桜満開の文楽劇場の下で【Photo】。文楽四月公演開幕!妹背山婦女庭訓 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫

 

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  桜満開妹背山婦女庭訓 

 
 
お久しぶりです。
 
ブログの更新がすっかり止まっておりました。
 
 
 
地方公演が終わってから、ばたばたとしておりました。
師匠は大丈夫です。
 
 
 
 
さて、今日から文楽四月公演が始まりましたニコニコ
 
 
晴れ男で定評のあるぼくです。
昨日の雨模様から一転、今朝は透き通るような快晴でした。
 
 
さらに文楽劇場の前の桜も正しく満開ぽってりフラワー
 
 
タイミングよく居合わせた劇場の職員さんにお願いして写真を撮ってもらいました。
 
 
 
 
 
今月は「妹背山婦女庭訓」の通し上演です。
 
 
 
 
通し」というのは、物語を最初から最後までまるまる上演することのことを言います。
 
 
 
現代劇をご覧の方は、えっ?当たり前やん?と思われるかもしれませんが、文楽や歌舞伎ではなかなかそうもいかない事情があります。
 
 
 
最初から最後まで上演すると、軽く10時間はかかってしまう演目がごろごろとあるのです。
 
 
 
普段の公演ではそんな中でもメインとなる場面を選りすぐって、「幕の内弁当」のような形で詰め合わせて上演しているのです。
 
 
 
 
昔の演劇は、夏フェスのような形で、一日中お芝居がかかっている中でお客さんは入れ替わりたちかわりお目当の演目や演者さんを観に来ていたのです。
 
 
大衆芸能だったと言われる所以はこんなところにもあるのですねえ。
 
 
 
もちろん、それだけではありません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今回の「妹背山婦女庭訓」は日本のロミオとジュリエットとも言われる物語です。
 
 
敵対する二つの家族の子供たちが恋ラブラブに落ちてしまう。
 
 
 
ロミオとジュリエットの場合、お互いの死に悲嘆してお互いが自分で命を落としていきます。
 
 
 
 
 
妹背山婦女庭訓はそこが全く違うところで、
 
ロミオに当たる久我之助とジュリエットに当たる雛鳥は、お互いが「相手の命を助けるため」に自らの死を選ぶのです。
 
 
 
 
有名な「妹山背山の段」という場面がそこに当たるのですが、なんという純愛、後半の1時間は涙必至です(舞台稽古でぼくは涙を抑えられませんでした)
 
 
 
 
 
妹背山婦女庭訓は4/24まで!!
 
 
 
 
たくさんのお客様のお越しをお待ちいたしておりますキラキラ