P.O.P/Alternation of Generations
1. IKARUS
2. SHINE ON
3. 掌の海
4. QUESTION
5. REQUIEM
6. 春呼ぶステラ
ハイブリッドロックバンド・Alternation of Generationsのデビューミニアルバム。
NoGoDのVo.団長を中心に結成。
演奏陣には、ex-ギルドのGt.YOSHIHIRO、7DAYS PAPARAZZIのBa.Ryosuke、Unlucky Morpheus、猫曼珠-nekomanju-のDr.FUMIYAと、錚々たる顔ぶれが並んでいます。
初音源にして、メジャーデビューという話題性も然ることながら、注目すべきは、やはりそのダイナミックかつテクニカルなサウンドワーク以外にないでしょう。
歌唱力の高さについては、既に折り紙付き。
いくつかのサイドプロジェクトにより、V系メタル以外のフィールドでも表現の幅を増やしてきた団長さんだからこそ、どんなアプローチの楽曲を持ってきても歌いこなせる、といった側面はあるのかもしれません。
プログレッシヴに展開される複雑性の高いメロディ。
それでいて、ドラマティックに盛り上げる表現力も要求されており、難易度は相当に高いレベルなのですが、少しも苦し気な部分を見せることなく、叙情的に歌い上げているのです。
演奏面においても、"ポップ"というライトな響きに反して、圧倒的な技術で叩きのめすスタイル。
確かに歌メロは歌謡曲的で聴きやすさがあり、サビだけを取り出すと随分とメジャー感があるな、と思わせるのですが、このスピードにそれだけの手数を盛り込むのか、というフレーズの多さであったり、マニアックな転調や変拍子であったり、どのパートを切り取っても真似しようと思う気すら起こらないほどのハイテクニカルっぷり。
象徴的なのは、メタリックに疾走を続けているにも関わらず、10分超という長さを誇る「REQUIEM」ですね。
サブスク時代、長い曲はダレたところでスキップされる、という定説があったところで、常にスリリングにせめぎ合いを続けるこの楽曲に、そんな隙など無いのです。
シンフォニックな演出を多々使っていますが、様式美や耽美性よりも、エモーショナルな方向に振り切っているのも、リスナーを選ばない普遍性の高さ。
メジャーシーンに媚びたようなタイトルは、完全にブラフでした。
そうとは知らずに聴かず嫌いをしているのだとしたら、あまりにももったいないのでは。