0.01 / rem†non†rem | 安眠妨害水族館

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0.01/rem†non†rem

 

1. Lost...

2. フカイモリ

3. 再世

4. 劣花

5. 蝕罪

6. Paradise Lost

7. 落ち、眠る

8. 黒白

9. ...Find

 

ゴシック・プログレッシブ・シューゲイザーを打ち出す、rem†non†remの1stアルバム。

 

地獄絵、SCISSORS GARDEN等、いくつかのプロジェクトを手掛けるVo&Gt.レアさんや、ex-Ferris WheeLのGt.オリさんを中心に結成。

結成当初は、ex-Ove、ex-ドレミ團などで知られるGt&Vo.ハルヒさんも在籍していました。

本作は、2020年にデジタルリリースされた、rem†non†rem初のアルバム作品。

1年間という期間限定での販売となっていたため、現在では配信や販売は終了となっています。

 

レアさんとオリさんが、ともにコンポーザーとして君臨。

それぞれの楽曲が交互に送り込まれる形になっていて、個性が偏らない仕上がりですね。

ドゥーミーなテイストを強めて、ゆったりとしたリズムであってもノイジーに攻めるのは、主にレアさん。

「フカイモリ」で、早速ダークな世界観にリスナーを誘うと、毒々しく展開される「劣花」、神秘的なサウンドに特化してデカダンスを表現する「Paradise Lost」、インダストリアルな質感を強めた「黒白」と、いずれもディープな楽曲ばかり。

1stアルバムだから入門書であるべき、という忖度は一切排除して、やりたいことを深掘りしてきた印象です。

 

一方で、オリさんは、イントロ、アウトロのSEと、「再世」、「蝕罪」、「落ち、眠る」の作曲を担当。

ゆるいテンポで濃厚な世界観を生み出すアプローチであることは変わらないのですが、ドリーミーなサウンドで、心なしかヒーリング要素が強いような。

浮遊感があって重力を忘れさせてくれる「再世」、厚みのあるギターにメロディアスなヴォーカルラインが乗る6分超の「蝕罪」、インストかと思いきやバンドサウンドが主張して歌モノの雰囲気が出てくる「落ち、眠る」と、全編とは言わないまでも、比較的聴きやすい楽曲が揃えられたのではないでしょうか。

 

近しいところにあるようで、正反対でもあるようで、というふたりの楽曲の関係性。

もしかしたら、これがレム/ノンレムというアーティスト名に繋がっていたりして。

聴く人は選ぶのでしょうが、配信期間中にダウンロード購入したリスナーのみ聴ける、という状況はなんとももったいないなと。

このプロジェクトで新譜が出ることがあれば、ひょっこり配信を再開してくれないかな、と思わずにはいられません。