せんだいっ!!/ネオグラフ
1. せんだいっ!!
ヒカリのページェント/ネオグラフ
1. ヒカリのページェント
令和最初の仙台系、ネオグラフにより連続で届けられたデジタルシングル。
12月にリリースされた「せんだいっ!!」、1月にリリースされた「ヒカリのページェント」と、急に地元密着型になった印象を与えるタイトルが続くのですが、前者については完全にブラフ。
アルファベットでは、"send die."と表記されていて、"純粋な死を届ける"という意味が忍ばせてあります。
負の妄想を、情報量の多いサウンドとリリックで畳みかけるスタイルは、再開後の彼らの味わいであるボカロ的なアプローチが強く出ていると言えるでしょう。
それに加えて、インパクトの大きい、少なくとも仙台に縁のあるリスナーには一度聴いてみようと思わせるタイトルは、"歌ってみた"の一環として終わらせない一工夫となっていて、効果的だったな、と。
ボカロだからこそ要求できるハイトーンなサビメロを、Vo.颯さんがしっかり歌い上げているのも圧巻ですね。
「ヒカリのページェント」は、デジタルシングルとしてのリリースこそ年明けとなりましたが、リリックビデオはクリスマスから公開されていた楽曲。
こちらは、正真正銘、定禅寺通りで12月に行われる"光のページェント"をテーマにしたナンバーになっていました。
たくさんの光の中、しんしんと雪が降り積もる情景は、賑やかなクリスマスの騒音も掻き消してしまうほど静けさを感じさせるもので。
バンドサウンドではなく、鍵盤やストリングス系のシンセで構築されたトラックは、そんな幻想的な世界を端的に表現しているようです。
世界観特化型の楽曲をシングルで切ってきたのは意外でもありますが、季節モノとしては、ここしかないタイミング。
連続リリースだからこそ、こういう方法論も可能になったのでは。
激しくアッパーに攻める「せんだいっ!!」と、しっとりと切なさを駆り立てる「ヒカリのページェント」。
正反対の楽曲ではあるけれど、メロディに潜む和の要素や、デジタルサウンドを無機質なものとしてではなく、エモーショナルに響くように使おうとするスタンスなど、ネオグラフとしての強み、一貫性も感じられる。
仙台系、という言葉を肉付けする楽曲たちになっていくのは間違いないので、彼らの活躍によって仙台シーンを盛り上げてほしいですね。
<過去のネオグラフに関するレビュー>