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よ うやく情報解禁でございます。
数ヶ月前に、舞台や稽古を終えて、夜に毎日3時間ずつほど、1ヶ月かけて仕上げた作品がございました。
そもそも、ぼくの場合、絵を描く時にはそのイメージが湧いてくるまでは下絵も描かないので、下絵を描く頃にはイメージが固まっているのでスムーズに事が進みます。
今回は2ヶ月ほど頭に何か湧くのを待ちました。
そして、今年の四月の正面での千本桜の床に座った瞬間に、このアングルでの八重垣姫が映写機が回るように目の前へ出現したのです。
とはいえ、五月は東京公演。
キャンバスを持って行くのも大変ですし、資料写真を集めることにカメラマンさんに協力を仰いだりしました。
湧いたイメージのみ、iPadで描き殴ります。
そして、帰阪し、六月。
若手会シーズンを終え、一気に描き始めました。
まずは下書き。
頭の中のイメージの時点で、客席に上方芸能に所縁のある方々や、ぼくと接点を持っていただいてくださっている方に座っていただこうと考えておりました。
その代表格が桂米朝師匠です。
テーマは上方芸能の海。
着色していきます。
画材は顔料です。
画材屋さんでF20号というキャンバスに和紙を貼っていただき、その上に描いています。
ジャンルは何になるんでしょうね?笑
とにかく、ぼくの中の文楽のイメージを、昇華させたい気持ちと衝動がとまりませんでした。
Twitterにも描きましたが、ぼくにとって絵を描く作業は、義太夫節・文楽の中で芸を学びながらできたもやもやを落とし込む作業でございます。
決して無意味などではなく、急がば回れの確認作業だと自分の中で認識していますし、発散方法でもございます。
演者陣も塗り込んでいきます。
ぼくは基本的に重ね塗りが多いですね。
もっとシンプルなところに到達したいものです。
狐、そして八重垣姫のお着物。
はじめに黄色を置いて、その上から白と赤みを付け加えていきます。
次はいよいよメインの簑助師匠。
実は以前に墨絵を書かせていただいたことがあり(これは門外不出なのです。簑助師匠のお宅にしか存在しません。ぼくも写真などのデータを取っていません)、骨格などの特徴は掴んでおりました。
なので、かなりスムーズに描けました。
いよいよ八重垣姫の顔。
いちばん苦心しました。
意外に思われるかと思いますが、ぼくはこれまで、人形遣いさんに遣われる傀儡としての人形を描いたことがありません。
今回が初挑戦なのです。
でも、生きた人形が描きたく、あの簑助師匠や勘十郎さん、玉男兄さんや和生兄さんが手を通した瞬間に命が宿る、あの顔が描きたかったのです。
顔、納得がいくまで随分かかりました。
手が出せないんですよね。
勘十郎さんが描かれる人形の絵ほど命の宿っている絵はなくて、土門拳さんの写真ほど緊迫感や空気感のある写真はないと思っています。
人形も触ったことのないぼくが描けるのだろうか、と。
そうして描いたのが、この八重垣姫です。
細部の書き込みに入ります。
悠久の芸能の時の流れを海に見立て、それを客席の青に落とし込み、海の水面にきらめく手が届きそうで届かない太陽のきらめきをあらわしたくて、スポットライトを光らせました。
歯ブラシで金銀を散らして、ふわりとした空気感を出していきます。
劇場は国立文楽劇場というつもりですので、座席の縞模様も足していきます。
最後に落款を押して、
完成です!!!
下絵から毎日約3時間前後、1ヶ月での製作となりました。
さて、この絵。
文楽を沢山の方に知っていただこうと描き始めたもので、コンペティションに出展させていただく運びとなりました。
横浜の赤レンガ倉庫で開催される、クリスマスアートコンペティションでございます。
あの、赤レンガ倉庫に展示していただくのです。
今頃横浜ウォーカーに宣伝が載っているかもしれません。
12/6〜12/10まで、とちょうど12月公演中ですので、ぜひ足をお運びいただきたく思います。
というのも、観客の皆さまも投票できるシステムになっているそうで、ぜひこのブログをご覧になった皆さまに1票をお願いしたいからでございます(選挙演説ぽく)!
いつか、この作品だけでなく、ほかの絵の原画も見ていただける機会を作ることができればいいなと思っています。
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