■日本酒と料理の相性を愉しむ…■ -11ページ目

■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【刈穂 超弩級 気魄の辛口 +25
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 秋田清酒(秋田県,大仙市,戸地谷)

特定名称ほか 山廃純米生原酒

原料米 秋田県産「美山錦」(精米歩合60%)

       秋田県産「秋の精」(精米歩合60%)

酸度 1.6 アミノ酸度 ?

日本酒 +25! アルコール度 19%

酒造年度 H21BY

猛暑続きに【弩級の辛口酒!】

 梅雨が明けたとたんに、日本列島全体が異常な程の暑さとなり、岐阜の多治見市では何と最高気温が3日連続で38℃を超え、東京でも週末の土曜にかけて4日連続で35℃を超える「猛暑日」となりました。

 さすがにこれだけ暑いと、もう普通のタイプの日本酒を呑む気分になれず、今週末はこんな過激なネーミングの一本を選んでみました。

 その名も何と【刈穂 超弩級 気魄の辛口 +25】です。


 これは、秋田の「刈穂」の蔵が、自社で培養した「アルコール耐性の強い酵母」を使って、極限までの発酵に挑んだ超弩級の辛口の山廃純米生原酒で、日本酒度は何と「プラス25!」と通常の日本酒の概念を超越したスペックとなっています。


 香りは、意外にもまずは「ウェハース」のような甘い焼き菓子の香りがほのかにあり、そこに「ハッカ飴」を想わせる香草系の香りが加わって、
「前半はほんのり甘く華やかで、後半はスーッとする清涼感のある香りといった印象です。

 口当りは軽やかで、最初は微かな甘味と透明感のある旨味も感じられますが、すぐに強めの酸に打ち消され、後半にはドライな苦味が口全体に広がります。

 後口のキレはかなり鋭く、余韻には舌がビリビリする程のドライさと、アルコールのフレーバーが強めに現れてきて、全体的には味わいのバランスが今ひとつといった感があります。

 コクは控えめで、ハードな切れ味を持った飲み口で、ややフラットに感じられるひたすらドライな味わい」の大辛口酒でした。


 以前に同じ「刈穂」の超辛口酒を呑んだ時に、あまりのドライさと余韻の苦味の為に、料理と合わせるのが非常に困難だった経験から、今回はこんな2品で挑戦してみました。
 まず最初のチャレンジャーは、エクストラドライなこのお酒に濃厚な旨味を加えるということで、

【グリュイエール・アルパージュです。

 「グリュイエール」はスイスのハード■【利き酒師世界一】のひとり言■ タイプチーズで、一般的には「エメンタール」と共に「チーズフォンデュ」に使うチーズとして有名ですが、今回購入したのは「アルパージュ」と呼ばれるもので、夏場にアルプスの高地で放牧し高山植物や青草を食べさせた牛のミルクで造られたチーズで、その希少性から通常の「グリュイエール」よりも値段が高めとなっています。

 古漬けのような醗酵臭があり、凝縮されたミルクの旨味とコクのある味わいで、余韻には程好い塩味もあります。

 早速合わせてみると、このチーズの濃厚な旨味と「弩辛口酒」のドライな苦味がぶつかり合って、両方がそれぞれ別の味?!へと変化してゆきます。

 決しての相性ではないのですが、かといって×とも言えない何とも不思議な組合せでした。

 
 続いてのチャレンジャーは、「弩辛」には「激辛」をということで、
 【沖縄島豆腐の激辛四川麻婆豆腐】です。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  「島豆腐」は、普通の豆腐よりも水分が少ない為に固くて崩れにくいのが特徴で、沖縄では炒め物の「チャンプルー」などに良く利用されています。

 この「激辛麻婆豆腐」は、通常のレシピで使う「豆板醤」「甜麺醤」に加えて「香辣醤」が入っていて、舌がヒリヒリとして島豆腐の味が判らなくなる程の激辛の味わいです。

 思わずビールが欲しくなる所をグッと堪えて「弩辛口酒」と合わせてみると、口の中でタイプの異なる激辛同士が激突し、何とも表現できない奇妙な味が新たに生まれてきます。

 料理もお酒も互いに負けず一歩も引かないといった印象で、こちらも相性が悪くはないのですが、はっきり美味しいとも言い切れない何となくもやもやした気分の残る組合せでした。

 さて、この「刈穂 山廃純米原酒+25」というお酒が、果たして「旨い酒」と言えるかどうかは意見の分かれる所だと思いますが、、日本酒全体の需要の低迷が続いている中で、こんな番外品の「面白い酒」を造り続ける蔵が、一つくらいはあってもいいのかも知れませんね…。

【花音(KANON) 活性にごり 純米生酒 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 永山本家酒造場(山口県,宇部市,車地)

特定名称ほか 純米生酒 活性にごり

原料米 非公開(精米歩合 非公開)

酸度 非公開 アミノ酸度 ?

