The beginning of the END/DazzlingBAD
1.SE
2.vertigo
3.Trypophobia
4.錆色の海
5.秤の空
6.カメラオブスキュラ
2020年に結成され、2021年から正式始動となったDazzlingBADの1stミニアルバム。
ダークでデカダンな世界観と、耽美主義的な様式美。
ヴィジュアル系としてド正論のサウンドを奏でる彼らが、早くもドロップしてきたアルバム作品です。
収録された楽曲は、どれもがドラマティックに構成。
ズタズタに切り裂くような激しさを見せたと思いきや、浮遊感漂うクリアなメロディも織り込んで、SEを除けば5曲のみではありましたが、充実した聴きごたえを実現していたと言えるでしょう。
彼らの大きな武器は、なんといってもVo.-iT-さんの中性的な歌声ですね。
ハードに攻めるパートでは硬派なデスヴォイスが響く一方で、メロディアスな展開になれば、透明感のあるハイトーンヴォイスに耳を奪われる。
このギャップこそDazzlingBADの魅力であり、中毒性を生んでいたのではなかろうか。
まるでボーカロイドのような声質に、はじめは癖が強く感じるかもしれませんが、確固たる個性になっているのは間違いなく。
王道的な音楽性だからこそ、このインパクトが重要になってきそうです。
ボリューム感は感じれど、尺を見れば案外コンパクト。
トレンドもしっかり押さえてあって、なかなか期待値が高いバンドだな、と。
欲を言えば、先行して配信されていたデジタルシングルもCDに収録してほしかったけれど。
特に、白系に振り切った歌モノ「Feather」は、人気曲になりそうなポテンシャル。
本作に入っていれば、最後のピースを埋める役割を担えたのでは。
なお、コンポーズは、Gt.悠汰-YUTA-さんと、Ba.綾葉-AYAHA-さんが半々といったところ。
それぞれが個性を出したり、中道を突っ走ったりと、有機的な化学反応を起こしているのも面白いなと感心させられる1枚です。