今回ご紹介するのは「株式会社美少年」の日本酒です。
酒蔵には以下のような複雑な変遷があります。
1752年に細川重賢公より命を受け、現在の熊本市南区城南町で酒造りを始め、1879年に「緒方酒造場」設立。
2代目が設立した「南薫酒造株式会社」の時代、1920年に「美少年」の銘柄の日本酒を発売。
酒蔵は最初からすると300年近く、「美少年」の銘柄も100年の歴史があります。
1950年に「美少年酒造株式会社」に社名変更。
2008年に米販売会社「三笠フーズ」が非食用の米を転売していた事故米不正転売事件があり、それに伴う「美少年酒造株式会社」の裏金受領（事故米を酒米として安く仕入れ、差額を社長が受け取っていた）の不祥事があり、2009年に倒産。
熊本から世界展開する「味千ラーメン」で有名な「重光産業」などの支援を受け、「火の国酒造株式会社」として再起。
「火の国酒造株式会社」は2013年に「株式会社美少年」に酒造事業譲渡。
不祥事も絡む黒歴史のある日本酒ですが、現在の酒造りに携わる方々やできあがった日本酒には罪はありません。
純米吟醸 美少年 劍門
山田錦（精米歩合60％）
アルコール度15%
720ml
￥1810
「美少年」の銘柄は、唐の三大詩人とされる杜甫が、8人の酒豪について詠った「飲中八仙歌」の一節「宗之瀟洒美少年（宗之はあか抜けている美男子）」に由来しています。
販売: 福岡県博多区
加工所: 熊本県菊池市
製造所: 福岡県うきは市
と色々と販売まで至る現在の過程もなかなか複雑なことになっているようです。
（映画「劇場版 銀河鉄道999」(’79)より）
しかし、何と言っても「美少年」は、アルカディア号の設計者でもある大山トチロー愛飲の日本酒のため「銀河鉄道999」や「宇宙海賊キャプテンハーロック」に登場する、宇宙に販売展開する宇宙一有名な日本酒です 
松本零士先生は実際には「美少年」という銘柄の日本酒が存在することは知らなかったようで、事後に社長に連絡を取って使用許可を得たそうです。
2016年には、松本零士先生がラベルのデザインを手がけ、「宇宙海賊キャプテンハーロック」のイラストを用いた日本酒も発売しています。
店頭にはそのハーロックのラベルのお酒もありましたが、とりあえずアニメに登場の際のラベルと同様に「美少年」の文字の主張が強い今回の日本酒を購入しました。
爽やかでフルーティーな香り。
甘めだけどスッキリしており、わずかに苦味と酸味が残ります。
宇宙の荒くれ者の男が飲むには優しすぎです。
今回は純米吟醸ですが、宇宙の辺境や戦闘中の温度管理などは大変そうですので、彼らが飲んでた「美少年」は純米吟醸ではないのでしょうね。
昨年2023年にお亡くなりになられた松本零士先生を偲び、天国の先生, 宇宙のハーロックやトチローと酌み交わすのを想像しながら呑みましょう。 
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