日本酒度 非公開 アルコール度 8.0%

酒造年度 H21BY

■爽快!【夏のシュワシュワ酒】

 「海の日」を含めた3連休の初日の17日,気象庁から関東地方の梅雨明けが発表され、東京でも最高気温が32℃を超える暑さとなって、いよいよ夏本番へと突入しました。

 さてそんな夏のスタートに、乾杯用に選んだのがコレ、
 【花音(KANON) 活性にごり 純米生】です。


 これは「貴」で知られる山口県の永山本家酒造場が、「やまぐち桜酵母」を使って醸した微発泡の純米活性にごり酒で、ビール感覚で飲めるようにアルコール度数を8%に抑えていて、またお祝いのシーンでの乾杯用のお酒として使われることを意識して、シャンパン用の750ml瓶に詰められています。

 

 開栓する前に、30分間冷凍庫に入れて冷やしてから慎重に栓を抜いたのですが、「ポン!」という音と共に勢いよく栓が飛び出し、慌てて栓を押し付けながら瓶を斜めにして、何とか吹きこぼれるのを防ぐことが出来ました。

 香りは、「蜜の入ったふじリンゴ」を想わせる甘酸っぱい果実の香りや、「ヨーグルト」のような酸味のある乳製品の香りがあり、「ほんのり甘く爽やかで、ミルキーさも感じさせる香り」といった印象です

 口当りは爽快で、優しい甘味と清涼感のある酸,そして穏やかな旨味が、きめ細かな炭酸ガスの刺激と共に、口の中にキレイに広がってゆきます。

 苦味はほとんど無く後口はシャープで切れが良く、余韻には微発泡のシュワシュワ感と心地良い甘味が感じられます。

 コクやボリューム感も程好くあり、「爽やかな喉越しで、炭酸ガスの刺激を伴なった甘味が心地良く喉を潤してくれるお酒」でした。

 まずはオードブル感覚で、フレーバーが似ている
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 
【セル・シュール・シェール】からです。

 これは、フランスのロワール地方のシェーブルチーズで、ポプラの木炭の粉で表面が覆われています

 今回はまだ熟成が進んでいないフレッシュな状態のものを選び、チーズショップで半分にカットしてもらって購入してきました。

 シェーブル独特のややクセのあるミルキーなフレーバーで、中身はとても柔らかくて爽やかな酸味があり、余韻にはやや強めの塩味が感じられます。

 「花音」と合わせてみると、まずはこのお酒の持つ「ヨーグルト」のような香りとチーズのフレーバーがピッタリと同調し、そしてシェーブル特有の酸味と「花音」の微炭酸の刺激が、見事なハーモニーとなって、チョット驚くほどの完璧なマリアージュを見せてくれました。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては【真いわしのお造り】です。
 見るからに脂の乗った真いわしの刺身でしたが、生姜醤油で食べると口の中であっと言う間にとろけて、やや濃厚な旨味が舌の上に残ります。

 お酒と合わせてみると、これまでの経験から予想していた通り、真いわしの脂を「花音」の微発泡のガスがキレイに流していってくれます。

 お酒が「真いわしのお造り」の味わいを、より一層洗練させてゆくようなイメージで、実に「旨い」と思わせる組合せでした。


 ちなみにこの「花音 活性にごり」は、微発泡のシュワシュワとした心地良い刺激があってしかも低アルコールなので、料理と合わせながらグイグイと呑めてしまう為、つい短時間で一瓶を空けてしまいましたが、後から結構ボディーブローのように酔いが回ってきます。

 1日で呑み切ろうとしなくても、市販の「シャンパンセーバー」etc.を使えば、2日程度は冷蔵庫で保存できると思いますので、念の為…。

【まんさくの花 PREMIUM BLEND2010】

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 日の丸醸造(秋田県,横手市,増田町)

特定名称ほか 大吟醸規格の本醸造酒?

原料米 「山田錦」「雄町」「美山錦」「美郷錦」

       「亀の尾」「秋の精」「星あかり」「吟の精」

       「酒こまち」「日の丸」(精米歩合49.2%)

酸度 非公開 アミノ酸度 非公開

日本酒度 +2.74 アルコール度 16-17%

酒造年度 H21BY

【プレミアムブレンド】の酒

 参議院選挙を翌日に控えた7月2週目の土曜日は、強い日差しの影響で関東地方は気温が30℃を超える「真夏日」となり、群馬の館林では最高気温が34.9℃と、沖縄を抜いて全国で一番の暑さを記録しました。

 さて今週末の一本に選んだお酒は、
 【まんさくの花 PREMIUM BLEND2010です。

 これは秋田の日の丸醸造が、蔵内で10年近く熟成されている異なる仕込みの瓶貯蔵酒の中から、9号系酵母で醸した大吟醸酒純米大吟醸酒を選抜し、何度も調合試験を繰り返して完成させた「究極のブレンド酒」で、平均精米歩合は49.2%,使用米は「山田錦」(23%),「雄町」(5%),「美山錦」(13%),「美郷錦」(13%),「亀の尾」(5%),「秋の精」(5%),「星あかり」(5%),「吟の精」(13%),「酒こまち」(13%),「日の丸」(5%)と、何と10種類にものぼっています。(ちなみにカッコ内は使用比率です)


