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initiation/iconosophia/kehre.

 

1. initiation

2. iconosophia

 

 

12月11日に下北沢BREATHで開催された単独公演にて配布されたkehre.の2曲入りシングル。

 

ジャケット付きのプレスCD。

無料配布音源としては豪華な仕様と言えるでしょうか。

残数はオフィシャル通販でも購入が可能で、ライブに行けずとも適正価格で入手できたのはありがたい限りです。

 

「initiation」は、しっとりと歌い上げているようでもあり、情熱的な激しさも感じられ、色々な表情を持っているな、と。

クリアだったサウンドが、楽器が重なっていくうちにノイジーに変貌。

徐々に難解な印象が強まっていきます。

その要因のひとつは、各パート、お互いがどんな音を奏でているかわからない状態で、自分が考えてきたフレーズをレコーディングしているような自由奔放さ、規則性のなさ。

ただし、それが奇蹟的な塩梅で心地良さを生むように配列されて、誰も真似できない音楽を構成しているのだから面白い。

新しいアプローチが、発明に変わる瞬間でした。

 

「iconosophia」は、オリエンタルな雰囲気のあるナンバー。

東洋的なダークネスを纏っていて、妖艶な歌声がじわじわと心に侵食し、深みに引きずり込んでしまいます。

淡々と刻まれる民族音楽のようなリズムも独特。

大きく盛り上がるキャッチーさはないけれど、飽きも来ない、無限に聴ける楽曲ですね。

 

シングルであっても大衆性に転ばない、マニアック志向をくすぐる作風がたまらない。

メンタルをダイレクトに刺激されるようなザワザワした感触が、いつしか癖になる1枚です。

 

<過去のkehre.に関するレビュー>

「lost feathers」「lost flowers」