MonstlloW / モンストロ | 安眠妨害水族館

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MonstlloW/モンストロ

 

1. Introduction.

2. ビッグマウス・マーチ

3. Ms.Black Cat

4. 嘘泣キ少女

5. 。゜。゜。゜

6. THE SEDUCING WOODS

7. 幻影ノ星

8. 焔

 

 

モンストロが2017年にリリースした1stミニアルバム。

 

"嘘"を様々な角度から捉え、表現することをテーマに結成。

Gt.奏音さんの脱退により、2022年に活動休止となりますが、現在でも不定期でライブに出演するなど、まだまだ存在感を放っています。

音楽性としては、ハードな音像で攻撃的に攻め込むスタイル。

そこにシアトリカルな演出を詰め込んで世界観を広げていくのが、大きな特徴と言えるでしょう。

「Introduction.」と「。゜。゜。゜」が次の楽曲へ繋ぐためのSEとなっていて、これも彼らの演出のひとつ。

前半、後半の二部構成のように仕立てることで、毛色の異なる楽曲も、違和感なくまとめあげていました。

 

前半は、ギミック強めのナンバーが中心。

権利的な意味でも際どいところを攻める代表曲「ビッグマウス・マーチ」をはじめ、凝った展開を武器とする演劇性の高い楽曲が収録されている印象です。

もっとも、その裏に込められたメッセージ性の鋭さも、特筆したいところ。

何を表現しようとしていたのか、といったところまで深掘りして聴いてみると新たな発見があるのでは。

 

後半は、ダイレクトに心に届く楽曲を固めてきているような。

ストレートに攻撃性を示す「THE SEDUCING WOODS」、サウンド的にはヘヴィネスも意識しつつ、ロマンティックな歌モノとして仕上げた「幻影ノ星」、疾走感を引き連れながらメロディアスに展開する「焔」。

"演じている"というイメージを与えたうえで、最後は直接刺しに来る。

場面分けをすることでコントラストがはっきりして、アプローチの違いがかえってコンセプチュアルに映るのが上手いですね。

 

始動直後にリリースされた作品ではありますが、衝動性だけではないところを見せつけていた彼ら。
二面性がパッケージされた味わい深い1枚です。