髪を引かれながらも渋々城へと戻った
翌日、ワシの行動を知った阿茶に、正信と共に酷く叱られてしまった
まあ、それは当然の事ではあるので置いておいて…
ワシは諸々分かった上での行動であったが、ハナは違う
消えたワシの事をどう思っているのか、心配でならなかった
じゃが、町娘を城に上げる訳にもいくまい
分かってはいても苦しくて、時折伊賀者に様子を見に行かせていた
半年程して
ハナの懐妊を知った
ワシの…子…か?
たった一度の事…
それでも子が出来ることは分かっている
もしワシの子であれば、内密にせねばならぬ…
どうするべきか頭を悩ませる日々が続いていた
そう…この頃からじゃった
何やら不思議な事が起こり始めたのは…
結局ワシはハナの気持ちを聞きたくて、文を書くことにした
じゃが町の者達は字が読めぬと聞いて、ワシはハナへの文を密かに運ばせる者は字の読み書きができ、尚且つワシの身分を感じさせぬ者を選んだ
そして、ワシの名は『ヤス』しておいたが、見る者が見ればワシの字と分かるかも知れぬ
まあ、今はそれ程の者も居らぬであろう
さて
ハナに宛てた最初の文も書き終え、決めた通りワシの文机の左脇に隠し置く
こうしておけば夜の内に抜き取り、翌日には届けて読んで聞かせ、代筆した返事をその夜には又、文机に戻してくれる算段だ
しかし…
翌日、文机の脇に有ったのは、見た事も無い紙?にペンセルと思しき物で書かれた文らしき物
それも結構悪筆である
とても怪しき代物で
何度もひっくり返しては眺めてみたものの、良く分からぬ
ここは念の為、正信を呼び確かめる事にした
何かあっては、阿茶に何を言われるか分からぬゆえ…
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今日は息子のリクエストでカレーを作ってたんですけれども
我が家ではサ〇モスの真空保温調理器(鍋で熱を加えた後、保温器に鍋ごと入れて保温します)を使うんですが、来客予定があって熱を加えてる時間を待ってられない
そこでタイマーを掛けて息子に「タイマーが鳴ったら(鍋を指さして)これを(こちらも保温器を指さして)こっちに入れておいて」とお願いして、私はバタバタと動き回ってました(伝われ!)
何とか落ち着いて来たので鍋を確認しに行くと…
保温器の中には直接具材が入れられていて、鍋はキッチリ水に浸かっていたのでした😅
そういう発想は無かったな〜🤣
息子は反省しきりでしたが、私も伝え方が悪かったと猛反省
伝えるって難しいですね…
(これ、伝わりましたか?😂)
今回も読んで頂き、ありがとうございました❤️💜