残響クレイドル / 戮-Riku- | 安眠妨害水族館

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残響クレイドル/戮-Riku-

 

1. ツァイガルニク (zeigarnik)

2. 煩悩事変 (Kleshas)

3. 心、篭った人の詩 (Hermit's getting have will)

4. 禍禍しさに相対し (Overwhelming)

5. 彩色世界 (Nirvana)

6. to stir my heart

7. 軋轢 (friction)

8. 全能エンカウント (omnipotence)

9. 待ち侘びて、残された結末 (The regret was left behind)

10. アマツカツバサ (Angel feather)

 

 

前作から、わずか半年という短いインターバルでリリースされた2ndフルアルバム。

 

前作同様、デジタルシングルとして発表していた楽曲たちをCDとしてパッケージ。

その点だけを切り出せば、2ndベストアルバム、と言っても差し支えはないでしょう。

もっとも、アルバムとしてドロップすることを見越していたのだろうな、と理解できるバランスの良さ。

収録された楽曲が発表されたタイミングは、2021年から2022年、わずか半年程度の期間に固まっており、曲が溜まってきたからまとめたということではなく、意図しての先行リリースになっていたことがうかがえるのですよ。

 

1stアルバム「ZORO」は、ソロ活動の始動を意識づけるアプローチを用いていましたが、本作では、戮-Riku-さんのキャリアを活かすべく、バンドサウンドを強調させた印象。

シンセのサウンドも取り入れており、リズムは打ち込みと思われますが、生々しさを主張するように工夫されており、いよいよライブ活動の本格化といったところも見据えていると言えそうです。

ピアノやストリングスを主体としたシンプルなバラード「待ち侘びて、残された結末」など、アクセントとなる楽曲はしっかりと挟みつつ、アグレッシブに攻め込む疾走ロックを、現代的なアレンジで昇華。

贅肉を削いでアップデートした、スタイリッシュなコテコテ系といったところで、無駄がなく、過剰感もなく、痒い所に手が届く感覚でテンションを盛り立ててくれました。

 

「ツァイガルニク」でハードにスタートすると、「煩悩事変」、「心、篭った人の詩」で勢いはそのままに、メロディアスな歌心を示す序盤の流れでノックアウト。

少しマニアックな「軋轢」から、「全能エンカウント」で一気に盛り立てる展開もゾクゾクしますね。

歌い癖を強めに出しているのも、Phantasmagoria、chariots、凛-THE END OF CORRUPTION WORLD-と戮-Riku-さんの動向をチェックしていたリスナーにとっては、たまらない部分。

待望の全国流通も果たし、まだまだ勢いは止まらないな、と思わせる1枚です。

 

<過去の戮-Riku-に関するレビュー>

ZORO