硝子ノ縋憶/Misanthrope
1. 硝子ノ縋憶
Misanthropeによる、結成2周年記念シングル。
西九条ブランニューと池袋手刀にて開催された単独公演「硝子ノ縋憶ト輪廻ル疵痕」にて限定販売。
ジャケットには日付と会場名もプリントされていて、それぞれ赤、青と色味も異なっています。
収録されたのは「硝子ノ縋憶」。
同時にリリースされた3rdシングル「硝子ノ縋憶ト輪廻ル疵痕」の事実上の表題曲と捉えられるのですが、こちらには未収録。
2枚揃えることで作品の世界観が完成するギミックとなっていました。
Vo.二人静さんが作詞、Gt.摎邪さんが作曲を担当。
このコンビであれば、当然、コテコテ、ツタツタなダークチューンで攻め込むだろうと予想していたのですが、イントロのギターを聴いた時点で、なんだか違うぞと。
コーラス系のエフェクトを噛ませた哀愁のフレーズと、シンセによる耽美な装飾。
切なさを募らせるミディアム調のメロディアスナンバーに仕上げていて、白系要素を強めているのですよ。
前進バンドであるCrucifixionでも見られたタイプの楽曲ではあり、もともと相応に器用さを持ち合わせている彼ら。
懐古主義的な様式美は守りつつ、脱・Madeth gray'llと言えるサウンドアプローチの引き出しはまだまだあるだけに、いよいよそれをMisanthropeでもやってくれるのかと期待感が高まりますね。
Madeth gray'llに寄せて注目を集める最初のフェーズは2周年をもって完了といったところ。
新たなフェーズへ向かう方向性は「硝子ノ縋憶ト輪廻ル疵痕」とも連動しているので、併せて聴きたい1枚です。
<過去のMisanthropeに関するレビュー>