Timeless place / EATHERLY | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Timeless place/EATHERLY

 

1. clang!clang!

2. Timeless place

 

2012年にリリースされたEATHERLYによる3rdシングル。

 

Vo.守、Gt.駿人、Ba.健二の3人編成で、2009年から2012年まで活動していた彼ら。

駿人さんは、後にしかバンビに加入。

守さん、健二さんは、Ⅸ -NINE-を結成します。

本作は、サポートドラムに、ギャロのカエデさんを迎えて制作された作品。

事実上のラストシングルとなりました。

 

サイバー色の強いインストチューン「clang!clang!」と、表題曲である「Timeless place」を収録。

歌詞カードは付属していますが、作詞・作曲等のクレジットは明記されていません。

「Timeless place」を聴く限り、キラキラ系バンドのアプローチで硬派なミクスチャーを展開しようとしていたのかな。

シャウトでの掛け合いはソリッドに、サビで開ける部分はポップネスを強めて。

面白いのは、サビ終わりのフレーズだろうな、と思って聴いていた歌い尻から、そのままふたつめのサビに突入するイメージで、シームレスに繋がっていく展開。

ポップな印象が、ロックスタイルにガラっと変貌していきます。

 

また、それに加えて、今度は楽曲が終わったと思いきや、またも雰囲気が異なるCメロが挿入。

この時点では、同じ曲が続いているのか、シークレットトラックが差し込まれたのか判別不能なほどに強引な展開ではあるのですけれど、1曲の中でコロコロと表情を変えて行くプログレ志向がどこかにあったのだろうな、と妙に納得してしまいますね。

音楽性としてはまったく別物ではあるものの、コズミックな音色と、複雑な構成。

このあたりの要素は、Ⅸ -NINE-に繋がっていると言えなくもないか。

 

守さんは、シャウトの迫力やミドルキーでの表現力に課題あり。

一方で、ハイトーンに強いタイプだとお見受けするので、歌モノのほうが得意そうかな、と。

本作単体では惜しい部分が目立ってしまいましたが、押し出す部分によっては化けそうな予感は感じられた1枚です。