なぜ、ダノンデサイルが勝ったのか⁉ロングスパートが勝敗を分けた! | 水野 宙の競馬ブログ

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ダノンデサイルが勝った日本ダービー2024を考察します

 

的中した方おめでとうございます。

 

勝ったのは9番人気のダノンデサイルでした。

私は予想前にこの馬を調べつくしたのですが、やはり買えませんでした。

皐月賞除外という理由もありますが、実力がわかりませんでした。

血統的には母方の日本での歴史が浅く、実績を残してる近親もなく、日本競馬にどこまで適性があるのかわかりませんでした。

 

ただ、スタミナを示す血量がクロスしており、中でもプリンスキロ6.45%というのは出走馬中1番でした。「東京コースではプリンスキロの血量の多い馬を買っておけ」と拙著「見えない法則」にあるのですが、京成杯を勝っただけで速い上がり実績も東京実績もないため買えませんでした。

 

 

レースでは岩田康誠が18番枠から逃げてドスローペースに持ち込みました。これは期待した通りで、レースが面白くなりました。

この後ろに武豊のシュガークンとダノンデサイルがつけます。

1400mまでは1ハロン12秒後半のラップを刻みゆったりとしたペースでした。

 

この時点では岩田も武豊も「しめしめ このままラスト3ハロンまで持ち込めば残れるな」と思っていたかもしれません。

もし、残り600mまでペースを落とし切れば結果も変わったと思います。

 

しかし、残り1000mでデムーロに合わせて池添謙一のサンライズアースが並びかけます。

武豊は「余計なことすんな」と思ったことでしょう。

 

サンライズアースはシュバルグランなどの一族でスタミナはありますが能力開花はもう少し先と見ていました。

サンライズアースがペースを上げたことで前の馬も巻き込まれ、残りの1000mが底力勝負になりました。

 

ロングスパートになったため瞬発力勝負に強いスピード馬が中途半端な状態で加速しなければならなくなりました。

残り5ハロンのラップは

11.7、11.3、11.1、11.2、11.5です。

一番早いラップが3ハロン目で11.1でその後11.2,最後11.5と時計を落とし、バテバテになっていることがわかります。

そうなると上がりの時計の差がつきません。スタミナ勝負です。

 

残り400mを境に好位につけていたコスモキュランダ、シックスペンスやジューンテイクなども思ったよりも長い距離のスピード勝負になりポジションを落としていきます。

ここで1頭だけ内からスルスルと抜けてきた馬がダノンデサイルです。この展開で必要なのは早い上がりではなくスピードを落とさずに耐える力でした。この馬の並外れたスタミナが活きました。

 

残り200mでダノンデサイルが完全に抜け出し、シュガークンとエコロヴァルツも遅れだします。

 

ダノンデサイルの上がり3ハロンの時計は33秒5で上がり時計の順位は4番目です。

 

上がり時計が一番早かったのは5着のレガレイラで33秒2ですから位置取りの差です。

2着ジャスティンミラノは33秒9ですからよく前で頑張ったと言えるでしょう。力はありましたが、一番ではありませんでした。

 

 

3着に入ったシンエンペラーはサンデー系の血が全く入っていない外国産馬です。

血統表を見ると重たい欧州血統が並んでいます。私がこの馬を切ったのは、瞬発力勝負にはスピード不足で不向きだと考えたからでした。

しかし、実際はスタミナ底力勝負で抜け出してきました。

シンエンペラーの父方にあるピヴォータルの血統は日本にあっているようで、さすが矢作厩舎の馬でした。いずれにしても、この馬に最後のバテバテ勝負が向いたのは間違いありません。

 

4着は一番きつい競馬をしたサンライズアースが残りました。

この馬はいずれスタミナ勝負で開花するでしょう。

 

こんなに変化する展開を読めるわけもありませんね。

 

それにしても皐月賞除外からダービー馬とは…横山典さんはスゴイですねー。

 

競馬は本当に難しいですが、この奥深い面白さはたまりませんね。

馬券は外れましたが、来週は安田記念です。

また、頑張りましょう。