画竜点睛/くるる
1. 画竜点睛
新世代V系バンド、くるるによる1stデジタルシングル。
ボカロPとして活動していたぷくさんを中心に結成。
4人編成のバンドとして始動することが発表されていましたが、Vo.AYUMUさんがMV撮影に姿を現さず失踪。
残された楽器隊のみでMVを撮影するという、逆境からのスタートとなってしまいました。
しかしながら、怪我の功名とはこのことで、Gt.にもめろ、Ba.ぷく、Dr.詩乃の3人が交互にヴォーカルを務めるスクランブル編成が個性となって、インパクトを高める結果に。
話題を集めることにもなって、他ジャンル文化との融合、SNS発の口コミ効果と、まさに新世代的なアプローチになったのではないでしょうか。
「画竜点睛」は、和を意識したフレーズにて、現代的な情報量の多いサウンドを構築。
ダークに振れたり、ポップに振れたりと、一箇所に留まることのないめまぐるしい展開も特徴です。
早口で言葉をたたみかける譜割りは、ブレスを意識しないボカロの強みを、そのまま踏襲。
生身の人間が歌うとなれば難しそうなのだけれど、複数人で歌いまわすことになったのが奏功し、それが再現できてしまっているのが面白いな、と。
はじめからこの編成を前提に制作していたのではないか、と邪推してしまうぐらいにハマっていましたね。
ユニゾンでキャッチーに歌い上げるサビも、バンドシーンにおいては新鮮。
前向きさや柔軟性も示した形で、何より、簡単にバンドを諦めてなるものか、という強い意志を感じるのも評価したいところですよ。
今後、このまま突き進むのか、後任のヴォーカリストを立てるのかは未知数ですが、いずれにしても攻め切りたい。
新進気鋭のバンドとして、成りあがっていけるかに注目です。