夜叉/岡崎
1. 夜叉
岡崎商店にて 「NO VISUAL, NO LIFE〜CARPE DIEM〜」 を購入すると特典として付属されるシングルCDR。
「NO VISUAL, NO LIFE」シリーズにおいては、もはやレギュラー的ポジションの岡崎さん。
在籍しているわたぬきではあまり見ることができないダークで耽美な世界観とロック色を強めた音楽性に、固定ファンを増やしつつある中、リリース予定のアルバムに先駆けてのオムニバス参加となりました。
本作は特典CDRの位置づけですが、赤、青ときて、緑のシールがジャケットと歌詞カードを包含するデザインはシリーズものだからこその統一感があり、揃えて集めたくなります。
収録されたのは、「夜叉」。
横溝正史による代表作「八つ墓村」の登場人物、田治見要蔵がモチーフになっているのでしょう。
金田一耕助シリーズに造詣が深いのは認識していただけに、遂に来たかといったところ。
頭に懐中電灯を2本巻き付けたヴィジュアルのインパクトは、盤面に記載されたイラストを見るだけでも理解できるのでは。
いざ耳にしてみると、背景からも想像できるダークな世界観を重視したハードチューン。
艶のある岡崎さんの歌声ですが、狂気性や悲観視に特化して用いることで、なかなかどうして迫力が出るものですね。
淡々と歌い上げている部分においても、内から湧き出る感情によって不気味に響くほど。
メロディアスな要素はしっかり残しつつ、ザクザクと切り込む攻撃的なギターをはじめ、本編とはまた違った岡崎さんの魅力を堪能できました。
本編と特典でクオリティに差がない打率の高さは相変わらず。
なんでもかんでも自身でこなしてしまうマルチっぷりも含めて、圧巻の1枚です。
<過去の岡崎に関するレビュー>