立ったままの埋葬 | 【広い心】

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五島勉著者
【ノストラダムスの大予言最終解答編】
1998年6月末発行本より

文章を加筆編集して
五島氏の話を私なりに紹介します
(ご本人からの許可は手紙で頂いています)

【再臨の隠された秘密】 の続きです



再臨が書かれているとして
詞を改めて正確に訳すと

【逃げよ逃げよ、すべてのジュネーヴから逃げ出せ
黄金のサチュルヌは鉄に変わるだろう
巨大な光の反対のものがすべてを絶滅する
イエスの再臨の前に、大いなる空は前兆を示すだろうが


「この四行目の後半は何ですか?
空から襲ってくる核兵器?それとも汚染?
オゾンホールのような災厄ですか?」

師はこれに対し
「あなたの言ったことはすべて前兆だろうと思います
残念ながら今後はよりいっそう悪くなるだろうとも思います
多くの汚染のため人類が子孫を残せなくなることなど…」


これらはもちろん私自身の感じている不安でもあり、
世界中の多くの人たちの不安でもある。

「私自身は、ノストラダムスとはちょっと違う考えを持っています」

そういってビノ師は『ペテロの手紙』を上げた。
それには、「欲望のままに生活して嘲る人々が、
世界の終わりとイエスの再臨の前に現れる」
とある。

嘲る彼らは
「主(イエス)が来るという約束はどうなった?
(再臨とその前に破滅が起こるという予言)
何も変わったことは起こってないじゃないか」と笑う。

それに対してペテロは
「主は約束の実現を遅らせているのではありません、
1人も滅びないように皆が悔い改めるのを忍耐しておられるのです」と

そのことからして、イエスと天の父だけが、
人間ではない神性の慈悲によって、
すでに決まっている破滅と再臨を延期することができる。


言い換えれば希望が1つしかないシビアなものだった。

神かイエスが、破滅の再臨を延ばそうと決意するとき、
そのときの破滅の最悪の状況は続く。

「ですから今後、厳しい秒読みの状態が来るでしょう」
とビノ師は言った。

「そういう秒読みの状態の結末がどうなるか、
ノストラダムスは、あなた方に伝えるために何か言い遺さなかったんですか?」

「言い残しませんでした。
しかし、言葉になっていない答えの1つがそこにあると思います」
師はそう言いながら、小部屋の方を振り返った。

そこにはノストラダムスの墓があった。

墓といっても、
教会の小部屋の壁の一部に彼の墓碑銘が彫られ、
その奥に彼の遺体が葬られている変わった墓だ。
しかも言い伝えでは、「立ったまま」の姿で。

それは1566年のノストラダムスの死の直後、
すでにそういう姿で別の教会の壁に葬られたのだという。

フランス革命の時、いったん墓が壊されて骨もバラバラに。
そこで彼を慕う人たちがそれを集め、
今の場所にまた「立ったまま」の姿で葬ったのだという。

そのように葬るように、
彼が息子と内弟子に遺言して死んだのは確かなようだ。

危機と破滅の時代を予見したものとして、その姿がふさわしい、と。

つまり彼はこういう葬られ方によって、
危機の時代の人類が、
どういう姿勢で生きるべきかを示したんだと思います

死んで葬られたのは事実ですが、
立っているということは生きているということで、
死んでも生きている姿勢を続けている状態です」


「恐ろしいことだ!」

「そう、恐ろしい、
しかし、この覚悟を持てば、それ以上に恐いものはありません」


「死んだつもりで多くの危機と戦っている間に、
主は人類を救ってくださると自分は信じています」


「それがビノ師、あなたの結論なんですね」

「もちろん自分としては、自分が今まで言ったことは、
全人類に当てはまることだと思う、
しかし、それはあくまでも自分たちの考えです
日本人が別の考えを持つことを、われわれは妨げようとは思わない。
日本には日本の考えと道があるでしょう。」


「もう時間がありません
では五島さん、もう会うこともないと思いますが……」

あわただしく手を握り合って、
二人の修道院は教会堂を出て行った。

それで会談は終わった。


【核の恐怖から逃げること】 に続く