14分の1ミスティック◆BOX / n'DooL | 安眠妨害水族館

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14分の1ミスティック◆BOX/n'DooL

 

1. 魔界音楽隊~ミスティック◆BOXver.~

2. ルーレット GAME

3. ハーレムjuice

4. invite

5. MAKAIticGate

6. PARTY's69

7. 夢の居場所

 

2008年にリリースされた、n'DooLの1stミニアルバム。

 

2006年、ex-エグリゴリのメンバーを中心に結成。

CROW MUSICに所属し、関西を拠点に2011年まで活動していました。

魔界から来た妖魔たちという設定と、デコラティブなヴィジュアルが特徴。

テーマを反映させた音楽性も相まって、シーンの中での個性化を図っていたバンドであったと言えるでしょう。

コンセプトメーカーはGt.Rioさんが担っていたのか、作詞はほぼRioさんが担当。

Vo.皐明さんが作曲を手掛けた「ハーレムjuice」も、作詞にはRioさんがクレジットされており、世界観に対してのこだわりを感じます。

 

ダンサブルなSEを経て、ギラついたフレーズと、異国情緒を結び付けた「ルーレット GAME」で勢いよくスタート。

摩訶不思議なフレーズを織り込み、メルヘン色を打ち出していますが、ライブでの盛り上がりも意識してか、古典的なヴィジュアル系的アプローチも随所に飛び出すサウンドですね。

総合的には、ミニアルバムとしての聴きやすさを重視した印象。

結果として、バランスのとれた作品に仕上がったのでは。

歌モノ要素が強いナンバーについては、もう少しヴォーカルが垢抜けていれば、という側面もあるのですが、n'DooLの目指した方向性はよくわかる構成でした。

「MAKAIticGate」に、そこはかとなく滲み出ているPIERROT感はご愛敬ということで。

 

星の数ほどバンドが存在してきたV系シーンにおいても、"ン"からはじまるバンド名は稀有。

雑学的に覚えている人は相応にいるものの、作品にまで手を伸ばしているリスナーが必ずしも多くないのは不遇だな、と。

個性に振り切ってドリーミーに色付けした「invite」などは、今もなお色褪せない世界観を誇っているだけに、もったいない気がしてしまいます。

初のアルバム作品であったことを踏まえれば、多少歪になったとしても、インパクトを追求しても良かったか。

ポテンシャルの高さを発揮し切れれば、と思わずにはいられない1枚。