 香りは、「黄色りんご」のような果実の香りや、「サバランを想わせるお酒を使った洋菓子の香りがあり、「ほんのり甘く華やかで、上品さと透明感を感じさせる香り」といった印象です。

 口当りはまろやかで、優しい甘味と割としっかりとしたシャープな酸,そしてきめ細かな旨味が、蔵元による絶妙な調合によって滑らかに調和しています。

 多くの仕込みのお酒がブレンドされているとは思えない程まとまりのある味わいで、「シルキーな飲み口で、三味のバランスの取れた一体感のある優しい酒質のお酒」でした。
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 バランスの取れた味わいから、料理とは割と幅広く相性が良いと思わましたが、

 まずは【泉州水茄子の浅漬け】です。

 「水茄子」は大阪の泉州地方の特産品で、皮が薄くて果肉が柔かくジューシーなのが特徴で、今回はヘタを落として縦割りにした、食べ易いカットタイプの浅漬けを購入して来ました。

 冷蔵庫で冷やして味わってみると、フルーツのような食感で、茄子特有の風味と程好い塩味がお酒を誘います。

 すかさず「まんさくの花ブレンド」を流し込むと、このお酒の上品な甘味と水茄子漬けの塩味がキレイに調和し、両方の美味しさをそのまま持続させてくれます。

 お酒→水茄子→お酒と、いくらでも交互に繰り返していけるような、そんな美味しい組合せでした。


■【利き酒師世界一】のひとり言■ そしてもう一品は、 

 【山口産 白いかのお造り】です。
 「白いか」は、6月頃から夜の「漁り火」のもとで一本釣りされる「剣先いか」の山陰地方での呼び名で、「夏のいか」の代表格と言われています。

 甘味を引き出す為に醤油ではなく「焼き塩」につけて食べてみると、ややねっとりとした食感で、口の中で噛み締めるほどに甘味と旨味が増してきます。

 合わせてみると、まずは白いかの濃厚な旨味とこのお酒のまろやかな旨味が見事に同化して溶け合い、そしてお酒単体で呑んだ時よりも、「まんさくブレンド」がよりスッキリと洗練された味わいへと変化してゆきます。

 こちらもお酒がグイグイと進む、とても相性の良い組合せでした。


 ちなみにこの「まんさくの花ブレンド酒」は、2年前の「岩手内陸地震」による被害で蔵内冷蔵庫の貯蔵酒がバラバラになってしまった際に、割れずに残ったものをブレンドして「地震作」というネーミングで出荷したものが、そもそもの始まりなのだそうです。

 それにしても、酒米や酒造年度の異なる吟醸酒のブレンドが、こんなにも面白くてクォリティの高い味わいを生み出すとは…,またまた日本酒の新たな魅力を発見してしまいました。

【遊穂 山おろし純米 無濾過生 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 御祖酒造(石川県,鹿島市,中能登町)

特定名称 山廃純米 無濾過生酒

原料米 長野県産認定有機米「美山錦」(精米歩合60%)

酸度 2.1 アミノ酸度 ?

日本酒度 +4 アルコール度 15.5%

酒造年度 H21BY

加水生酒の【夏向けの食中酒】

 7月に入ってから、梅雨前線の影響で九州南部では局地的な豪雨による被害に見舞われていて、東京都内でも1時間に100ミリ以上の雨が降る、いわゆる「ゲリラ豪雨」による被害が発生しています。

 さて、先日WEBサイト上のSAKE SHOPからのメルマガをチェックしていて、興味を引かれて取り寄せたお酒がコレ、

 【遊穂 山おろし純米 無濾過生】です。


 これは、石川県の御姐(みおや)酒造から出された「遊穂」の新アイテムで、原料米にこだわりの「長野県産有機農法認定の美山錦」を100%使用しており、しかも蔵付き酵母を使った生もと造りによる無濾過生酒です。

 また「有機農法」=「自然を大切に」という意味を込めて、緑色のラベルが貼られた緑色のボトルに詰められています。


 香りは、「大福餅」を想わせる米菓子の香りや、「豆乳のような穀物由来の香りがあり、「ふくよかで丸く、やや厚みのある柔和で落ち着いた香り」が感じられます。

 口当りは柔かく、しっかりとした酸が明快に主張していますが、自然で穏やかな甘味やしっとりとした旨味とのバランスはちゃんと取れており、後口は割としっかりしていて、程好い酸と心地良い旨味の余韻が長めに続きます。

 コクやボリューム感も十分にあり「酸のメリハリの効いた飲み口で、舌に浸み渡ってゆくような余韻の旨味が特徴」のお酒でした。

 

