翔さんがカズと寝た?
そして今も二人で出て行って…
俺の頭は混乱して、自然と涙が溢れ出た
それに気づいたヒナが寄って来て
「カズの奴は策士やからな
いちいち気にしてたら身が持たん
ちゃんと事実を確認して
ホンマに黒やったら櫻井さんを問い詰めたらええ
せやろ?」
そう言われて俺は、ヒナの肩に頭を乗せて泣きたいだけ泣いた
ヒナは優しく背中をポンポンと叩いてくれて
暫くすると二つの手が増えて、俺にはこんなに味方が居るんだと心強く思った
「しっかしなぁ…
カズの奴は何を考えてるんだ?
櫻井さんと潤の事を知らない訳じゃ無いのに」
「ん〜、オイラが思うに、予定外だったんじゃないのか?
友達の事を大切にしてきたカズがああなるってのは恐らく…」
「せやなあ
最初から裏切るつもりやったとは考えにくいやんな」
「でも、どうしたら…」
皆が、う〜ん、と言って考え込んでしまった
それでも考えてくれる事は有難い事
「ありがとね」
そう言って微笑むと、皆がガシッと抱き締めてくれた
ここはもうグダグダ考えないで、翔さんを問い詰めるのが一番だと思う
今日明日は無理でも、少し心の整理をして聞いてみよう
翔さんは本当にカズの事が好きで抱いたのか
それとも何かの間違いだったのか
ハッキリ分かれば、今後どうしたらいいか考えられるから…