Diamond / the Underneath | 安眠妨害水族館

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Diamond/the Underneath

 

1. Diamond

2. Deep - acoustic ver. -

3. Bite the bullet - re-build ver. -

4. Frontier - re-build ver. -

 

2010年にリリースされた、the Underneathの1stシングル。

 

TRANSTIC NERVEとして1995年に活動を開始。

2007年12月30日をもって無期限活動停止となるも、2008年1月1日に同じメンバーにて始動したのが、the Underneathでした。

事実上の名義変更ではありますが、その目的は世界展開。

海外ツアーやアメリカでのアルバムリリースなど、精力的に活動。

結果として、2010年に解散となりますが、Gt.TALを除く4人ですぐさまdefspiralを結成して、バンド活動を継続しています。

 

本作は、the Underneathとしては最初で最後のシングル作品。

解散が決まってから、ラストアイテムとして発表されたものであり、キャリアのあるバンドの1stシングル、という先入観で聴くと、だいぶ意味合いが変わってくるのでご注意を。

表題曲である「Diamond」は、Ba.RYOさんが手掛けたミディアムナンバー。

骨太なサウンドに活路を見出し、ヘヴィーなラウドロックに移行していた彼らですが、キャッチーに開けていく展開は、TRANSTIC NERVE時代から続く彼らの王道。

これまでの歩みを総括するような、なんとも懐かしい香りを運んできますね。

光があるメロディは、救いにもなっていたのでは。

 

残りの3曲は、いずれも発表されたアルバムからのリテイク。

アコースティックアレンジにより歌モノとしての情緒性を高めた「Deep」、ヘヴィネスを強化して純粋なレベルアップを示した「Bite the bullet」、ピアノとストリングスでしっとりとまとめた「Frontier」。

最後は、メンバーフル参加でがっつりバンドサウンドが聴きたかったな、という気持ちもありますし、どうせだったらTRANSTIC NERVEの楽曲のセルフカヴァーも、と期待してしまうところではありますが、そこはないものねだりでしょう。

いかにも締めくくり、といった構成になっていて、新曲1曲だけを放り込んでくるのではなく、きちんとラストを演出する彼らの矜持が見受けられます。

 

堂々と真正面から音楽と向き合っているうえ、それがサマになる技術力、表現力。

レベルの高さを感じさせた、ひとつのターニングポイントと言える1枚です。