クロン -c×lone- / LAY ABOUT WORLD | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

クロン -c×lone-/LAY ABOUT WORLD

 

1. pit bull

2. c×lone -NEW TAKE-

3. Denotation

4. justify oneself

5. 招く

6. electric circus

7. feel or feal

8. カーター

9. 3月18日 feat.yuya(Develop One's Faculties)

10. COYOTE UGLY

 

 

前作から1年というスパンで届けられた、LAY ABOUT WORLDの2ndアルバム。

 

制作中にギタリストが実質的な解雇となり、Vo.狂太郎、Gt.イザナ、Ba.真悠の3人編成となった彼ら。

その影響もあってか、先行配信されていた表題曲「c×lone」はNEW TAKEでの収録となっています。

衣装はだいぶラフになった印象。

それでも狂太郎さんのヴィジュアルには、強烈なオーラを感じずにはいられず、久しぶりにカリスマ性の高いヴォーカリストが登場したな、といったところですね。

 

相変わらず、バリエーションの広さを維持しているのですが、前作よりも方向性が定まったような。

ハスキーな歌声が良く似合う、熱量の高いロックンロール。

生音を強めに出したダンスロックを主体とした演奏は、それを盛り立てながらも、客観視するようなクールさを持ち合わせて。

良い部分はそのままに、アルバムとしてより洗練させてきました。

ヘヴィネスに振り切った極端なラウドチューンには頼らず、キャッチーな歌メロを織り交ぜるアプローチも徹底。

それにより、お洒落でスタイリッシュな雰囲気は、高まったと言えるのでしょう。

 

特筆すべきは、「3月18日」。

Develop One's FacultiesのVo&Gt.yuyaさんがゲスト参加しているのも注目のファクトではあるのですが、淡々としたトラックメークに、優しいメロディを重ねるポップな作風。

これだけを聴けば、180度の路線変更とも誤解されかねない極端さ、大胆さで、わかっていてこれを差し込む胆力はなかなかのもの。

インパクトは抜群ですよ。

4分を越える楽曲を設けず、10曲、34分というテンポの良さも、現代音楽では重要なポイント。

勢いを示しつつ、よく練られた戦略家としての一面も顔を出す、衝動と洗練のバランスがとれた1枚です。

 

<過去のLAY ABOUT WORLDに関するレビュー>

真っ赤な嘘