 食中酒として、和洋中の様々な料理と幅広い相性をみせそうなお酒だと思われたので、あまり深く考えずにに目に付いた惣菜を買ってきてみました■【利き酒師世界一】のひとり言■
 まずは
【鱧の南蛮漬け】です。

 夏が季節の「はも」は、湯引きにして辛子酢味噌梅肉で和えても美味しいのですが、今回は衣を付けて揚げて南蛮酢に通した「南蛮漬け」を選んでみました。

 一部のタイプの日本酒は、「甘酢」を使った料理と合わせると、苦味を引き出してしまうことがあるのですが、「遊穂」と甘酢の相性は全く問題なく、ごく自然に調和しながら料理の味わいをそのまま活かしいってくれます。

 なるほど本当の「食中酒」とはこういうものなのか、と思わせてくれるような自然体の組合せでした。

 続いては、中華惣菜コーナーから選んできた

【白身魚団子のフカヒレ蟹餡かけ】です。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  これは、白身魚のすり身団子に、フカひれと蟹と野菜の入った塩味の餡をかけたものですが、料理のみを単体で食べると、やや塩味が強すぎるように感じられます。

 おもむろに「遊穂」と合わせてみると、このお酒の優しく自然な甘味で料理の餡の塩味がマスキングされて消えてゆき、かわり「遊穂」の明快な酸や木質のフレーバーが現れてきます。

 おそらく強めの塩味が影響したものと思われますが、お酒の持つ個性を料理が増幅させてくれるという、チョット不思議で面白い組合せでした。


 さて今回呑んだ「遊穂 山おろし純米」ですが、特筆すべきは夏の暑い時期に食中酒として愉しめるように、この蔵の初めての試みとして、生酒に加水してアルコール度数を15%台に下げたという点です。

 これまでに呑んだ「遊穂」はほとんどが「無濾過生原酒」で、アルール度数が17%~18%のものが多く、個人的には食中酒としては度数が高いように感じていたのですが、こんな風に酸がしっかりとしていて、なおかつアルコール度数を抑えた純米の生酒というものは、「夏の食中酒」としての一つの正解であるように思われます。

【白瀑 スパークリング山本 発泡にごり

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 山本合名(秋田県,山本郡,八峰町)

特定名称ほか 純米吟醸 薄にごり活性清酒

原料米 秋田県産「秋田酒こまち」(精米歩合55%)

酸度 1.8 アミノ酸度 ?

日本酒度 +13 アルコール度 16.1%

酒造年度 H21BY

梅雨時に【スパークリング酒】

 今年も早いもので既に一年の半分が過ぎようとしていますが、6月の終わりの関東地方は梅雨の真っ只中といった感じで、外に居るだけで身体がベトベトしてくるような蒸し暑い日々が続いています。

 こんなうっとうしい天気の日に選んだお酒がコレ、
【白瀑 スパークリング山本 発泡にごり】です。


 これは「白瀑」で知られる秋田の山本合名が、春先に搾った純米吟醸の薄にごりの新酒を、一度瓶詰めした後でシャンパーニュと同じ製法で「瓶内二次醗酵」させた「スパークリング日本酒」で、スペック的には日本酒度+13の超辛口に仕上げています。


 色調は霞みがかった「シャンパンゴールド」で、発泡の度合いは予想していたよりもおとなしく、割と簡単に開栓ができます。(冷蔵庫で保存中に炭酸ガスがやや抜けてしまったのかもしれません)

 香りは、「米のとぎ汁」のような旨味を感じさせる香りに、「乳酸菌飲料」を想わせる酸味を伴なった乳製品の香りが加わって、「ふくよかなお米の香りと共に、甘酸っぱさも感じさせる香り」といった印象です。

 口当りは爽やかで、ほんのりとした甘味とシャープな酸,そして透明感のある旨味がまずは広がりますが、その後すぐに明快で強めの苦味がアクセントとなって現れ、炭酸ガスの刺激と相まってドライな印象を与えてくれます。

 余韻にもほろ苦さが残って爽快感をもたらしていて、「キリリとした飲み口で、ほんのり甘いフレーバーを感じさせつつエクストラドライな味わい」のお酒でした。
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 今回はビールと同じような相性を予想して、定番の唐揚げとソーセージを用意してみました,まずは

 【手羽元のスパイシー揚げ】です。

 これは、鶏肉専門の惣菜売り場で購入してきたものなのですが、柔かくジューシーな鶏の手羽元を程よくスパイスの効いた衣で揚げてあって、まさにビールを誘うような味わいです。

 ビールの代わりに「スパークリング山本」をグイッと飲んでみましたが、、ややお酒の味わい方が上手となって唐揚げの味が消えてしまい、しかもこのお酒の個性である後半の苦味が、料理との相性をより一層難しくしてしまう面があり、残念ながらの組合せと言うことはできませんでした。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  気を取り直して今度はソーセージを試してみました。

