このお酒のデータは…
●蔵元 加藤吉平商店(福井県・鯖江市)
●特定名称 純米大吟醸酒
●原料米 「山田錦」(精米歩合40%)
●酸度 1.80
●アミノ酸度 ?
●日本酒度 +2
●アルコール度 18.0%
●酒造年度 ?
うなぎと【にごり酒】で
夏バテを防止?!
関東地方では梅雨明け以降連日の猛暑が続いており、暑さに負けてやや夏バテ気味の人も、周囲には見られるようになってきました。
さて、今年は7月24日が「土用の丑」の日に当たり、勤務先のお店でもお昼の食事メニューとして、「うな丼とそばセット」を、夏バテ防止効果をアピールして販売しましたが、そもそも「土用の丑」の日にうなぎを食べるという習慣は、江戸時代から始まったということで、今ではすっかり夏の習慣として定着しています。
そしてもう一つ夏の風物詩として、江戸時代には「甘酒売り」が出回ったそうで、俳句でも「甘酒」は夏の季語となっていますが、これは甘酒に各種のビタミン等の栄養分が豊富に含まれていて、暑さで食欲が無くなる時期に、甘酒を飲んで栄養分を補給し夏を乗り切ろうとしたことによるものです。
とは言え、さすがに仕事を終えて疲れて帰った夜に、ノンアルコールの「甘酒」を飲む気分にはなれないので、甘酒同様に麹の働きによって各種の栄養分が豊富に含まれている「にごり酒」を、甘酒の代わりに呑み、そして「うなぎの蒲焼き」を食べて夏バテを乗り切ることとしました。
そして今回選んだにごり酒がコレ、
【梵 夏越しの酒 活性生原酒】です。
このお酒は、今年の初めに搾られた「活性にごり酒」を、蔵でマイナス10℃以下で氷温熟成させて夏場に向けて出荷されたものですが、兵庫県産の山田錦を40%まで磨いた、ハイスペックの純米大吟醸酒を「活性にごり酒」にしてしまったという、チョット珍しい存在です。
香りはスモモのような甘酸っぱさを想わせる爽やかな香り,味わいはほんのりとした甘味とフレッシュ感を伴った酸味が特徴のややミルキーな味わいで、炭酸ガスの刺激が舌の上に心地よく残る爽やかな飲み口のお酒です。
そして早速、「甘酒」ならぬ「活性にごり酒」と、
【うなぎの蒲焼き】の組み合わせを、江戸時代に思いをはせて試してみましたが、残念ながらあまり良い組み合わせとは言えませんでした。
もちろん「甘酒」と一緒に呑んだわけではないので、江戸時代の忠実な再現とはなっていないのですが、両者は反発することは無いのですが、このお酒が持つ「爽やかさ」という個性とうなぎの蒲焼きの持つ「濃厚な旨さ」という個性が、口の中で溶け合わずに平行線をたどってしまいました。
とはいえ利き酒師としては、この「梵 活性生原酒」を夏の酒として美味しく呑む方法を探る責任があるので、様々な呑み方と料理との組み合わせにチャレンジしてみました。
まず提供温度は「雪冷え」と呼ばれる5℃位かそれ以下がベストで、5℃と言ってピンとこなけらば、冷蔵状態のお酒を、家庭用冷蔵庫の冷凍庫に30分位入れた後に呑むのが美味しい温度帯です。
また合わせる料理は、お酒の爽やかな味わいと反発させない為に、酸味の効いた淡白な味わいのものが良く、具体的には【サバのきずし】etc.が良い相性を見せてくれました。
ちなみにその夜のうちに、赤ワインや焼酎を含めて、色々なお酒と「うなぎの蒲焼き」の相性を試してみましたが、私的には一番相性の良かったのはやはり「良く冷えたビール」でした。
当然のことですが、江戸時代には「良く冷えたビール」なんてものは存在しなかったわけで、もし当時の「江戸っ子」がこの組み合わせに出会えていたなら、日本のお酒の歴史は変わっていたかも知れないなあと、酔いの回ってきた頭でぼんやりと思いをめぐらせた一夜でした…。