RE:BIDO/unknown:RE
1. harmful story
2. still drown
3. snow flakes
大阪を拠点に活動中のunknown:REにとって、現体制初となるシングル。
ex-Distray、ex-アギトのBa.寺岡利幸さんを中心に結成。
ex-logiqのGt.marhiさん、RENAMEのGt.中西信剛さん、四代目ZEEDのDr.noyさんと、関西シーンを盛り上げていたバンドのオールスターズといったメンバーに、ZephyrのVo.Caimeさんが加わって、2019年より現体制になっています。
ゆったりとした活動ペースではありますが、着実に進化を遂げ、満を持して待望のCDが完成。
待たされただけに、もっと聴きたいという気持ちもありますが、想像以上のクオリティであるのは確かでしょう。
口火を切る「harmful story」は、正攻法のビートロックに、ほんのりニューウェーブを想起させるデジタルサウンドで味付けをした疾走チューン。
さすが、酸いも甘いも知り尽くしたメンバーたちといったところで、痒い所に手が届くツインギターのコンビネーションをはじめ、突っ込むところは突っ込む激しさと、繊細さなフレーズも大事にして切なさを駆り立てるバランス感覚が絶妙です。
Caimeさんのエモーショナルなヴォーカリゼーションもハマっていて、儚さ、危うさを表現しつつも、パワー不足に陥ることなく、衝動性を示しいていました。
「still drown」は、センスの良さを感じさせる雰囲気モノ。
引き算の美学といったところで、重さ、激しさで主張を強めすぎず、淡々と職人的なプレイに徹している印象です。
ただし、その緊張感が、音の鳴っていない部分に想像力を働かせる余地を与えていて、気が付くと大きな渦に飲み込まれているような感覚。
徐々にドラマティックな展開になっていくのもたまりません。
最後に持って来た「snow flakes」は、エモーショナルな演奏と、歌メロの良さの良いところ取りをしたメロディアスナンバー。
Caimeさんが歌うからには、中性的な歌声を活かす切ない白系ソングが聴きたかった。
そんな欲求を真正面から受け止めて、期待以上の真っ白さで投げ返してくれましたね。
ひたすら切なさを炸裂させ、余韻を残して美麗なラストシーンを飾っています。
この世代の同窓会的なバンドは、骨太なメタル/ラウドの路線に走ることが多い印象だったのですが、ここまで白系ヴィジュアル系の王道で勝負してくれるとは。
購入経路が限定的なのがもったいないと思ってしまうほど、嬉しい誤算ですよ。
Matinaの白系バンド代表だったZephyrの面影もあり、届くべきリスナーに届いてほしい１枚。