苦悩の中の耐え難い存在-demo tape 2002-/deadman
1. 苦悩の中の耐え難い存在 (2002)
2. quo vadis (2002)
deadman official FC 「FUZ」 の早期入会特典として配布されたCD。
本作は、2002年にデモテープで発表された「苦悩の中の耐え難い存在」をCD化したもの。
もともと、ライブ会場と通販限定でのリリースであり、入手が困難だった作品。
収録曲は、どちらもフルアルバム「no alternative」にて再録されたこともあって、デモテープのヴァージョンは耳にすることがないまま20年が経過していたのですが、こういう形で聴く機会に恵まれるとは嬉しい限りです。
収録されたのは「苦悩の中の耐え難い存在」と「quo vadis」の2曲。
アレンジについては大きく変わっておらず、源流の時点で、完成形が見えていたのだな、と。
一方で、どこかドロドロとした洗練されていない雰囲気もあって、聴き比べの楽しみは十分にありますね。
特に「苦悩の中の耐え難い存在」は、「I am here」シリーズの選曲からは漏れていたこともあり、新規ファンにとっても優しい内容になったのではないかと。
悲壮感のあるミディアムナンバー「苦悩の中の耐え難い存在」は、名古屋系ど真ん中とも言えるマニアックな歌モノ。
展開が移るごとにフレーズを変化させるドラムが、ザワザワと心を揺さぶるようで、 Vo.眞呼さんの繊細な歌声も相まって、メロディだけを切り取ればキャッチーであるにも関わらず、オリジナリティが強い楽曲になっていました。
「quo vadis」は、歌というよりも芝居に近いヴォーカルスタイルが他のバンドの追随を許さなかった代表曲。
メリハリのある楽曲構成とうねるベースが特徴的で、メロディアスなパートでテンポを落とすことによって、ラストシーンの激しさをより強調しています。
つくづく、deadmanでしか成立し得ない楽曲ですよ。
FC入会への導線としては、これ以上ない企画だったのでは。
もっとも、他のバンドでもFC入会特典CDが乱発されるようになったら、ちょっと苦しいのだけれど。
<過去のdeadman(DEADMAN)に関するレビュー>
「I am here」「I am here-disc 2-」
in the direction of sunrise and night light
701125+2
雨降りの向日葵
no alternative