 選んだのは【ヴァイスブルスト】です。
 これは柔かくフワッとした食感の白ソーセージで、ボイルしたてのアツアツの状態で、薄い皮をむいて粒マスタードをタップリ付けて食べるのが一般的な食べ方のようです。

 程よく塩味があってソフトな味わいですが、こちらは「スパークリング山本」の苦味を、ソーセージの塩味がある程度和らげてくれてまずまずの組合せとなり、酸味のある粒マスタードとの相性も特に問題はありませんでした。


 今回試した料理2品のみについてみると、相性的にはやはりビールに軍配が上がる結果となってしまいましたが、もしかしたらこの「スパークリング山本」は、しっかりと冷やしておいて食前酒としてお酒単体で愉しむのが、このお酒の個性をより引き出せる呑み方なのかもしれません。

 いずれにしても、活性タイプの日本酒の持つ苦味と料理の相性ということついては、もう少し色々なパターンの組合せを試して勉強してゆきたいと思っています。

【東洋美人 純米吟醸 611

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 澄川酒造場(山口県,萩市,大字中小川)

特定名称 純米吟醸酒

原料米 萩市大字中小川「611番地の山田錦」

  (精米歩合50%)

酸度 1.5 アミノ酸度 ?

日本酒度 +5 アルコール度 15.8%

酒造年度 H21BY

【番地シリーズの酒】第5弾

 今年は6月14日に、昨年より約1週間遅れて関東地方が「梅雨入り」となりましたが、その翌日から気温がぐんぐん上昇し、週の半ばの木曜には東京の最高気温が31℃を記録して今年一番の暑さとなりました。

 さて、こんな梅雨の晴れ間の週末に選んだお酒は、
【東洋美人 純米吟醸 611】です。


 これは山口県の澄川酒造場の蔵元の澄川氏が、自分が生まれ育った地元の田んぼの番地ごとの「山田錦」を100%使い、そのお米を50%まで磨き上げて醸している「番地シリーズのお酒」の第5弾で、新しい番地のお酒が出荷される度に、私も必ず購入して愉しんでいるお酒です。


 香りはやや強く、「熟したラ・フランス」を想わせる果実の香りや、「綿飴のような甘い菓子類の香りがあり、「上品さを伴なった華やかで甘い香り」が感じられます。

 口に含むと、やや艶のある甘味と輪郭のハッキリとした酸,そしてまろやかな旨味が優しく調和していて、後口には心やすらぐような甘味とややシャープな酸が感じられ、全体的にはスウィーティーな印象が広がってゆきます。

 コクやボリューム感も十分にあり、「芳醇かつシルキーな飲み口で、甘美なフレーバーを感じさせる優しい味わい」のお酒でした。


 これ迄呑んだ「番地シリーズ」のお酒と料理との相性の経験から、今回は「塩味」が強めの酒の肴を2品用意してみました。■【利き酒師世界一】のひとり言■
 まずは
【無着色たらこ】です。

 ご存知のように「たらこ」は「真子」(すけとうだらの卵巣)を塩漬けにしたもので、今回は日本屈指のたらこ加工地である、北海道の「虎枝浜」で加工したものを選んで購入してきました。

 独特の塩加減とプツプツとした舌触りで、思わず「おにぎりの具」にして食べたくなりますが、代わりに「611」を流し込んでみると、たらこの塩味とこのお酒の艶のある甘味が口の中で絶妙に溶け合って、そのまま幸せな時間が流れて行きます。

 思わずお酒がグイグイと進んでしまう、チョット危険でクセになりそうな組合せでした。 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては、「塩味」を意識したチーズの

【シャロップシャー・ブルー】です。
 これはイギリス産のブルーチーズなのですが、青かびタイプとしては珍しく鮮やかなオレンジ色をしています。

 さっそく食べてみると、ややねっとりとした食感で、「ロックフォール」etc.と比べると、青かびの刺激や塩味は比較的大人しく、後半の口どけはとても良くて、余韻にはやや濃厚な旨味が感じられます。

 合わせてみると、こちらは「611」の甘味がこのチーズの塩味を優しく包み込んで、そして旨味だけを口の中で継続させてくれるような印象で、おそらくこのチーズには、やや甘めの「ポートワイン」etc.も良く合うのではないかと思われました。


 さて、この「田んぼの番地シリーズ」のお酒ですが、番地毎にそれぞれ少しずつ異なる香味と共に、ユニークなラベルデザインも毎回の楽しみの一つとなっています。

 そして今回初めて知ったのですが、このラベルは実は蔵元の澄川氏自らが描いたものを使っているそうで、なるほど才能のある杜氏には「絵心」も備わっているものなんですね…。

【而今 純米吟醸 千本錦 火入れ】
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 木屋正酒造(三重県,名張市,本町)

特定名称ほか 純米吟醸酒

原料米 広島県産「千本錦」(精米歩合55%)

