「家尻切り」この言葉の意味はなんでしょう！？【文楽・歌舞伎の漢字】近松門左衛門

〜本日のお品書き〜
家尻切

こんばんは。

文楽の咲寿太夫さきじゅだゆうです。

さて、この漢字

家尻切

いったい何と読むでしょう！？

ドルルルルルル

ドルルルルルルルルルル

文楽・歌舞伎 LINEスタンプ
https://line.me/S/sticker/9372133
¥120

正解は

やじりきり

でした！！

さて、読みは簡単ですが、では意味は？？となるとご存知ない方も多いのではないでしょうか。

この漢字は、

心中天網島の一文で登場します。

治兵衛が小春に愛想を尽かした時にべらべらと述べる台詞です。

治兵衛涙を押拭ひ、

「アヽあやまった〳〵あやまりました兄者人。三年前よりあの古狸に魅入られ、親子一門妻子まで袖になし、身代の手縫れも小春といふ屋尻切にたらされ、アヽ後悔千万。モウ〳〵〳〵ふっつり心残らねば、足向もするまじ。
ヤイ狸め狐め家尻切め。貧乏神の親玉め。思ひ切ったといふ証拠これ見よ」

わー

大人気なくののしってますね。

これで30になるやならずの妻子持ちの男です。

文面を見ると、あまり良くない意味だということは察していただけると思います。

家尻切とは、

盗みを働くために家や蔵の後ろ壁を切ることをいうのです。

そこから転じて、他人を罵る時に使われる言葉となりました。

意味を聞けば、「家」「尻」を切る、と書く理由も納得です。

今ではあまり使われない言葉ですが、ストレスがたまったらこっそり使ってみるのもいいかもしれません（相手が意味を知っていた時の保障はいたしません）