愛しの昭和ロックスター☆ / ロボガエル | 安眠妨害水族館

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愛しの昭和ロックスター☆/ロボガエル

 

1. 愛しの昭和ロックスター☆

2. ギョェ

 

 

ex-美空のGt.秋輔さんを中心として結成されたロボガエルのシングル。

 

当初はヴォーカリストを擁するバンド形態でしたが、現時点での編成は、秋輔さん以外にはBa.トマピーさんのみのユニット形式。

ヴォーカル不在の間は、秋輔さんが歌も担当しているようです。

本作は、無料配布されていた楽曲を、ワンコインシングルとしてパッケージ化したもの。

MVも制作されており、代表曲となるのでしょうか。

 

さて、その「愛しの昭和ロックスター☆」は、色々な意味で問題作。

2021年の作品とは思えないレトロなMVが象徴するように、全体的に手作り感が満載。

それだけならともかく、ミスタッチをそのままOKテイクにしてしまったようなフレーズがあったり、歌についても一発録りかのように荒々しかったりと、これが完成品だとするならば、前衛的すぎるとしか言いようがないのです。

どこまでが狙った不協和音で、どこまでが技術不足によるものなのかも判別できず。

曲調としては、ノスタルジックなフレーズを用いたポップロックなのだが、何とも言えない不気味さを感じるのですよ。

 

カップリングの「ギョェ」も、やはり前衛的。

レトロな雰囲気は継続しつつ、ノイジーでダークなアングラテイストを強めており、要所要所に不協和音が混じってきます。

ボイスチェンジャーで声を変えているのか、異質な感覚もますます強烈に。

リスナーに混乱をもたらしていました。

言い換えるならば、これは狂気の作品ではなかろうか。

狙っていたとしても、狙っていなかったとしても、狂気なくしては辿り着けないであろう境地。

ある種、インディーズでしか耳にできない音楽ですので、マニアックな愛好家こそ手にしておきたい作品かもしれません。