酸度 1.7 アミノ酸度 1.2

日本酒 -2 アルコール度 16%

酒造年度 H21BY

【千本錦】で醸した美酒

 私事で恐縮ですが、6月12日~14日まで2泊3日の日程で、仲間4人と共に韓国のソウルを訪れてきました。

 目的は「韓国グルメ」を極めることで、王道である「焼肉」からスタートして、3日間で9軒のお店を巡ってコリアンフードを満喫してきました。

 残念ながら飲食店のメニューに日本酒はほとんど見られず、我々も「マッコリ」「ソジュ」(韓国焼酎)「メッチュ」(韓国ビール)を呑んでいました。

 関税や輸送料etc.の問題で価格が日本の3倍近くになることもあって、庶民が利用する飲食店に日本酒が普及するにはまだ時間がかかりそうだなと感じました。

 前置きが長くなりましたが、日本に戻ってきて最初に選んだお酒は、
 【而今 純米吟醸 千本錦 火入れ】です。


 これは三重の木屋正酒造から6月中旬に出荷された、「而今」の今シーズンの純米吟醸の火入れバージョンの第2弾で、広島県産の酒造好適米「千本錦」を55%まで磨いて醸し、火入れ(おそらく「瓶火入れ」だと思われる)したもので、WEBサイト上のSAKE SHOPでは、「抽選販売」となってしまっている程人気のあるお酒です。

 香りのトーンはやや強く、「真っ赤に熟したスイカ」のような果実の香りや、「チュロスを想わせる甘い菓子類の香りがあり、「完熟した果実のような甘美でジューシーな香りが感じられます。 

 口に含むと、まずは艶やかで濃密な甘味が一気に広がり、そして活き活きとした刺激的な酸と膨らみのある旨味が、互いに個性を主張してせめぎ合いながらも、全体のバランスはちゃんと取れています。

 余韻は比較的長く、後口には心地よい甘味と共に舌の上に炭酸ガスの刺激が感じられます。

 ボリューム感も十分にあり、いつもながら「フルボディな飲み口で、濃密かつジューシーの極みといった感のある味わい」の「而今」でした。


 今回はこのお酒のダイナミックな味わいに消されないように、濃厚な旨味のある酒の肴を2品。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  まずは
【蒸し帆立貝】です。

 これは青森のむつ湾で水揚げされた帆立貝を現地で蒸してから直送したもので、帆立の貝柱はお造りで食べると独特の甘味と旨味がありますが、加熱することによって旨味がぐっと凝縮されます。
 口の中に帆立の旨味が広がったところで「而今」を合わせてみると、違和感は全く無いのですが、このお酒の圧倒的なパワーのある味わいで帆立の味が完全に包み込まれてしまい、辛うじて余韻に再び旨味が戻ってくるという程度で、これではお酒単体で呑んでいるのとあまり印象が変わりません。

 それならば、さらに凝縮した旨味で再チャレンジということで、
 【パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月熟成】です。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  これはイタリアを代表するハードタイプのチーズで、厳しい品質検査をクリアしたものだけが、この名を名乗ることができます。

 今回は24ヶ月熟成のものを購入してきましたが、ミルクを凝縮したようなコクのあるフレーバーで、チーズの表面にはアミノ成分の固まりである白い結晶が見られ、まさに旨味の固まりといった奥行きのある味わいです。

 おもむろにお酒と合わせてみると、「而今」の濃密な甘味と「パルミジャーノ」の濃厚な旨味ががっぷり四つに組み合って、口の中でやや複雑な美味しさが広がってゆきます。

 こちらは料理の個性がお酒に消されること無く、両方の味わいが楽しめる組み合わせでした。


 さて冒頭で述べたように、ソウルの飲食店には日本酒がほとんど無くて、キムチや唐辛子味噌を使ったコリアンフードと日本酒の相性を試すことが出来なかったので、今度は日本の焼肉店の中から、色々なタイプの日本酒を揃えている店を探し出して、一体どんな味わいのものが合うのかを、ぜひ試してみたいものだと思っています。

【ソガ ペールエフィス J1 Miyamanishiki】
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 小布施酒造(長野県,上高井郡,小布施町)

特定名称ほか 純米吟醸 湯煎瓶火入れ

原料米 長野県産「美山錦」(精米歩合59%)

酸度 2.3 アミノ酸度 ?

