前回に引き続き、仕掛け、糸の強度テストです

今回のテスト内容は…
製品別強度比較テスト!

そして、比較するのは私が好んで使う次の3種類です。


①クレハ シーガーグランドマックス 1.5号
②サンライン トルネード松田スペシャル ブラックストリーム 1.5号
③東レ トヨフロン スーパーLハード 1.5号

いずれも1.5号、公称する標準線径は0.205mmです。


まず、各ラインの簡単なご紹介です。

メーカー自ら標準結節強力を公表する、巷でも最強と謳われる名門ハリス
クレハといえばフロロ、フロロといえばクレハ!
フロロカーボン供給元としても名高いクレハの、最上級ラインのひとつ、シーガーグランドマックスです。


 

 

鬼才こと松田稔 氏のアイデアをカタチにした!

評価の高さから、フカセのハリスのみならず、最近はルアーのリーダーでも信頼を集めています。

伝統と信頼の黒潮カラー、最新技術、プラズマライズを施されたサンラインの大人気シリーズです。



 

どこでも買えるのは人気の証!

先の2銘柄より一回りお安いものの、値段の違いはサービスの違いです。

特許製法の耐摩耗性で、初心者から上級者まで安心のベーシックフロロライン。

私が愛してやまないLハードです。



また、今回は予備情報を含め以下の測定も行います。
・ライン重量
・ライン線径
・ライン強度(結束強度)

公称数値は正しいのか?
ブランドごとで差は出るのか?

まずは
ライン重量から測定していきます。




それぞれ、25cmカット、5本合わせての重量測定です。

 

電子天秤の測定下限に近いところでの比較です。

アマゾンで¥2890の格安電子天秤で、信頼性は低いですが、繰り返しの測定から、おそらくLハードが若干重いようです。

※実際には1割も重量差は無いと思います。


◯使用した測定機器

(付属の分銅で校正後、使用)

 


次は線径測定。




いずれも公称する、標準線径0.205mmに違いは無く、手元のノギスでは0.20となるか、0.21となるかの差となりました。

こちらも、繰り返し測定を行ってみると、おそらくLハードが若干ながら太いようです。
グランドマックスとブラックストリームには差はないようです。
ラインの硬さも硬いので、測定誤差は考えられますが、Lハードの方が細いということは無いのではないでしょうか。


◯使用した測定機器 
さて、一番気になるのが引張強度です。

先述の通り、シーガーシリーズでは標準結束強力の表示があります。
その、公称する数値はシーガーグランドマックス 1.5号で2.55kgです。
テスト結果はいかがでしょうか?

(表中の単位:kg)

◯測定条件
・両側チチワにて、結束、固定。
・ゆっくり垂直に引き上げ、破断した強度を5回分記録。
・明らかな結束ミスはなかったため、測定値の除外無し。

今回のテストでは、シーガーグランドマックスは平均破断強度で2.71kgとなりました。
最低で2.25kg,最大で3.33kgと、結束の精度のせいかばらつきが大きくなりましたが、平均すると公称する2.55は上回る数値となりました。

対して、ブラックストリームは安定した強度で平均2.56kg。
Lハードは一度だけ2.46kgという数値となりましたが、2.8kgに迫る平均値となりました。

私の感覚的に、Lハードは強いと感じていましたが、やはり、その感覚は確からしいと言う結果となりました。

また、3kgを超える測定結果も含まれていました。
いずれもチチワの根本で破断しており、製品のばらつきよりも結束のばらつきによるものと感じました。
ハリスの良し悪しを考える前に、安定して良い結束を実現することが、仕掛け強度アップに直結します。

◯使用した測定機器
ハリスの選定は引張強度だけでなく、しなやかさや水なじみ、水中での見えにくさ(、値段)など、様々な要因を抑えて比較する必要があります。

なお、ブラックストリームに施されたプラズマライズ処理は耐摩耗性の向上を狙った処理のようです。
今度は、耐摩耗性の試験もしてみたいですね。
(どんな条件設定にしようかな?)

ハリス選定の参考になるデータとなると嬉しいです。


その他、強度比較シリーズ