2024年6月8日(土)14時開演
東京文化会館 大ホール
今日が誕生日の妹のお誘いで、ひさびさにバレエ@上野(コロナ禍入口の2020年2月以来)。母も呼んで、わたしは娘を一人連れ、みんなでおひるをいただいてから、ゆっくり楽しんだ。
東京バレエ団創立60周年記念シリーズ6と銘打たれたこの公演、5月末から今週末にかけて6公演、タイトルロールにはベテランから若手までの3組がそれぞれ二回ずつ。縁あって、そのうちいちばんフレッシュそうな足立真里亜と池本祥真の回をみた。
「ロミオとジュリエット」はバレエ以前に演劇としても有名な物語で、よく知っている気もしていたけど、全幕を生でみるのはなんと今回がはじめてだった。第一幕はバルコニーのパ・ド・ドゥまで、第二幕は秘密の婚礼を経てティボルトの死まで、そして第三幕は後朝のパ・ド・ドゥから墓所での悲劇の幕切れまで。
舞台装置がすばらしくて、舞台後方に高い渡り廊下があって、街の場面では橋となり、邸宅ではバルコーとなり、高さと奥行きが演出にもうまく生かされていると思った。
他の振付家のものを通してみたことはないのでわからないが、ジョン・クランコといえば「じゃじゃ馬ならし」がいまも印象深く、シェイクスピアのような演劇的なものを音とダンスにうまく翻訳して魅せる舞台だった。
小柄な足立真理亜のジュリエットは、登場時はほんとうにまだ幼なげなかわいらしい少女だったが、恋に落ちてほんの数日のうちに目覚ましく成長して人生の思い決断をくだしていくさまが伝わってきて、ドラマチックバレエに向いた踊り手だと思った。
男性ではロミオの友人マキューシオを演じた宮川新大が目立っていた。カーテンコールでの拍手もひときわ大きく、いま人気のダンサーなのだとうかがわれた。
東京シティ・フィルの音楽もよかった。目も耳も堪能したなあ、という満足感があった。
東京バレエ団「ロミオとジュリエット」全3幕
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
キャピュレット家
キャピュレット公:安村圭太
キャピュレット夫人:伝田陽美
ジュリエット:足立真里亜
ティボルト:鳥海 創
パリス:樋口祐輝
乳母:菊池彩美
モンタギュー家
モンタギュー公:岡﨑 司
モンタギュー夫人:政本絵美
ロミオ:池本祥真
マキューシオ:宮川新大
ベンヴォーリオ:山下湧吾
ヴェローナの大公:木村和夫
僧ローレンス:中嶋智哉
ロザリンド:加藤くるみ
ジプシー:榊優美枝、中沢恵理子、髙浦由美子
カーニバルのダンサー:岡﨑 司
工 桃子、本村明日香、井福俊太郎、海田一成
指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団