日本酒 +2 アルコール度 16%

酒造年度 H21BY

【ワイナリーの中】の地酒蔵

 6月に入ってから毎日晴れの日が続いており、梅雨前線も日本の南海上に停滞したままの状態なので、このままゆくと関東地方の梅雨入りは平年より遅れそうな気配です。

 さて、今週末はチョット変わったタイプの日本酒を選んで呑んでみました,その名も、
 【ソガ ペールエフィス J1 Miyamanishiki】です。


 これは、もともとは日本酒蔵として創業し、戦時中の米不足の時代にワイナリーに転換したという経緯を持つ、長野の「小布施ワイナリー」において、ブドウ畑が雪で閉ざされる厳冬期にのみ、日本酒造りの技術と伝統をスタッフに継承させてゆく為に、ある意味で採算を度外視して造られているというお酒です。

 まるでワインのようなラベルが貼られていて、しかもワインで使われる1500mlの「マグナムボトル」に入っています。


 香りのトーンは強めで、「アメリカンチェリー」を想わせるほのかに酸味のある甘い果実の香りや、「ユーカリオイルのような香草類の香りがあり、「甘くフルーティーで、フレッシュさも感じさせる香りといった印象です。

 口当りは強めで、艶のある甘味と明快でキレのある酸,そして舌にジワリと浸み込む旨味が、それぞれ高いレベルで主張し合いながらバランスを保っています。

 後口にはやや炭酸ガスの刺激が感じられ、ボリューム感もタップリとあり、「ダイナミックな飲み口で、芳醇かつ濃密な味わいのフルボディタイプのお酒」でした。

 このお酒のしっかりした酸に負けないことを意識して、こんな料理を選んでみました。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  まずは
【穴子のけんちん蒸しです。

 これは、崩した豆腐に山芋,ヒジキ,小海老etc.を混ぜたものを、穴子で巻いてから蒸した料理で、「みたらし団子」のような「あまから」のタレがかかっています

 「J1」と合わせてみると、口に入れた直後は、このお酒のボリューム感のある甘味が、料理に対してやや上手に感じられますが、あまからのタレとの相性は良く、そして余韻には再び穴子の香味が戻ってきます。

 濃密な味のタイプのお酒に料理を合わせる時は、味付けを「あまから」にすることが、どうやら一つのポイントとなるようです。

 ■【利き酒師世界一】のひとり言■
 続いては

 【エゾ鹿肉の赤ワイン煮】です。

 鹿肉が口の中でとろける位に柔かく煮込まれていて、クセが全く感じられず、コクのある赤ワインソースがお酒を誘います。

 すかさず「J1」を流し込むと、この料理の濃厚なソースと、お酒の濃醇な味わいが違和感なくマッチし、互いに相手を引き立て合うような美味しい組み合せでした。

 前々から感じていたのですが、ミディアム~フルボディタイプの赤ワインと、濃醇な原酒タイプの日本酒は、料理との相性において、互いに共通項を持っているように思われます。


 さて、このお酒の名前の「ペールエフィス」というフランス語は、直訳すると「父と子」という意味で、フランスワインのラベルには良く見られる言葉ですが、意味としては「父から子へと代々続く蔵(ワイナリー)」といったニュアンスで使われているようです。

 フランス人に日本酒の蔵元について説明をする時には、案外使える言葉かもしれませんね。

【五橋 純米生酒
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 酒井酒造(山口県,岩国市,中津町)

特定名称ほか 純米 生酒

原料米 トラタン村産「山田錦」(精米歩合60%)

酸度 1.6 アミノ酸度 1.5

日本酒 +2 アルコール度 15-16%

酒造年度 H21BY

【トラタン村産】のなまなま

 5月最後の日曜日は、日本列島に寒気が南下した影響で、東京では最低気温が12℃まで下がり、半袖姿ではやや肌寒さを感じるほどの涼しい一日となりました。

 さて、今週WEBサイト上のSAKE SHOPで、各蔵の「生酒」のラインナップをチェックしていて、呑んでみたくなって購入したのがコレ、
 【五橋 純米生酒】です。


 これは山口県酒井酒造が、地元で活動している「トラタン村」という名前の農家グループと共に契約栽培を行なった、「トラタン村産の山田錦」を100%使って醸した純米の本生酒です。 

 ちなみに「トラタン」とは、「とらぬタヌキの皮算用」ということわざを略した言葉で、大ぼらを吹きながら、いつの間にかそれを本当に実現する人のことをそう呼んでいるそうです。


 香りは、「サルビアの花の蜜」を想わせるほのかに甘い花の香りや、「剥いた直後の大根の皮のような菜類の香りがあり、「ほのかに華やかで、穏やかさも感じさせる香りが感じられます。

 口当りは滑らかで、スッキリとしたキレイな甘味と活き活きとした酸,そしてきめ細かなお米の旨味が口に広がります。

 全体のバランスも良く取れていて、余韻には程好い酸と滑らかな旨味があり、「やや軽やかな飲み口で、それでいて程好いコクもある柔らかく優しい味わいのお酒」でした。

 キリリと冷して呑む本生酒なので、酒の肴にも冷菜を選んでみました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■   ま
ずは【平目の昆布〆です。

 これは、平目に軽く塩を振ってから、お酒で戻した昆布に挟んで半日程度おいたもので、程好く熟成した平目に昆布の旨味がしっかりと移っていて、醤油を付けずにそのまま食べても充分に美味しさが味わえます。

