JA9-2580さんのブログ「がさがさレコード日記」の記事「洗いなおしたレコード」を見て、アナログ盤洗ったり、ボンドパックもやったよなと思い出しました。
「テクノじかけの俺ん家」という以前にやっていたブログで、「アナログ盤のボンドパックをやってみた」というネタをやったのを思い出しての掘り起こし再アップです。
’09.11.13の記事です。
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● 元があれだからパックなんかしても無駄とか嫁には言わない(アナログ盤木工用ボンドパックの巻)
先日の安物買い日記で取り上げたZoë「Sunshine on a Rainy Day」(’90)のプチノイズが余りにもひどすぎるため、どうにかならないものかと荒療治?をやってみることにしました。
ネットでもアナログ盤クリーニング法としてたまに取り上げられている「木工用ボンドによるパック」です。
以前より一度はやってみて効果のほどを確認してみたかったので良い機会です。
¥100均にも売ってあるかとは思いますが、品質に一抹の不安もありましたので、一般の店で木工用ボンドを購入しました。
処置前も一見すると盤面には大きなキズも無く、比較的きれいなのですが、再生するとプチプチプチプチとそれはそれは酷いノイズが出ます。
いよいよボンド・パックですが、ボンドの量をケチって薄く塗ると、剥離する際にちぎれて盤面に残ることがあると言われているので、なるべく厚めに塗ります。
厚めに塗ると意外に量が必要です。
12インチ盤の片面でボンドのボトルの3/5~4/5ほどを使用してしまいました。
定規を使用してある程度均一に延ばしたつもりですが、多少のムラはしょうがないでしょう。(と言うことにしておきます)
このまま乾燥を待ちます。
乾燥すると塗ったボンドがほぼ透明化します。
塗ったボンドの厚さや、室内の温度や湿度に影響を受けると思いますので、乾燥までの時間は様々だと思いますが、今回は8時間ほど要しました。
剥離の際には盤面にボンドが残らないように上手に剥げるだろうかと緊張しましたが、とっかかりさえできれば意外に面白いように連続して剥げ、キレイなボンドの膜が取れます。
これに針を乗せると音らしきものが出るらしいです。
盤面の凹凸が転写されていますので、理屈を考えればごもっともです。
いよいよボンド・パック処理後の再生です。
...が、聴いてみても処理の前後で大きな変化は無く、プチプチプチプチとそれは見事なもんです。
波形ソフトで視覚化してみましたが、変化が無いのが一目瞭然です。
上段が木工用ボンドパック後、下段がパック前です。
多発しているスパイク状の波形(赤矢印)がプチノイズなのですが、どちらが処理後なのか前なのか全く分からないぐらいの変わらなさっぷりは素晴らしいです。
こんなのが0.1秒間にこれだけ入ってればたまったものではありません。
「ボンド・パック、効果あり!」とするサイトも多いのですが、少なくとも今回に限っては全く効果無しと言うところです。
今回ほとんどボンド・パックの効果を認めなかった原因としては以下を考えました。
1)溝の間にボンドがきれいに入らなかった。
2)ボンドメーカーにより粘着性の差があり、今回使用したメーカーでは埃が取れにくい。
3)そもそもノイズが埃ではなく小キズの影響である。
1)は、サイトによって「溝の間にきれいにボンドが入らないと溝内の埃が取れにくい」「エア抜きをしっかり」と記載している所があります。
今回は乾燥したボンドを剥ぐ際にちぎれて盤面に残らないようにある程度厚めに塗ると言う点に気を使った程度で、エア抜きには全く気を使いませんでした。
ただ、「効果あり」とする大部分のサイトでもそれほど気を使ってボンドを塗布している訳ではないようですが。
2)に関しては、品質を心配して念のため¥100均のボンドは避けて一般的と思われる無難なボンドを使用したつもりですが、メーカによる多少の差が生じる可能性は否定できないと思います。
また、メーカーにより成分の粒子?の大きさが異なり、溝内への深達性に差が生じることがあるとすれば、1)にも関係すると思われます。
3)も盤面を見ると微細なキズが入っているため否定は出来ないのですが、これも経験上この程度のキズではこんなにノイズは乗らないと思うのですが...。
今回は、個人的名曲の12インチ盤復活をかけ、以前より大変興味のあった「木工用ボンドによるアナログ盤パック」に挑戦してみましたが、非常に残念な結果に終わってしまいました。
ボンドのメーカーを変えて再度挑戦の意義も多少あるかとは思いますが、個人的には結構面倒臭いのでやる気を失いました。
多くのサイトでは効果ありとなっているので、ご興味おありの方は一度試して効果のほどをご自身で確認されると良いかと思います。
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というネタだったのですが、その後の再検証は行なっていません。
JA9-2580さんは、その後にボンドパックも実行されたようで、こちらは結果はよろしかったようです。
ちなみに、私がボンドパックに使用したのは以下の盤です。
Zoë「Sunshine on a Rainy Day」(’90)
私が元々聴いていた好きなバージョンは'91の7”バージョンなのですが、今回の対象の盤が真のデビュー盤である'90バージョン(のExtended version)と思われます。
'90バージョンは余りヒットしなかった(英53位)ようですが、'91に焼き直し再リリースしてヒット(英4位)させています。
’90バージョンは’91バージョンに比べ、爽やかさ↓、まったり感↑なミックスになっています。
プロデュースはYouthです。
Sunshine on a Rainy Day (Original 1990 version)
Sunshine on a Rainy Day (Original 1991 version)