凶日/のろゐみこ
序
一. 怨念
二. 懺悔
三. 没落
四. 混沌
五. 春愚
六. 奈落
七. 祠骸
詛
2022年2月に始動したのろゐみこによる1stミニアルバム。
ex-カラビンカのBa&Vo.髙橋サヲリと、ex-マイナス人生オーケストラのDr&Vo.生虫により結成。
ライブ活動やレコーディングではゲストギタリストを招いてのスリーピース編成となりますが、それでもリズム体のみの女性ユニットという異質さは、大きなインパクトとなっていますね。
本作は、始動とともに発表された初音源。
9トラックが収録されていますが、SEである「序」と「詛」はカウントせず、2~8トラック目に収録されている7曲に曲順が振られる形となっています。
作曲については、共作が2曲、サヲリさんが2曲、生虫さんが3曲と、バランス良く分担している印象。
作詞は主にサヲリさんが、編曲は生虫さんがイニシアティブをとっているようです。
統一されているのは、おどろおどろしい世界観を紡ぎ出す和風サウンド。
ハードな音像を好みながらも、ドロドロと怨念が渦巻くようなヴォーカリゼーションにより、じわじわと体内に毒が沁み込んでいくような不気味さを与えていました。
自由に役割が変わっていくツインヴォーカルが、耳から脳に伝わりぐるぐると反芻。
土着的な民間信仰にも似たトリップ感は、中毒性が高いのでご用心を。
やはりキラーチューンは「怨念」なのかな。
ただし、全体でひとつの和製ホラーを描いているようでもあり、どちらかと言えば、アルバム単位で聴くべき作品となるのでしょう。
隠されていたふたりの才能が、禍々しく膨れ上がってのろゐみこの音楽性へと昇華。
ニッチではあるものの、間違いなくニーズはありそうな1枚です。