「断罪のバナナ」「眩しい日々に」 / 稲山梢 | 安眠妨害水族館

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断罪のバナナ/稲山梢

 

1. 断罪のバナナ

 

眩しい日々に/稲山梢

 

1. 眩しい日々に

 

Vo&Gt.稲、Ba.山本伸彦、Dr.木立梢悟による稲山梢のデジタルシングル。

 

2ndシングル「断罪のバナナ」は7月~8月、3rdシングル「眩しい日々に」は9月~10月に順次配信となりました。

双方、随分と毛色が異なる楽曲に仕上がっており、稲山梢の両極端と言えるのかもしれませんね。

 

「断罪のバナナ」は、ザクザクと切れ込むハードなナンバー。

歪んだギターと性急なリズムにより、彼らのダークな一面が垣間見えるといったところでしょう。

タイトルからは、90年代オマージュ+おふざけ感のある楽曲を想像したのですが、良い意味で裏切られた形。

しっかりと稲山梢のサウンドとして昇華しており、2曲からいきなりハズシを入れてきたというわけでもなさそうです。

あどけなさの残る稲さんの歌声が重なることで、激しい楽曲にもノスタルジックな感傷が帯びてくるから面白いな、と。

 

一方の「眩しい日々に」は、山本さんが作詞・作曲を主導したというミディアムチューン。

"青春スリーピースバンド"というコピーにふさわしい、素朴で沁みる1曲に構築されています。

力強さと、脆さが背中合わせ。

稲さんの紡ぐ優しいリフが曲にマッチしていて、切なさを炸裂させるサビも絶妙。

シンプルなアンサンブルではありますが、メリハリをつけてドラマティックに盛り上がる展開が効いていました。

 

タイプは違えど、クオリティは高い。
密度が高い音楽が好まれる時代に、引き算的なサウンドで的確にセンチメンタリズムを抉るセンスが抜群なのですよ。

アルバムが聴きたいな、と素直に思わせてくれる独自の世界観を持った楽曲たち。

次の一手も気になります。

 

<過去の稲山梢に関するレビュー>