OVER/東京インフェルノ
1. OVER
TRIP/東京インフェルノ
1. TRIP
2曲同時にリリースされた、東京インフェルノのデジタルシングル。
"和風トランス"を提唱する彼ら。
メンバーにマニュピレーターを擁して、バンドサウンドに本格トランスを持ち込んで、ダンスロックの進化系を模索しています。
久しぶりのリリースとなった2曲は、更に精度を高めて、サイバー色を強めた形。
その分、和風要素は控えめになった感もありますが、メロディアスでキャッチーなサビなどはJ-POP的な歌謡要素が強く、世界規模で見たら和風と言えるのかもしれません。
「OVER」は、メッセージソング。
ユニゾンをしたり、掛け合いをしたり、というツインヴォーカルを活かしつつ、全体的にはキャッチーに仕上げており、聴きやすいナンバーになったのでは。
サビのインパクトに全振りしたようなパワーを持っていて、間違いなくシングル向き。
前作「COSMIC METEOR」では、Vo.龍炎寺烈火さんがメインパート、Vo.火々さんがデスヴォイスでのシャウトという大まかな役割分担になっていたのですが、この楽曲では、どちらもメインパートに噛み込んでいる印象。
艶やかで、どこかオペラティックでもある火々さんのヴォーカリゼーションも、彼らの武器になっていきそうです。
同時リリースとなった「TRIP」は、更にツインヴォーカルの融合を試みています。
トランス色も、ヘヴィネスも、サビのキャッチーさまでも増強された気がするダンスチューン。
烈火さんと火々さんの歌い分けが、良い意味で曖昧に。
どちらも有機的に役割をスイッチしていくので、次の展開が予測しにくくなっていました。
特に火々さんの主張が強まったというか、ヴィジュアル系的な歌い癖を隠さなくなったのが奏功して、大きなフックになっている。
演出過剰気味なスタイルが、和の要素を強めたときに本領発揮しそうだな、なんて推論もでき、まだまだ伸びしろはあるでしょう。
細分化した音楽業界、実はここまで明確にキャッチーさを放っているバンドというのも貴重。
固めて世に出したことで、印象付けにも成功していますね。
<過去の東京インフェルノに関するレビュー>