 すかさず「五橋」と合わせてみると、このお酒の滑らかな旨味が昆布〆にした平目の旨味をより一層膨らませてくれて、両方の旨味が見事に同調してゆきます。

 平目は「薄造り」で淡白かつ繊細な味を愉しむのも良いのですが、こんな風に「昆布〆」にすることで、程好い旨味を持つタイプの日本酒との相性が、ぐっとアップするように感じられました。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いてはもう1品は、

 【3種トマトの南仏風マリネ】です。
 こちらは3種類のトマトライプオリーブを、「セミドライトマト」「アンチョビ」,そして「ハーブオイル」を使ったマリナードに漬けたもので、様々な酸味と甘味の組み合わせが楽しめる、目にも涼しげな「アンティパスト」です。

 「五橋」と合わせてみると、セミドライトマトの凝縮感のある甘味と酸味によって、このお酒の味わいがニュートラルになり、やや個性が消えてしまうような印象も受けますが、爽やかな香味をもたらすという点では、と言っても良い組み合わせでしょう。

 

 ちなみに今回呑んだ「五橋 生酒」のように、冬場に搾ってからその後一切火入れをしない「本生酒」は「生々(なまなま)」とも呼ばれ、冷蔵貯蔵設備クール便での流通がなかった昔の時代は、夏場には呑みたくても呑めなかったお酒です。

 そんなことを考えながらこの「なまなま」を呑んでいると、ますます美味しく感じられてきてしまいますね…。

【浦霞 純米生酒 
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 佐浦(宮城県,塩釜市,本町)

特定名称ほか 純米 生酒

原料米 宮城県産「まなむすめ」(精米歩合65%)

酸度 1.5 アミノ酸度 1.8

日本酒 +2 アルコール度 16-17%

酒造年度 H21BY

【夏生選酒権】連勝の生酒

 初夏の訪れと共に、地元の食品スーパーの日本酒売り場にも、定番商品の品揃えに加えて、各蔵から続々と出荷されてくる、「生酒」タイプのお酒が目立つようになってきました。

 今週末に、その中から選んで購入してきた1本が、

 【浦霞 純米生酒】です。


 これは「浦霞」で知られる宮城の佐浦の蔵が、冬に搾った純米酒を一切火入れせずに低温熟成し、毎年5月中旬頃に出荷する「本生酒」で、日本酒のボランタリー組織が毎年開催している「生酒」の試飲イベントである「夏生選酒権」において、2年連続で総合優勝を果たしているお酒です


 香りのトーンはやや強く、「甘夏」を想わせる果実の香りや、「スペアミントのタブレット菓子のような清涼感のある香りがあり、「ほんのり華やかで、瑞々しさを感じさせる香りといった印象です。

 口当りはスムースで、まずは滑らかで自然な甘味が口に広がり、そしてフレッシュ感のある酸やマイルドな旨味と共に、全体の味わいのバランスがとてもうまく取れています。

 コクやボリューム感も程好くあり、「喉越しの良い滑らかな飲み口で、後口にキレのある清涼感のある味わい」のお酒でした。 


 今回はこのお酒の味わいを活かす為に、こんな中華の冷菜を2品選んでみました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  まずは
【黒酢入り春雨サラダです。

 これは、春雨に千切りのきゅうり,人参,キクラゲ,ハム,錦糸卵をトッピングした冷し中華風のサラダで、醤油ベースの黒酢のタレがかかっています。

 良く混ぜて食べてみると、黒酢の程好い酸味にゴマ油の風味と唐辛子のピリ辛味がアクセントとなって、実にサッパリした味わいです。

 「浦霞」と合わせてみると、黒酢の酸味の効果で口の中で生酒の清涼感がグンと増し、その一方で僅かに苦味も出てきますが、それが逆に爽やかさを感じさせてくれます。

 どうやら黒酢を使った料理とスッキリとした生酒タイプのお酒とは、相性が良いようです。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては【蒸し鶏の葱塩タレ
です。
 これはもも肉の蒸し鶏に、コクのある塩タレ刻み葱をタップリとかけた冷菜で、鼻を近づけると葱独特のフレーバーが強く感じられ(葱が苦手な人には最悪な香りだと思いますが)、塩タレによって割とアッサリとした味に仕上がっています。

 お酒と合わせてみると、この料理のやや淡白な味わいを、「浦霞 純米生酒」というソースがまず一度包み込んでから、その後料理にやや複雑性を与えてくれる様な印象で、チョット面白さを感じさせる組み合せでした。

 

 ちなみに「(本)生酒」とは、「火入れ」を一切行わないタイプの日本酒の総称で、一口に生酒と言っても「本醸造の生酒」や「純米の生酒」から「大吟醸の生酒」まで香味は様々で、また「加水した生酒」と「加水しない生原酒」とがあり、さらには「にごり酒タイプの生酒」などもあります。

 これから夏場に向け、出来るだけ色々なタイプの「生酒」を愉しみたいものだと思っています。