直木賞「渦」と一緒に読みたいおススメの3冊!! 書店員さん、画像ポップにどうぞ。 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫




「渦」と一緒に
読みたい3冊




こんばんは。


人形浄瑠璃文楽ぶんらく太夫たゆうをしている豊竹とよたけ咲寿太夫さきじゅだゆうです。



先日直木賞を受賞した小説
「渦」




https://amzn.to/30BfhuU


妹背山婦女庭訓
魂結び

¥1998










近松門左衛門亡きあと、その近松に憧れた作家の近松半二の物語です。


渦はもちろん単品でお楽しみいただけるのですが、いっしょに読むとさらに楽しめますよ!!という3冊の本をご紹介させていただきたいと思います。




まずはこちら!!!



あの三浦しをんさんの小説
「仏果を得ず」






https://amzn.to/2lhdPyr

仏果を得ず
¥648



こちらも人形浄瑠璃文楽
ぶんらく
の小説なのですが、「渦」とは正反対の作品になります。


「渦」が江戸時代の話だったのに対して
「仏果を得ず」は現代の演者たちの話なのです。


主人公の健が不器用なりにあがいていく姿がとても清々しく、また三浦しをんさんの小説に特徴的な徹底した取材のもとのフィクションですので、リアルな生活感があります。

その上できっちりフィクションとして、エンタテイメントとして、ストーリーが練られているのがとても気持ちいい作品です。


ぜひ渦と読み比べて江戸時代から現代にかけて、人形浄瑠璃はどのように日本の文化として愛され続けているかを実感していただけたらなと思います。










さて、この2冊の小説を読むと、たくさんの戯曲が登場します。


もちろん、知らなくても楽しめるのですが、知っておいたほうが、この2冊はもっと楽しめる!!




ということで
おススメその2


「マンガでわかる文楽
ぶんらく





https://amzn.to/2LVaGQf

マンガでわかる文楽
¥1728




この本はその名の通り、ざっくりとしたマンガでたくさんの代表的な作品と人形浄瑠璃文楽
ぶんらく
の仕組みを紹介してくれます。

これが、わかりやすい。



解説をしているのは文楽
ぶんらく
・歌舞伎のイヤホンガイドをしている方。


おさえるべきポイントをおさえて、楽しく解説してくださっています。


マンガは上島カンナさん。


マンガでわかるシリーズの文楽
ぶんらく

いやあ、ずっと欲しかったんですよ、個人的にも。






この本でざっくり文楽
ぶんらく
の仕組みやいろんな作品の醍醐味を感じることができたら、次におススメしたいのはもちろんもう少し踏み込んだ内容の本ですよね。

ただし!!!!

ここでぼくがおススメする本は、文章びっしりの専門書ではございません!!!!

きっと今この記事を読んでくださっている人は、その系統の本は望んでいないはず!!!!





もっとおしゃれで、でも内容はしっかりあって、そんな気軽に深く知ることができる本はないのでしょうか。




あるんです。




しかも、わたしの兄弟子である、織太夫兄さん監修の本です。




それでは
おススメその3



「文楽のすヽめ」







https://amzn.to/2O7aNLc

文楽のすゝめ
¥1620





この本はまるでファッション誌を手にしたかのような本です。

監修はわたしの兄弟子、織太夫兄さんなので、お墨付き。







難しいと思われがちな文楽だが、「世話物」はアラフォー旦那の不倫、
マイルドヤンキーの殺人、ツアコン逆切れ事件(!?)など、とてもドラマチック。
絶対に観ておきたい名作を紹介、カリスマ作家近松門左衛門の魅力に迫る。
大阪を楽しむぶらぶらあるきガイドや、豪華執筆陣のエッセイなど、大充実の一冊。

【目次】
■江戸時代の大坂でこんな事件がありました。まず観てみよう、この10作
■太夫・三味線・人形遣いが織り成す世界的に珍しい人形芝居です
■こんなキャラにはこんな首(かしら)
■近松作品を読み解く 4つのキーワード
■愛すべきダメ男図鑑
■婚活前に必読! 貞女の手帖
■近松門左衛門は敏腕プロデューサーでした
■大阪がもっと楽しくなる、文楽ぶらあるき
■六代目織太夫が語る「これまでの咲甫太夫とこれからの文楽」
■観劇に役立つ 江戸時代の常識
■文楽が好きになったら読みたい本・観たい映像
■事前に知っておきたい 劇場のあれこれ

・特別寄稿 朝吹真理子/いとうせいこう/三浦しをん






どうですか、この商品紹介文。

今までにこんな伝統芸能の本があったでしょうか。



それで、この本の何がすごいかっていうと、とても内輪の話なのですが、この本の編集を担当している方もデザインを担当している方も、文楽
ぶんらく
が大好きでいつも来てくださる人だという点につきるんですね。

だから、文楽
ぶんらく
のここをしってほしい!!
ここが知りたい!!!

の両方が見事に提供されているんです。




どうですかどうですか。





ここらで皆さんもぜひ文楽
ぶんらく
デビューしてみたくなったことでしょう。




そんな皆さん、9月7日から東京の国立劇場で9月23日まで文楽
ぶんらく
公演を上演いたしております。
ぜひお越しください!!!








https://www.ntj.jac.go.jp/sp/
日本芸術文化振興会サイト



https://www.ntj.jac.go.jp/sp/bunraku.html
国立文楽劇場

https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html
国立劇場






ということで、本屋さんにおススメしたい本の配置なのですが、
「渦」
に抱き合わせて
「マンガでわかる文楽」

「文楽のすヽめ」

「仏果を得ず」
を置けばバカ売れだと思います。
よろしくお願いいたします。




あと、書店員さん、図書館の方、この写真はポップなどにお使いいただいて大丈夫です。
ご自由にお使いください。